代謝

2018.10.19

代謝とは何か?|筋肉量を上げて健康で美しい体を手に入れよう!

10代がピークである…

皆さんは、これが何のことかお分かりですか?

実はこれ、「代謝の働き」のことなのです。

しかも男性の場合は18歳頃ですが、女性は15歳ほどで、ピークを迎えます。

「代謝は加齢とともに落ちていく」と知っている人は、多いでしょう。

しかし「20代頃は、まだ全然大丈夫。30代くらいから落ち始めるだろう」なんて考えてはいませんか?

ではなぜ代謝はこんなにも早く、活動が衰えてしまうのでしょうか?

本記事は、「代謝とは何か」と言う根本的な疑問から始め、以下の点から、代謝の謎に迫っていきます。

  • 代謝による作用
  • 三大栄養素との関係
  • 代謝を下げてしまう原因
  • 代謝を上げるメリットと方法
  • お勧めの運動方法

などなど、改善に役立つ情報を多数、ご提供します。

また、様々な代謝アップの方法を調べた結果、私自身が「特に有効」だと感じた「筋肉量を上げる」ことについては、より詳しく、具体的にやるべきことをご紹介します。

本記事を読む皆さんは、代謝についての知識をもち、尚且つ実践することで、「年齢に負けない健康的で美しい体」を手にしましょう。

1 代謝って何だろう?

では早速、最も根本的な疑問である「代謝とは何か」と言う点について、ご説明します。

本章では、それぞれ役割の違う「3つの代謝について」と、代謝の「2つの作用について」に着目していきます。

3つの代謝について

まずは、「3つの代謝」についてご説明します。

一言で「代謝」と言っても、代謝には3種類があります。

種類によって、消費の方法や消費される量も違います。
では、それぞれは全体の中でどのくらいの割合なのでしょうか?

円グラフにすると、このようになります。

代謝には「基礎代謝」「生活活動代謝」「DIT」の、3種類があることがわかります。

では以下から、個別にご説明します。

基礎代謝

全体の名で、最も多くの割合を占めているのが「基礎代謝」です。
これは全体の60〜70%ほどになります。

基礎代謝は、特に何もしなくても「自然に」消費されるカロリーのことです。
これは、寝ている時でも絶えず消費されて続けています。

よく耳にする「“代謝”を上げると、痩せやすくなる」と言う時の“代謝”はこの「基礎代謝」です。

生活活動代謝

全体の中で、次に多い割合の代謝が「生活活動代謝」です。約20〜30%ほどを占めています。

生活活動代謝はその名の通り、普段の生活の中や運動によって消費されるカロリーです。

スポーツでなくても、歩いたり立ったりと言った日常的な動作でも消費されています。

DIT(食事誘発性熱産生)

全体の中で、最も少ないのが「DIT食事誘発性熱産生)」であり、約10%程しかありません。

これは食事をすることによって、消費されるエネルギーです。

なぜ食事によって、エネルギーを摂取しているのに、消費するのでしょうか。
それは様々な内臓が、食べ物を体内に取り込むために活動しているからです。

主に朝食によって消費されます。

“ 肝臓と代謝 〜なぜ肝臓は最もエネルギーを消費するの?〜 ”

肝臓には大きく分けて、3つの役割があります。

  1. 代謝
  2. 胆汁の生成・分泌
  3. 解毒作用

肝臓のなかで行われている「代謝」とは、胃や腸で分解・吸収された栄養素を利用しやすい物質に変えることを言います。

さらに、必要に応じてそれらを分解し、エネルギーを作り出す機能もあります。

三大栄養素を始めとした、殆どの栄養素の代謝を行っています。

代謝全体で6〜7割をも占める「基礎代謝」のなかでも、1/3(約27%)を担っているのが「肝臓」です。

肝機能をあげることは、代謝をあげることに直結しているというわけです。

代謝の2つの作用

代謝と呼ばれる化学反応には、大きく分けて2つの作用があります。

それは「同化作用」と「異化作用」です。

ここでは、これら2つについてご説明します。

同化作用

「同化作用」とは栄養を摂取し、呼吸や消化によって脂質やタンパク質など、体が必要とする物質を作る。

異化作用で作った「エネルギー(ATP)」を作って行う。

異化作用

外界から取り込んだ物質(食べ物)を分解し、より簡単な物質を、呼吸などによって酸素(O2)や二酸化炭素(CO2)を作りエネルギー(ATP)を産生します。

「同化作用」と「異化作用」の関係を、簡単にまとめたものが、以下の表です。

2 三大栄養素と代謝

代謝のエネルギー源となる栄養素は、主に「三大栄養素」です。

3つは、それぞれ別の物質へと変換され、我々の生命活動を支えています。

三大栄養素は、以下の物質に変わります。

  • 炭水化物→ブドウ糖
  • 脂質→グリセリン、脂肪酸
  • タンパク質→アミノ酸

ではこれらの代謝は、どのようにして変化していくのでしょうか?

それぞれ順にご説明します。

炭水化物と代謝

炭水化物は、消化により「ブドウ糖」となって、小腸粘膜から吸収されます。

その後は、肝臓へ送られるもの血中を流れ全身へ届くもの中性脂肪となるものに分かれ、肝臓や筋肉では、「グリコーゲン」として貯蓄されます。

貯蔵するのは、必要に応じてエネルギーへと変換するためです。

しかし、このグリコーゲンの貯蔵には、限界があるため、炭水化物を余分に取りすぎてしまうと中性脂肪となってしまい、肥満へとつながります。

脂質と代謝

食べ物からとった「脂質」は、膵液の消化酵素によって「リン脂肪・コレステロール・中性脂肪」の3つに分解されます。

さらに「中性脂肪」は「グリセリン」と「脂肪酸」に分解された後に小腸で吸収され、再び中性脂肪となります。

3つの物質は全て「カイロミクロン」となってリンパ管に入り、最終的には「肝臓」にたどり着きます。

以下はカイロミクロンの、簡単な図です。

タンパク質と代謝

この図は、タンパク質の代謝を、簡単に表したものです。

初めにタンパク質は、アミノ酸となって小腸から吸収され、その後、一部はタンパク質と再合成し、その他のアミノ酸は血液に乗って、体の各組織へ運ばれます。

再合成したタンパク質は、一定の割合で再度アミノ酸に分解され、絶えず新しいタンパク質へと入れ替わります。

不要になったアミノ酸からは、有毒アンモニアが発生します。

これらは無毒尿素へと変換され、尿として排出されます。

タンパク質の代謝は全て、肝臓内で行われ、有害な物質を無害化する働きは、「肝臓の解毒作用」によるものです。

3 代謝が下がるのは何故か?

エネルギーの変換など、人間の生命活動に欠かせない代謝ですが、これは様々な原因から落ちやすいという特徴があります。

代謝が落ちると、私達の体は多くの悪影響を受け、大きく分けると以下の2つの面への被害が考えられます。

  • 免疫力の低下(健康面)
  • 太りやすく、痩せにくくなる(美容面)

特に「免疫力の低下」は、様々な疾患へと繋がるため注意が必要です。

では、具体的にどのようなことが原因で、代謝は下がってしまうのでしょう。

加齢

代謝が下がる理由として、初めに挙げられるのが「加齢」です。

分かりやすくグラフに表すと、以下のようになります。

これは、厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準」を、参考にしたものです。

この表からも、かなり早い年齢からすでに下降が始まり、10代でピークを迎え、それ以降は急激に下がっていることがわかります。

代謝が下がると、同じ運動量や、同じ様な食事をしていても太りやすくなってしまいます。

一般的には、20代から30代になると平均体重は、男性が+5㎏、女性が+3㎏増えると言われています。

つまり、若い頃以上に生活習慣に気をつけることが必要です。

筋肉量の低下

エネルギーが最も消費される部位は「筋肉」です。

代謝全体の2割ほどを占めます。

筋肉の次に、肝臓などを始めとする内臓が続きます。

そのため筋肉量の低下は、代謝の上がり下がりに対し、絶大な影響力を持っています。

後ほど、筋肉量を効率的に上げる、トレーニング方法をご紹介します。

不規則な食生活

バランスの崩れた食生活は、代謝の低下の他にも、あらゆる健康被害に繋がります。

脂質の摂りすぎなどは、ここまでに何度か登場した「肥満」の原因にもなります。

しかし、ダイエットと称して、食事の量を極端に減らしたり、回数を減らしたりすることも、十分に健康被害の原因となります。

代謝活動の面から見ても、DITが機能せず、体温が低下するため代謝は低下します。

ストレスや疲れ

ストレスがかかると「コルチゾール」が分泌されます。

コルチゾールはストレスに対処するため、エネルギーを燃焼します。

ここまで聞いて、「エネルギーが燃焼されるなら良いのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか?

しかし、さらにストレスがかかり続けると、今度は筋肉までも分解して、ストレスに対処しようとします。

結果として筋肉量が下がり、代謝も下がります。

水分不足

体中の老廃物を回収しているのは、血液やリンパ管です。
そして、それらの大部分は水分でできています。

つまり水分が不足すると、血液やリンパ液の濃度が高くなります。
そして、ドロドロになり、流れが悪くなり、結果的に代謝が低下します。

4 代謝を上げて健康美を目指す!

どんなことが代謝を下げる原因となるのかは、前章でお分かりいただけたかと思います。

では逆に、代謝をあげることによって、どのようなメリットが期待できるのでしょうか?

代謝をあげる3つのメリット

本記事では、代謝が上がることによるメリットを、「健康維持・体型維持・美容的効果」の3つの点に分けていきます。

さらに、なぜそのような効果が期待できるのかなども、合わせてご説明します。

1つめ、多くの「健康被害を改善」する

代謝を高めることによって、改善が期待できる症状には、以下のようなものが考えられます。

  • 冷え性
  • むくみ
  • 肩こり、腰痛
  • 自律神経の乱れ
  • 虚弱体質(風邪を引きやすい等)

これらの症状は、代謝が活発になり、血液の巡りが良くなることで、改善が期待できるとされています。

特に肩こり腰痛は、血流が良くなると、筋肉が柔らかくなるので効果的です。

2つめ、「痩せやすい体質」になる

代謝(特に基礎代謝)を上げると、エネルギーの消費量が増えます。

基礎代謝が上がると、何もしていなくても自然とエネルギーが消費されます。

さらに、同じ量のエネルギーを摂取していても、生命活動に使用(消費)される量は、代謝によって変わります。
これが、太りやすい人と痩せやすい人の違いです。

3つめ、「美容効果」が期待できる

代謝が上がることで、細胞の新陳代謝も良くなります。
それによって肌や、髪が健康的な美しさを保つことができます。

代謝が活発になると、体内に入ってきたエネルギーを残さず使い切ることができるため、古い細胞はしっかりと排出されます。
つまり、老廃物を溜め込まないでいられるというわけです。

また、内臓機能も活性化されるため、便秘の改善にも役立ちます。

生活から代謝をあげる

ではいよいよ、代謝をあげる方法についてご説明します。

ここでは、できるだけ日常の些細なことに注目し、自然と代謝が上がっていく生活を目指した、見直した方法をご紹介します。

私が提案する、具体的な方法は以下のとおりです。

  • 一年通して入浴する
  • できるだけ階段を使う
  • 電車では立っておく
  • TVを見ているときは姿勢に気をつける
  • 1日3食をしっかり食べる

入浴は代謝の向上以外にも、免疫力を上げることにも効果的なので、特におすすめです。

「夏は熱くて、全身浴はちょっと…」という方は、20分程の半身浴でも、十分に効果が期待できます。

入浴は基礎体温を上げることにおいて、即効性があります。

代謝や免疫において、理想の基礎体温は36.5℃です。

食生活の改善

次に食生活から、代謝の向上を目指していきます。

ここでは、大きく分けて3つのポイントがあります。それらを順にご紹介します。

《朝食はしっかり食べる》

代謝の中のDITは、朝に最も活発になります。

なので、その時間にしっかり食事をしておくことが重要です。

また、朝食を食べない人は、食べる人より4.5倍」肥満になりやすいと言われています。

《食べ合わせに気をつける》

食べ物は、それぞれの栄養素の相性によっては、同時に食べると効果的なものが多々あります。

ここでは、脂質の食べ合わせについてご紹介します。

揚げ物など脂質の多いものを、食べ過ぎてしまった後におすすめなのがカルシウムです。

カルシウムは脂質の代謝を助けるため、すぐにエネルギーに変換することができ、体内に溜まるのを防ぐことができます。

《酵素を摂る》

酵素を積極的に摂ることもおすすめです。

酵素は脂質の代謝を始めとした、様々な代謝を助けています。

しかし酵素は、熱に弱いため、効果的に摂取する方法が少ないという問題を抱えています。

48℃以上で、働きが止まってしまうため、火を使った調理はできません。

そこで最も効果的なのが「生野菜、果物」を生で摂取することです。

なので生野菜のサラダなどは、積極的に摂取すると良いでしょう。

5 オススメの運動法

次は、冒頭でもお話した、私が特に効果的だと感じ、オススメする「筋力量を上げる」ことについてです。
代謝を下げる原因のひとつでもある「筋肉量の低下」を改善し、効率的に代謝向上を目指しましょう。

では早速、おすすめする運動方法をご紹介します。

有酸素運動

筋力をあげつつ、代謝を上げるには「有酸素運動」がうってつけです。

しかし、有酸素運動といっても色々ありますよね。

具体的にどんなものが「有酸素運動」に含まれるのでしょうか?

代表的なものをご紹介します。

代表的な方法

有酸素運動の代表と言えるものは、以下のものです。

(自宅でできるもの)

  • ウォーキング
  • 筋肉トレーニング

(ジムなどへ行く場合)

  • エアロバイク
  • 水泳

以上の4つが、有効な有酸素運動です。

実践するポイント

有酸素運動全てに共通したポイントとしては、以下の3点です。

  • 毎日継続してやる
  • 1度に20分は続ける
  • 「弱い力をじっくりかける」ことを意識する

ではここから、上記で挙げた具体的な運動法を実践する場合は、どんな点に注意するべきか、運動内容ごとにご説明します。

ポイントを抑えて、効率的に効果を得ましょう。

《ウォーキング》

ウォーキングをする際は、1歩を大股で、正しい姿勢で歩きましょう。

このとき、できる限り膝を曲げないで歩くことを意識すると、なお良いです。

こまめに水分補給をしつつ、歩くペースは、誰かと会話ができる程度の余裕をもたせることが大切です。

《水泳》

水泳は、非常に消費カロリーの多いスポーツとして有名です。

最も消費カロリーの多い泳ぎ方は「バタフライ」で、「約580〜1200kcal/時間」です。

次に「平泳ぎ」「約430〜870kcal/時間」、次いで「クロール」「約420〜840kcal/時間」となります。

ちなみに、水中ウォーキングも約290〜570kcal/時間ほど消費します。

《エアロバイク》

エアロバイクをする際は「心拍数」を意識することをおすすめします。

心拍数は年齢によっても異なるので、以下の表にまとめました。

年代 心拍数(回)
10代 113〜133
20代 110〜130
30代 105〜124
40代 99〜117
50代 94〜111
60代 88〜104

自分の年代にあった、心拍数を常にキープすることが大切です。

筋肉トレーニングに関しては、次章で詳しくご説明します。

筋肉トレーニング

代謝にダイレクトに効果的な有酸素運動が、筋肉トレーニングです。

ここで言う筋肉トレーニングとは、厳しく特別な方法のトレーニングではありません。

定番のものを呼吸を意識して行うことで、有効的な有酸素運動としての効果を期待することです。

今回は、「腹筋」「大腿筋」の2箇所を鍛える有効なやり方をご説明します。

腹筋を鍛える

ここでは定番の「腹筋」の効率的なやり方をご紹介します。

  1. 仰向けで、手は胸の前で交差
  2. 膝は軽く曲げる
  3. 息を吐きながら5秒ほどかけ、ヘソが見えるまで上体を起こす
  4. ③の状態で3秒停止
  5. また5秒かけて、息を吸いながらもとに戻る

毎日1〜5の手順で「1セット10回×3セット」をやりましょう。

大腿筋を鍛える

こちらも定番の「スクワット」をご説明します。

  1. 足を肩幅に開く
  2. 手を頭の後ろに添え、まっすぐ立つ
  3. つま先より膝が出ないように、腰を下ろす
  4. 曲げる→伸ばすを繰り返す(息は吸う→吐く

スクワットをやるときは、常に姿勢を意識しましょう。

また、太ももが床と平行になるくらいまで、腰を落とすことも大切です。

6 最後に

いかがでしたでしょうか?

今回は、「代謝とは何か?」に始まり、3つの代謝についての基本情報や、同化・異化作用、代謝を下げてしまう原因や、上げるメリット・方法、お勧めの有酸素運動、筋力を効率的に上げる筋トレについてお話ししました。

いきなり全てに挑戦しても、3日坊主になる可能性が高いでしょう。
なので少しずつ実践していき、日常のなかに溶け込ませていくことをお勧めします。

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