免疫力

2019.9.5

腸は冷えるとどうなるの?冷えによって起きる不調と3つの温め方法

毎日暑いですね。私がこの記事を書いているのは8月中旬ですが、日中に外に出ると命の危険を感じるレベルの暑さが日々続いています。

そんな中冷たいものを食べる機会も多くなるのではないでしょうか?冬場は冷えに気を付けていた方も夏は油断していませんか?「冷え性だから冬場は辛くて」という方、夏場は暑いから大丈夫だと思っていませんか?

実はこれ間違いです。

なぜなら夏でも体の内部は冷えているから。特に

暑いからとビールをよく飲む方
アイスなど冷たいものを食べがちになる方
シャワーで入浴をすましがちになる方

は要注意です。この記事では夏でも起こる腸や内臓の冷えについてお伝えします。

1 腸は第二の脳

1-1 気持ちの中心は腸にある

お腹はとても大切な臓器です。それを象徴するように「腹が立つ」「腹を決める」「腹黒い」などお腹が精神活動と密接な関係にあることを象徴するような言葉も数多くありますし、英語や中国語など他の言語でも精神活動とお腹を結び付けた言葉があります。今でこそ脳と精神の関係は明らかになってきていますが、それが解明されていなかった昔は気持ちの中心がお腹にあると考えられていたのでしょう。

そして近年の研究でこれは必ずしも間違いではないということがわかってきました。

腸管にある神経細胞は胃や食道などを含めると数億個あり、しかも中枢神経系から独立して動くことが可能です。そのため腸管神経系は「第二の脳」とも呼ばれます。

また、腸は脳と同じ神経伝達物質を生産・分泌しています。例えば精神の安定にかかわるセロトニン、一日のリズムを作るメラトニン、気質や記憶にかかわるコレシストキニンなどが腸内で作られています。

1-2 腸は免疫の最前線

腸には全身の60%ものリンパ球が集中しています。リンパ球は簡単に言うと外から来るウィルスなどの外敵から身体を守る役割をしている免疫機能の一種です。

腸は食べたもの(外から入ったもの)の何を吸収して何を排除するか判断し、怪しい侵入者を防ぐ門番の役割をする最前線の器官なのです。腸にだけしか存在しないリンパ組織などもあり、腸は身体の免疫機能の中でもかなり重要な部分を担っていると言うことができるでしょう。

この腸内の免疫機能の凄いところは病原体となる細菌は攻撃しますが、腸内に存在する腸内細菌や食べ物には攻撃せず有益なものとして消化、吸収するというところです。

そしてこの免疫機能は冷えてしまうとうまく作動せず、病原体と戦えなくなってしまいます。

また、腸には現在確認されているだけでも100種類以上、約1000兆個とも言われる腸内細菌が住んでいます。この数はなんと人間の細胞の数より多いのです。

この腸内細菌が活性化すると免疫力が上がることがわかっています。腸内環境を整えることが気持ちよく毎日を過ごすためにも重要ということです。

2 腸が冷えると病気になる!

2-1 冷えと腸の関係

そもそも「冷え」とは気温、服装、生活習慣などで起こる血行不良です。血行不良によって栄養素が全身に回りにくくなったり細胞の働きが低下してしまいます。

この冷えが慢性化すると腸そのものが冷えて動きが悪くなってしまい、血管や内臓の働きをコントロールする自律神経の調子が狂い、交感神経が優位になってさらに腸の働きを悪化させてしまいます。

2-2 やってみよう!腸の冷え度チェック

▢下半身や足先、手先などが冷えやすい。

▢湯船にあまり浸からず、入浴はシャワーだけのことが多い。

▢腕や足を露出する服や、お腹が出る服を着ることが多い。

▢車や電車での移動が多く、あまり歩かない。

▢運動や身体を動かすことがあまり好きではない。

▢朝は食欲が無く、朝ごはんは抜くか、飲み物だけということが多い。

▢温度差が激しくなると(朝と昼の気温差や、温かい部屋から寒い脱衣所への移動など)、体調が悪くなる。

▢お腹が冷えると、腹部膨満感があったり便秘になりやすい。

▢夏はクーラーの効いた室内にいることが多く、手足が冷たい。

▢ビールなど冷たいお酒が好きでほぼ毎日飲んでいる。

【チェックの数が0~1】

腸の冷え対策はバッチリ!もしそれでも便秘や下痢など腸の不調を抱えているなら別の原因があるかもしれません。

【チェックの数が2~4】

まだあまり自覚症状が無い方もいらっしゃるかもしれませんが、徐々に腸が冷え始めています。

【チェックの数が5~7】

危険信号が点滅!かなり冷えが進んでいます。腸だけではなく身体全体も冷えを感じているのでは?生活習慣を見直して何が腸を冷やしているのかを自覚し変えていきましょう。

【チェックの数が8~10】

腸も身体も相当冷え切っています。冷えが原因で腸が不調になっている可能性が高いです。このままの生活習慣を続けているともっと悪化するおそれが濃厚です。生活習慣の改善が急務です。

2-3 腸が冷えることによって起こる病気

・便秘、もしくは下痢になる

これが「腸が冷えたことによる病気」としては一番わかりやすいのではないでしょうか。腸が冷えてしまうと便を排出する動きがうまくいかなくなり便秘になります。もしくは食べ物の消化吸収がうまくいかなくなり下痢になってしまいます。

・風邪を引きやすくなる

腸が免疫の最前線という話は先にお伝えしましたが冷えると腸の働きが鈍くなり免疫力が低下します。そして免疫欲が低下していると細菌やウィルスに関する自己防衛機能の働きが鈍くなり風邪やインフルエンザ、腸炎などの感染症にかかりやすくなってしまいます。

また、免疫力が低下してしまうとガン細胞も増殖してしまいます。冷えているとガンにもなりやすくなってしまうということです。

・肌荒れを引き起こす

腸が働かなくなるという事は便秘になってしまうという事です。便は本来栄養が吸収されたあとの老廃物です。それがすぐに排泄されないと腐敗して腸内細菌のバランスが崩れます。

そうすると悪玉菌の勢力が強くなってしまい、有毒物質やガスが発生します。これが便として排出できないと人間は汗や皮脂から有毒物質を排出しようとします。これが皮膚細胞に負担をかけてしまい肌荒れの原因になります。

気温差が腸の不調を作る!

「冷える」というと冬場の話だと思う方は多いかもしれませんが、身体の内部は夏場の方が冷えやすいのです。

ただでさえ外気温が高くて冷たいものを食べがちな夏。冷たいものを食べれば当然内臓は冷えますが、夏場の要注意なところはそれだけではありません。

近年は温暖化の影響もあってか真夏の日中の気温はは35℃以上ということもザラです。そして室内はエアコンで冷えていますよね。このご時世「エアコンを使うな」というのはナンセンスです。熱中症は室内でもなるのですから。

ですが、室外と室内の気温差が大きいほど身体の不調を訴える人も増えてきます。冷房が効きすぎた部屋に長時間居続ける事は冷たいものを食べた一時的な冷えよりさらに身体を冷やしてしまいます。怖いのは身体が冷え切るまでなかなか自分が冷えすぎているという事に気づかないことです。羽織るものを持ち歩く、腹巻をするなどして腸を冷やさないようにしましょう。

3 腸の温め方

3-1 『腸にいい食材』は本当に腸にいいのか?

「食物繊維を摂ろうとサラダばかり食べる」

「腸内環境を整えようと朝食はヨーグルトのみ」

こういう方、いらっしゃるのではないでしょうか?実はこれ間違っているとは言いませんが必ずしも効果的では無いのです。

・ヨーグルトは腸を健康にする?

ヨーグルトに含まれる乳酸菌には整腸作用があり、腸内の善玉菌を増やす働きは広く知られています。その為便秘改善に効果があると言われていますが、重症な便秘の方にはあまり効果が無いという医師もいます。

乳酸菌には

動物性乳酸菌(ヨーグルトやチーズに含まれる)

植物性乳酸菌(漬物や味噌、しょうゆなどに含まれる)

の二種類があります。動物性乳酸菌はそのほとんどが胃液や腸液によって死滅してしまうため大腸の奥まで届きにくいという欠点があります。一方、植物性乳酸菌は温度の変化に強く、胃腸内の過酷な環境でも死滅しにくいため生きたまま大腸まで到達してくれます。

ヨーグルトが一般家庭に普及したのは1970年代以降でまだまだ最近です。私たちはずっと漬物や味噌などの植物性乳酸菌を摂って生きてきていますので、どちらが身体に合っているかは明白ではないでしょうか。

・サラダは食物繊維が豊富?

サラダによく入っているレタスやキャベツなどの葉物野菜は大半が水分の為、かなりの量を食べないと十分な食物繊維が摂れません。また、食物繊維には

不溶性食物繊維(玄米、ニンジン、干し柿など)

水溶性食物繊維(昆布やワカメなどの海藻類、ミカン、桃などの熟した果物)

の二種類があります。

不溶性食物繊維は文字通り水に溶けにくい食物繊維で、腸内で水分を吸収して膨らむことで便のカサを増やし、腸壁を刺激して腸のぜん動運動を促す働きがあります。ですが水分が少ないと便が硬くなってしまいお腹の張りや便秘を引き起こす可能性もあります。

食物繊維は不溶性と水溶性のものをバランスよく摂ることが大事です。

3-2 昔ながらの食べ物を見直そう

・味噌、しょうゆ、漬物などの発酵食品

腸内では善玉菌と悪玉菌が絶えず勢力争いをしており、食事内容、生活習慣、ストレス、睡眠などが腸内細菌のバランスに大きな影響を与えています。それらのバランスを整えてくれるのが乳酸菌であり、上記のように乳酸菌には「植物性乳酸菌」「動物性乳酸菌」の二種類があります。

乳酸菌の特徴と種類

生息場所とその環境 植物性乳酸菌 動物性乳酸菌
どこに? 味噌、漬物など ミルク
どんな糖と関係している? ブドウ糖、果糖、麦芽糖、多糖類など 乳糖のみ
栄養状態は影響するか? 栄養が豊富ではない場所やバランスが悪い場所でも生息できる

栄養が豊富でバランスが良い場所で生息

ほかの微生物と共存できる? 様々な微生物と共存できる おおむね単独

このように植物性乳酸菌には優れているところも多く、昔から日本で食べられていたもの(味噌や漬物、しょうゆなど)に含まれています。動物性乳酸菌だけを優遇するのではなく、昔からの食材にも目を向けましょう。

・グルタミンやグルタミン酸を意識して摂ろう

腸の免疫力UPにはグルタミンという栄養素も欠かせません。

グルタミンは小腸粘膜細胞にとって最大のエネルギー源であり、小腸の粘膜を修復したり、粘膜細胞の働きを高めて吸収を促したり、リンパ球の栄養分になったりするなど腸の免疫作用にとって不可欠の栄養素です。

グルタミンの多くは筋肉で作られるので、たんぱく質をきちんと摂っていれば問題ありませんが病気や激しい運動などで身体が消耗した時は臓器のダメージを修復するためエネルギー源として大量消費されるのでとくに意識して補給する必要があります。

グルタミンは生肉や生魚、生卵に多く含まれます。

また、「出汁のうま味」として有名なグルタミン酸は近年、生体内で多くの作用をもたらすことがわかってきました。胃の中にグルタミン酸があると副交感神経の活動が促進されることがわかってきましたし、消化管は活動エネルギー源のひとつとしてグルタミン酸を大量に消費しています。

つまり、グルタミン酸の少ない食材ばかり食べているとエネルギー不足で腸の運動が停滞してしまう可能性があるのです。

うま味成分の多いもの、つまり日本人が従来食べていた出汁の利いた食材を多く摂ることは腸の健康には不可欠なのです。今一度昔ながらの日本食を見直してみましょう。

3-3 腸を温める日常習慣

腸に悪い生活習慣は主に4つです。

①腸を冷やす生活習慣

冷たいものも腸に負担をかけますが、それよりもジワジワ負担をかけるのが屋外と室内の気温差による腸の冷えです。服装など生活面からも冷え対策が必要です。

②腸の働きを停滞させる運動不足

オフィスワークなどで身体を動かす機会の少ない人は腸の働きも停滞しがちです。運動量の少なさは腸の冷えにもつながります。

③腸にストレスを与える生活習慣

腸の働きは自律神経によってコントロールされています。ストレス状態を放置すると腸の調子もおかしくなってしまいます。

④腸のリズムを狂わせる生活サイクル

人の身体には体内時計が備わっていて腸の消化、吸収、排せつといった働きとも連動しています。腸が活発に働く時間に食事を抜いたり食事の時間が不規則だったり、いつも便意を我慢するような生活を続けていると腸の状態はどんどん悪化していきます。

・ウォーキングで腸を動かす

運動によって新陳代謝が活発になり、腸にもいい影響があります。

ウォーキングは下半身のトレーニングにも最適です。下半身には全身の筋肉の70%以上が集中しているため下半身の筋肉を鍛えると代謝が高まって血液循環が良くなり冷えと血行不良を改善することができます。

また「第二の心臓」と言われるふくらはぎもウォーキングによって活発に動く為下半身に留まっていた血液も心臓にしっかり戻るようになります。

これは腸の改善だけではなく、全身の血行促進にも有効です。

まとめ

腸を冷やしてしまうことは身体のありとあらゆる不調に繋がっていきます。

昔ながらの食習慣を見直して、できるところから生活習慣の改善をしていきましょう。それが腸の健康を保つだけではなく、冷えや不調の改善に繋がっていきます。

難しい事をする必要は無く、できるところからコツコツと、です。

 

 

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