免疫力

2018.9.7

風邪のだるさの正体は思春期の子供?|信じてそっと見守ろう!

風邪を引いてしまったとき、みなさんの頭を最も悩ませることは、一体なんでしょうか?

ひょっとしたらそれは「倦怠感」ではありませんか?

熱の有無に関わらず、体がだるいと何もする気が起きず、普段の生活が非常に億劫なものになってしまいますよね。

ではこの辛い倦怠感は、一体どこからくるものなのでしょうか?そして解消する方法はあるのでしょうか?

そこで、だるさが出る仕組みを初め、上手な付き合い方、どうしても辛い時の強い味方などをご紹介します。

さらに、倦怠感の原因は本当に風邪なのか、と言う疑問についても解消していきます。

風邪を引いて、体が弱っている時に負担をかけるのは問題外です。なので本記事では、できるだけ薬に頼らない、食事や休息などの自然療法での改善を目指していきます。ポイントは、いかに免疫細胞を、上手にサポートできるかどうかです。

みなさんも本記事を読んで、風邪を引いた時の嫌な倦怠感の正体の暴き、長引かせることなく、必要以上に苦しまない方法を学びましょう!

1 風邪のだるさは免疫細胞が原因!

風邪を引いた時の「倦怠感」、みなさんはなぜ起こるのかを知っていますか?

まず初めに、だるさを感じてしまう仕組みから、ご説明していきます。

免疫細胞が原因なワケ

風邪を引いた時の倦怠感を引き起こしているのは、実は私たち誰もが持っている「免疫細胞」なのです。

「ウイルスを退治して、体を守ってくれるものがどうして倦怠感を出すの?」と思うかもしれませんが、これにはしっかりとした理由があるのです。早速、その理由を解明していきましょう。

体を守るサイトカイン

風邪を引いた時の私たちの体中には、風邪の原因である有害なウイルスが入っていることになります。

するとウイルスから体を守るため、免疫機能が活性化され「サイトカイン」と言う物質が分泌されます。

免疫機能が活性化されると、普段よりエネルギーの消費量が増え、体がだるくなったり、発熱したりといった症状が起こります。

サイトカインを抑制するPGE2

熱や倦怠感をだす原因はサイトカインだけではありません。

サイトカインが生成されすぎると、ウイルスだけでなく、体を様々な機能に対して攻撃を加えてしまい、結果的に多くの臓器がダメージを受けるという事態になってしまいます。

それ防ぐために生まれるのが「PGE2プロスタグランジンイーツー)」です。

しかし、この物質も関節痛・発熱・倦怠感を引き起こしてしまうのです。

だるさとは戦闘中の証拠

以上の2つのことから、風邪によるだるさの原因は、外から入ってきたウイルスではないとわかります。

むしろ、ウイルスを撃退するための物質が「発熱」や「だるさ」を引き起こしているのです。

いわば、ウイルスと戦っている証拠です。同時に、ウイルスの侵入をあなた自身に知らせ、休息が必要であることを訴えているのです。

2 安易に薬に頼るべからず!

風邪を引くと、なぜ体がだるくなってしまうのかがわかったところで次は、倦怠感を長引かせずに、上手な付き合い方をご説明します。

付き合い方を間違えると、悪化したり、風が治ってもダラダラと倦怠感だけが残ってしまったりと言う状態に陥りやすくなってしまいます。

その様な事態を避けるためにも、正しい知識を身につけましょう。

薬には極力頼らない!

みなさんは、体がしんどい時に真っ先にどの様に対処しますか?

「仕事が捗らないから…」

「これ以上、悪化させたくないから…」

と言う理由で、ついついすぐに薬を飲んでしまったりしていませんか?

薬の飲むことが絶対良くないと言うわけではありませんが、場合によっては逆効果になってしまうこともあります。

薬が症状を抑え込む

前の章でご説明した通り、風邪の時の倦怠感は、ウイルスと免疫細胞が戦っているサイン、もしくは戦っているから休息してほしいと言う訴えです。

ここで薬などを飲んで、強制的に倦怠感を取り払ってしまったらどうでしょうか。

一時的にだるさがなくなり、日常生活がしやすくなるでしょう。しかし、それはあくまで「一時的」です。薬の効果が切れれば、症状は戻ってしまいます。

それどころか薬が弊害となって、免疫細胞がウイルスと十分に戦えず、かえって長引いてしまう可能性もあります。

また倦怠感がなくなったことで、通常通り仕事をしたり、体を動かしたりしていると、悪化することも十分に考えられます。

薬を飲んでも良い基準とは?

では、どんなに苦しい時でも薬を飲んではいけないのでしょうか?

基本的には、ここまで述べていたように、風邪薬や解熱剤の安易な服用はオススメしませんが、服用しは方が良い場合もあります。どんな時に服用するべきなのか、ここでお話しします。

大人にも子供にも共通している点は、

咳・鼻水が酷くて、眠れない場合」です。

眠るという行為は、免疫力を上げる最も有効は方法であり、回復への近道です。

また、激しい咳や鼻水が続くと、体力も消耗され、さらなる炎症を引き起こす可能性もあります。

次に「解熱剤」の服用について。こちらは大人と子供では異なるので、それぞれご説明します。

《成人》

成人の場合、解熱剤の服用は「39.0℃以上」の発熱の場合は、服用するべきです。

ただしこの基準は、その人の平熱によっても異なります。平熱が「35〜36℃」と低めな人は、38.0台の発熱でも、服用しても大丈夫でしょう。

《子供》

子供に関しては、明確に「◯℃以上」「◯時間以上」などの基準はありません。

また、飲む薬によって変わることもあります。

数字の基準に関しては、医師や薬剤師に相談してから、服用させるようにしましょう。

また市販薬の場合、他の薬との併用は避けましょう。成分が重複してしまう可能性が高いです。

《全ての年齢に共通する注意点》

冬場に、発熱してから24時間以内に急激に体温が上昇する場合、インフルエンザの可能性があります。解熱剤の服用は避け、すぐに病院へ行きましょう。

“親の言葉も「薬」となる!?”

子供に薬を飲ませる時、みなさんはどの様にして与えていますか?

ただ、「薬を飲みなさい」と言って与えてはいませんか?

ここでオススメする方法は、「声をかける・説明する」方法です。

「これを飲むと鼻水が出なくなるよ」「これを飲むとぐっすり眠れるよ」
などと、簡単に薬の効果を説明してから飲ませると、より効果的です。

一種の暗示の様なものですが、「病は気から」という言葉もある様に、気持ちのあり方はとても重要です。

加えて、子供にとって「親の言葉」は絶大な影響力を持ちます。

なので、親が口に出して説明して上げることによって、「ママが(パパが)こう言ってるから治るんだ!大丈夫なんだ!」と思えるのです。

3 ここまでのまとめ

ではここで一旦、1〜2章をまとめて、みなさんに覚えておいてもらいたい「重要な点」だけをまとめていきます。

免疫力を信じよう

では、薬を飲まずにどうすれば良いのでしょうか。

結論から言うと「素直に休息をとる」ことが一番です。

倦怠感を出したり、発熱させたりと、体があの手この手で不調を訴えている時は、その信号を無視せず、自分の免疫力を信じて、しっかりと休息をとることが、回復への近道です。

より早く回復したいと言う場合は、次からご説明する方法で、免疫力をサポートしましょう。

もちろん、高熱が出たり、インフルエンザの可能性があるといった場合は、速やかに病院へ行き、処方された薬の服用をオススメします。

重要ポイント

ここまでが、風邪のだるさとの上手な付き合い方についてです。

倦怠感は薬などで、強制的に抑え込むと、存分にウイルスと戦えず長引いたり悪化してしまいます。

みなさんこの状態、何かと似ていると思いませんか?

そうです、まるで子供の反抗期の様です。

無理矢理いうことを聞かせようとすると、かえって反発される…

なので子供を信じるのと同じように、自分自身の免疫細胞を信じて、自然療法をうまく使いながら、そっとサポートし見守る程度に留めておくことが良いでしょう。

つまり、思春期の子供に対する距離感が、悪化させることも長引かせることも避けられる方法です。

とは言っても、子供が行き過ぎた行動をしたら、しっかりと叱って上げることも教育です。

同じように風邪も、上記で説明した様な症状の場合は、薬を飲むことも必要です。

重要なのは、しっかりと自分自身の体調、子供の体調を見て、冷静に判断することではないでしょうか。

4 免疫力を信じてサポートする方法!

免疫力をサポートすると言っても、一体どのような方法でサポートすれば良いのでしょう。

ここでは、免疫力のサポートにおすすめな方法を、ご紹介します。

免疫力をサポートする3つの方法!

ではここからは、免疫力の上手なサポート方法についてです。

ポイントは大きく分けて3つあります。

「食事・体温・休息」についてそれぞれ詳しくご説明します。

その1 食事

食事について気をつけるべきポイントは「腸内細菌を増やすこと」です。

腸内には、体全体の約60〜70%の免疫細胞が存在しており、それらを活性化させるためには、腸内細菌を増やす必要があります。

特に腸内細菌の中の「善玉菌」を増やすことに努めましょう。

具体的には、善玉菌の餌となる「食物繊維」と「発酵食品」を積極的に摂る様にしましょう。

食物繊維には2種類(と不溶性)あり、どちらも重要な栄養素です。

海藻果物には「水溶性食物繊維」、野菜・きのこには「不溶性食物繊維」は豊富です。

発酵食品は、ヨーグルトチーズ味噌などがオススメです。

その2 体温を上げる

免疫力は体温が、1℃下がると30%低下し、1℃上がると5倍上がると言われています。

ダイレクトに免疫力へ影響するのが体温なので、確実にサポートしたい点です。

では具体的にどの様な方法で、体温を上げると良いのかご説明します。

  1. 体温を上げる効果があるものを食べる
  2. 白湯を飲む
  3. 入浴か足湯をする

以上の3つが、手軽に体温を上げることができる方法です。

それぞれについてご説明します。

体温を上げる効果があるものを食べる

具体的にオススメな食材は、生姜にんにく玉ねぎ人参などがオススメです。

上記の食事についての章でご紹介した食材と合わせて、味噌汁などにして摂取すると簡単で効率的に栄養素を摂ることができます。

白湯を飲む

白湯は、体を冷やすことなく水分を補給できます。

50〜60℃ほどがオススメです。

入浴

40℃前後のぬるめな湯船に、5分程度浸かる方法がオススメです。

あまり高温だったり長風呂をするのは、湯冷めなどの原因となるので避けた方が良さそうです。

しかし以下の症状がある方は、入浴自体を避けましょう。

  • 38℃以上の熱
  • 吐き気や下痢
  • 頭痛

その3 休息をとる

最後に、最も重要な「休息について」ご説明します。

食事や体温調節に気を使っておいても、肝心の睡眠時間が確保できず寝不足が続く様では、回復にはどんどん時間がかかってしまいます。

よりしっかりと体を休ませるために効果的なポイントは、以下の3つです。

  1. 十分な睡眠時間を確保する
  2. 漢方などを飲む
  3. 水分補給をしっかりする

夜は、できるだけ22時頃には寝るようにするとなお良いでしょう。

5 日中のだるさに強い味方

とはいっても、日中に体がだるくなると、だるいと言うだけでは早退できなかったりと、休みたくても休めない状況はよくありますよね。

ここでは、無理に症状を抑え込むことなく、改善を望むことができるおすすめな方法をご紹介します。

葛根湯(カッコントウ)

薬避けつつも、免疫力を高めることができるものの代表として挙げられるのが「漢方薬」です。

中でも「葛根湯」は、「漢方のかぜ薬」とも言われているほど、風邪に対する効果に定評があります。

引き始めの1〜2日に飲むと、より効果的です。

又、風邪の症状以外にも、頭痛をはじめとする急性の症状にも効果があり、風邪の時以外にも覚えておいて損はないでしょう。

栄養ドリンク

次におすすめするのが「栄養ドリンク」です。

コンビニなどで手軽に購入できるため、日中でもすぐに買いに行くことができます。

種類が豊富なことも、嬉しいポイントですね。

栄養ドリンクは、様々な栄養を一度に摂取できるといメリットを始め、風邪に有効な多くの成分を服ンアでいます。

中でも主成分である、「タウリン」と「ビタミンB」には、疲労回復の効果があります。そして「タウリン」には他にも、栄養をエネルギーに変換したり、老廃物や毒素を排出する機能である肝臓」の働きをサポートします。

栄養ドリンクを選ぶ際は、コンビニであれば「医薬部外品」、薬局であれば「医薬品」と書かれたものを買うことをオススメします。

その他に「清涼飲料水」と言う表記のものもありますが、これは他の飲み物(お茶や炭酸飲料、ポカリスウェットなど)と同じカテゴリーです。

「風邪を治したい」「倦怠感を取りたい」などはっきりとした目的がある場合は、「医薬部外品」か「医薬品」が良いです。

6 だるさから考えられる他の病気

ここまでは、風邪が原因であることが前提で、対処方法をご説明してきました。

この章では、風邪以外に考えられる原因について、お話しします。

アレルギー性の倦怠感

最も多いのが「アレルギー性鼻炎」による倦怠感を、風邪と勘違いすることです。

アレルギーの原因としては、花粉ハウスダストが多いです。

倦怠感以外の症状(鼻水、頭痛、くしゃみなど)も風邪と似ているため、もともとアレルギー体質である自覚がある人以外には、判断が難しいです。

だるさが一週間以上続く場合、耳鼻咽喉科の受診をオススメします。

その他の原因

その他にも倦怠感のでる病気は数多く考えられます。

急性肝炎

酷い倦怠感が突然始まり、続いて頭痛や発熱、腹痛や吐き気など風邪とよく似た症状が現れます。

もしかして?と思った方は、消化器内科の受診をおすすめします。

慢性疲労症候群

日常生活に師匠が出るほどの、重い倦怠感が半年以上続きます。

いくら休息をとっても、なかなか改善できなことが特徴です。

倦怠感が、1ヶ月以上続く場合は内科の受診をおすすめします。

貧血

貧血は特に女性に多く、中でも「鉄欠乏症貧血」が大多数を占めます。

風邪らしい症状はないけれど、だるさはずっと続いていると言う人は、婦人科消化器科の受診をオススメします。

心の病気

内臓の以上は見られないのに、倦怠感がずっと続いていると言う人は可能性があります。

倦怠感以外に、夜眠れないなどの症状がある方は精神科の受診をオススメします。

こんな倦怠感に要注意

とは言っても、倦怠感が出てすぐに色々な病院を回る人は、あまりいませんよね。

なので、風邪以外が原因の可能性か高いと思われる条件をまとめました。

以下の項目に当てはまる人は、早めに病院へ行くことをオススメします。

  • 1ヶ月以上症状が続く
  • ゆっくり寝ても改善されない
  • 生活に支障をきたすほど症状が重い

7 最後に

いかかでしょうか?

風邪によるだるさは、本当に厄介なものです。

早く解放されたい気持ちはわかりますが、場合によっては、かえって長引かせてしまう事になるので間違った方法で無理に治そうとせずに、ある程度は体に任せておきましょう。

どうしても辛い時には、本記事でご紹介した方法・飲み物なども用いて、免疫力のサポートに努めましょう。

 

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