ネット社会を生きる私たち現代人にとって、日々のオフィスワークのせいか、今やむくみは非常に馴染み深いものとなっています。
「朝は顔がむくんじゃって…」「夕方は足がむくんじゃって…」そんな声は、もはや「おはよう」「こんばんは」の次に良く耳にするのでは?と思ってしまうほどです。
しかし、むくみがどんな状態を指すのか、正しく知っている人は少ないのではないでしょうか?
何でもかんでも「むくみ」の一言で片付けてしまってはいないですか?
本記事では、むくみの状態を詳しく説明していくことに加え、
よく間違え易い肥満や張りとはどう違うのか
「温活」とは何なのか、どうして改善が期待できるのか
順を追って説明していきます。
また、温活の必要性やポイントはもちろんのこと、防ぐことができる病気なども同時にご紹介します。
本記事を読んで「手軽に、健康を保つ近道」を進みましょう。
目次
1 どんな状態が「むくみ」なの?
はじめに、
むくみと肥満はどう違うのか、
張りとはどう違うのか、
この二つの点についてご説明していきます。
むくみと肥満の違いとは?
まず前提として、むくみと「肥満」は全くの別物です。
むくみは水分や老廃物が、皮膚の下に溜まってしまっている状態であり、
肥満は体脂肪が溜まっている状態を指します。
次に、原因の違いです。
むくみの原因は①塩分の摂りすぎ②アルコールの摂りすぎ③血行不良④筋力の低下などです。
対して肥満の原因は①脂質、糖質の摂りすぎ②代謝の低下③運動不足などです。
どちらも似ていることがわかります。
実際、血行不良から代謝が落ちたり、運動不足から筋肉が低下するなど繋がっている部分は多々あります。
ではこの二つを、どう見極めるのでしょう。大きく分けて以下の二つの点で判断することができます。
①時間による変化
時間による変化とは一体なんでしょう。
一言でいうと「むくみは時間に比例して悪化する」ということです。
むくみとは、本来であれば心臓に戻り浄化されなくてはならない、水分や老廃物が一箇所に溜まってしまうことです。
溜まってしまう直接の原因は、重力にあります。
つまり血液は下に流れるので、顔のむくみであれば、起きて時間が経つに連れ治っていきます。逆に足のむくみは、悪化していきます。
肥満であれば、血液循環によって左右されることがないので、1日のうちに改善したり、悪化したりといった変化はありません。
触って確かめる
1日を通して見比べなくても、10秒ほどで判断する方法もあります。
むくみか肥満か迷っている箇所を、指で10秒間押してみましょう。
むくみであれば、指の跡が残り、なかなか元に戻りません。
しかし肥満であれば、跡は付かず、すぐに元に戻ります。
この方法は、むくみが発生しているであろう夕方にやるとわかりやすいです。(足で判断したい場合)
「むくみ」と「張り」の違いとは?
次にむくみと「張り」を比較していきます。
「え?むくんでいるから、張っているように感じるんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
張りとは何なのでしょう。むくみとはどう違いのでしょうか?
「張り」とは
まず張りについてのご説明からします。張りとは簡単にいうと「筋肉の緊張」です。つまり、症状が出ている箇所は筋肉というわけです。
原因もむくみとは異なります。張りは、体の凝りからきています。
同じ体勢や動きを続けることで、特定の部分にだけ負荷がかかってしまいます。それが凝りへと繋がります。
凝りが生じると、筋肉繊維は本来の長さを保つことができなくなり、不自然に引っ張られます。この引っ張りこそが「張り」の正体です。
むくみとの違い
むくみの正体は、先ほどご説明した通り水分や老廃物であり、それが流れる、リンパ管や静脈で起こっています。
張りとは、原因や生じる箇所に違いがあるのです。
しかし、むくみを防ぐために重要な役割を担っている、足のポンプ機能とは、筋肉に起因します。
なので、むくみと張りが全くの無関係というわけではありません。
“ポンプ機能ってなぁに?”
人間の血液は、心臓から【動脈】を通って全身に栄養を届け、【静脈】で老廃物などを回収し、再び心臓へ戻ります。
しかし、足の静脈は重力に逆らって、心臓へ戻らなければなりません。そこで重要なのが「筋肉」です。
筋肉が収縮することで、血液を上へ押し上げ、心臓へ血液が帰還するのを助けています。これを「ポンプ機能」と呼びます。
2 むくみは温めて撃退!
ここまでで、むくみ・肥満・張りそれぞれの違いがわかっていただけたでしょう。では、肥満でも張りでもなく、むくみだった場合、どうすれば改善することができるのでしょう。
答えは「温活」です。
温活とは、日頃から体を温めるよう意識的に活動することです。
ではなぜ温活が、むくみを改善するのでしょう。むくみが起きる際のポイントから順にご説明します。
ポイントはリンパ管
むくみがなぜ起きてしまうのか、むくみの正体とは何であるのかという点については、ここまででご説明した通りです。
そこでポイントとなるのが「リンパ管」です。
体の隅々まで張り巡らされた管のことで、その中をリンパ液が流れています。
そしてリンパ液とは、栄養素を血液から受け取り、すべての細胞へ供給する役割を担っています。
いわば、血管と細胞を繋ぐ「仲介業者」です。
この仲介業者が滞ってしまうことで、むくみが発生します。
リンパを流すには
では、実際どのようにしてリンパを流せば良いのでしょう。
ここで登場するのが先ほどの「温活」です。
体を温めることで、まず血流が改善されます。
血管とリンパ管は繋がっているわけですから、血流を改善することは、すなわちリンパ管の流れを改善することにも繋がります。
実は年中むくみやすい!
「でも温めるのが効果的なら、体が冷える冬だけ温活すればいいんじゃない?」という疑問が生まれるでしょう。
本当に冬だけのケアで良いでしょうか?
決してそんなことはありません。実は暑い夏でも体はむくんでいるのです。その理由について、ご説明します。
夏にむくむわけ
気温が高く、汗もかく夏…一見、体も温まっていて、冷えとも無縁そうに感じますよね。しかし油断大敵です。
体の中は、夏でも私たちが思っている以上に冷えています。
よく思い出してください。
夏はどこへ行っても室内は冷房が効いています。さらに外では汗をかくので、水分補給のために冷たいものばかり飲みがちです。
そうなると、体は外側からも内側からも冷えてしまい、体温は冬の時期より低くなることもあります。
結果、筋肉は固まり、血流は悪くなります。
温活が全てを解決!
温活には、血流やリンパの流れをよくする効果があり、さらにその必要性は、寒い冬に限ったことではないとわかっていただけましたね。
ですが、むくみには他にも様々なことが関係しています。
筋肉や代謝などもその一つです。
「そんなに色々と同時に改善はできない!」
という声が聞こえてくるようです。
実はこの点にこそ、私が温活をおすすめする理由があります。
温活で体を温めることは、
それら全てに共通する改善方法なのです。
温めることで人の体は、筋肉が弛緩し、代謝は上がります。これほどまで多方面に同時に有効な方法は実は少ないのです。つまり最も、むくみ改善の効果が期待できるのです。
他にもメリットがたくさん
温活で改善・予防できるのは、むくみだけではありません。
実に数多くの病気を予防します。
皆さんは「万病一元論」というものをご存知ですか?
医学の祖であるヒポクラテスが生み出した理論で、「全ての病気の根幹は一つである」という意味です。
そしてヒポクラテス曰く、その一つとは血液だそう。
血液自体という人も、血流だという人もいますが、どちらを改善するにも効果的なのが「温活」です。
血管を広げて血流を改善し、
老廃物の排出を促進して血液をサラサラにします。
また、血流の改善は免疫力を上げることにも繋がります。
これらの効果は、実に多くの病気の予防になります。
身近な病気としては、慢性的な頭痛、風邪、全身の凝り、冷え性、アレルギー症状などです。
重篤なものでは、脳梗塞、糖尿病、アルツハイマー、血栓症、動脈硬化、うつ病などを防ぎます。
さらに老化促進、シミ、シワ、肌荒れ、肥満など、女性にとって嬉しい効果もあります。
詳しい温活方法や、オススメのグッズなどはこちらの記事へ。↓
3 栄養素も大切
温活と同様に大切なことがもう一つあります。それは食生活。
いくら温活をしているからと言って、暴飲暴食や塩分を多く摂っていたら、むくみも病気も予防することはできません。
必要な栄養素5つ!
漠然と食生活を改善すると言っても、何をどう改善すれば良いのかわかりませんよね。
なので、積極的に撮り入れるべき栄養素を紹介します。
《カリウム》
カリウムはむくみ解消にとって、最も効果的な栄養分と言われています。
細胞の浸透圧を一定に保ち、体内の水分量を調節する働きがあります。
カリウムを多く含んだ食品は、
海藻類、生野菜、果物(特にバナナ)などがあります。
《サポニン》
サポニンには利尿作用があり、増えすぎた水分を体外へ排出します。
サポニンを多く含んだ食材には、
スイカ、キュウリ、唐辛子などがあります。
《ポリフェノール》
ポリフェノールには抗酸化作用があり、体内の有害な物質を無害にする働きがあります。
ポリフェノールが多く含まれる食材には、
赤ワイン、ブルーベリー、大豆、コーヒーなどがあります。
ポリフェノールは短時間で作用するが、効果が持続しないことも特徴なので、毎日こまめな摂取が大切です。
《ビタミンB6》
代謝を行う時に必要となる栄養素が、ビタミンB6です。
ホルモンバランスを整える働きもあり、女性には特にオススメしたい栄養素です。
ビタミンB6を多く含んだ食材に、
魚類(特にカツオ、マグロ)、レバーなどがあります。
《ビタミンE》
ビタミンEには、ポリフェノールと同じように抗酸化作用が含まれています。また、様々な臓器の活動をサポートする働きもあります。
ビタミンEを多く含んでいる食材に、
魚卵(いくら、たらこ)、卵、海藻類、大豆などが挙げられます。
4 他にも注意したいこと色々
そのほかにも、私たちがむくみを防ぐことに始まり、健康を保つためには様々なことに注意が必要です。
体とは、全てのパーツ(臓器、血液、骨など)が互いに作用しあって動いています。一部の支障は、体全体へと影響します。
なので、何か一つだけを頑張れば絶対に健康でいられるというわけではありません。具体的に気をつけたい事柄をご説明します。
- 季節に関係なく水分はこまめに摂る
- 適度な運動をする
- 十分な睡眠時間を確保する
以上のことに注意して、むくみと無縁な生活にしましょう。
5 さいごに
いかがでしょうか?特別な方法でもなく、
一見するとあまり身体的な影響がなさそうな「体を温める」という行為。しかしその実、むくみを始めとする、あらゆる病気を予防できるのです。
体を健康に保つ上では、日々の努力が何よりも大切です。
1日だけ体をポカポカにした、では不十分です。大げさなことはしなくても、毎日地道に改善を目指していきましょう。
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