がんほっとけん

2020.10.19

本について聞いてみよう がんの本はどうやって選べばいいの?【教えて!がんサポートDr.】

曽我ゆり・・・ナビゲーター(以下曽我)

中村健二・・・医学博士、がんサポートDr.代表(以下中村)

 

本選びの総論

曽我 こんにちは

中村 こんにちは

 

曽我 

このコーナーでは先生に書籍、本について色々伺っていきたいと思います。

本屋さんには様々な病気やがんの本がありますが、そもそもどんな本を選べばいいのか?というとこですね。

めちゃくちゃ本屋さんにたくさんありますよね。

治療法からご飯、食事法、、、。

何をどういう風に選べばいいんですかね?

 

中村 

何を知りたいか、で選ぶ本を決めればいいと思います。

「何を知りたいか」を整理するためにこのマズローの五段階を利用します。

1 生存・・・治療

2 安全

3 帰属・・・生活

4 承認

5 自己実現・・・哲学

 

これに沿って著者は本を書いているようです。

 

曽我

なるほど、書く側がこれに沿っていると。

 

中村

そう、この中のどこに向けて書こうかというのはあります。

「生存」は、まさしく治療なんです。

こうしたら助かる、生きるためにはこれをしたほうがいい。

こういう治療法がある、という医学的なものを中心に書いたもの。

 

「自己実現」もはっきりしてる。

例えば「がん哲学概念」という本もあります。

哲学って何かというと、普段考えたことがないことを考えましょう、ということです。

古代ソクラテスとかそういう考えをがんに引用してみようというのが、がんの哲学です。

 

患者さんは「生存」と「哲学」が関心ある人が多いと思います。

 

曽我

あーー、そうですね。

 

中村

がんになって、人生を見つめなおしたり、自分の人生を意味あるものにしたい、という人は哲学にいきます。

治療を受けたほうがいいのか、どんな治療があるのか、という人は生存のエリアです。

 

じゃあ「安全」「帰属」「承認」はなんなのか、というと「闘病記」ですね。

 

曽我

なるほど、闘病記ありますね。

 

中村

自分や家族ががんになった、トラブルがあった、こういう風に解決した、こういう絆ができた、など

そういったものが闘病記には書いてあります。

本屋さんに行って、自分が何を知りたいのか?知ることが大事。

 

治療法が知りたいのか。

治療は先生にまかせてる、生き死にについて考えたいのか。

家族とギクシャクしてるから他の人の例が知りたい、とか。

 

曽我

なるほど、自分が何を知りたいのか把握しておくことが大事ですね。

 

中村

そう、まあこれが選ぶということの総論ですね。

 

目についた本 タイトルに惹かれた本

曽我

実は、これ私が本屋で目について買ったんですけど。

近藤誠先生の「がん放置療法のすすめ 患者150人の証言」

有名な先生ですよね。

ちなみにがんは放置して大丈夫なんですか?

 

中村

まず近藤誠先生は、書籍やメディアと、実際の診療や相談で、見せ方を変えてると、個人的には思います。

近藤先生は私の大学の先輩なんですよ。

 

曽我

あ、そうなんですね!

 

中村

個人的に知ってます。

こういう本に出てくる近藤先生は、普段言えないことなんかをあえて極端に、挑発的に言ってるところがあると思います。

で、質問のがんは放置していいのかってことなんですけど、近藤先生は放置していいと言ってます。

その症例を150人集めてます。色々本に具体的に書いてあります。

読めば、放置していいんだと思います。

これはマズローの生存欲求のところですね。

 

読んで「放置していいんですねー」と思いますよね。

で、気をつけなきゃいけないのは、本は極端なこと言ってますから。

極端なこと言うと、極端な反論が出てきますからね。

こういう本もあります。

「大場 大 がんとの賢い闘い方 近藤誠理論徹底批判」

 

曽我

近藤誠先生の考えを徹底批判しているということですね。色々あるんですね。

 

中村

色々あります。基本的にお医者さんはどの患者さんも救いたいと思ってる。

自分の技術で救いたい、正しい、と思ってますからね。

近藤先生も大場先生も大学病院の先生です。

大学病院も先生方は保険診療の中でお給料をもらってます。

頑張ればお給料が上がるとか特別なことをやれば報酬が上がるとかないんです。

自由診療のクリニックではないので儲けようと思ってやってるわけではない。

サラリーマンとしてやってます。

治療に専念してる立場なんですね。

自分の治療を極めたいとか、こういう結果が出たよと、正義感に燃えてるんです。

 

曽我

それぞれの先生がプライドを持ってやってらっしゃると思うし、

患者さんとしてもそういう先生にかかりたいと思いますけどね。

 

中村

こういう本を読むときは、「それぞれの先生のプライドを読んでるんだ」と思ってほしいですね。

 

曽我

なるほど!

 

中村

それでひとまず情報として取ってもらう、という読み方がいいと思います。

鵜呑みにしないことです。

やっぱり自分がどうしたいのかというのが大事です。

こういう本を読んで整理しておくことですね。

考える材料になりますから。

いきなり考えろと言われてもわかりませんよね。

まず知識が必要です。

 

曽我

本当にそうですね。いきなり考えろと言われてもわかりませんから。

 

中村

そう、そのそれぞれ色んなピースを取っていけばいいですね。

 

曽我

それぞれの本は嘘を書いてあるわけじゃないでしょうけど、プライドを読むっていうのは「なるほど」と思いました。

ひとつの主張にのめりこむんじゃなくて、「そうか」というスタンスで、また自分で考えるってことですね。

 

中村

そうです。

特に「生存」に関して、がんに対しては正解があるようでない、です。

正解というのは、乗り越えてなるべく寿命を全うすることですが、、。

みんな絶体絶命だって思ってるのに乗り越えちゃう人もいるし、

早期発見で90%大丈夫だと言われていたのに、10%のほうにいっちゃう人もいる。

本当に個人個人で違ってきますので、情報はたくさんとって、消化して、

じゃあ自分の場合はどうするかと。

 

特に「生存(治療法)」のところでは読んだら決め打ちっていうのはやめたほうがいいです。

読んだら一回考えたほうがいいと思います。

 

曽我

確かにそうですね。わかってるんですけど、何かにすがりたくなっちゃうんですよね、、。

でもちゃんと情報をとって落とし込むというところが大事だなと思いました。

ありがとうございました。

 

中村

ありがとうございます。

 

 

 

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