がん

2020.11.27

がん治療において、日本とアメリカの医療の違いはあるのか?

日本ではがんが死因の1位ですが、アメリカは心疾患が1位でがんは2位です。

アメリカでは1991年をピークに、がんの死亡者は減少し続けています。

どちらが良い悪いではありませんが、何かアメリカから学べることはないのでしょうか?

日本とアメリカとどのような医療の違いがあるでしょうか?

 この記事では日本とアメリカの医療の違いをお話していきます。

医療保険制度

まずは医療保険制度についてですが、

日本の特徴は

医療保険制度はいわゆる国民全員が保険に加入する国民皆保険です。

医療費の負担割合は2-3割で、どの病院でも診療、治療が受けられます。

アメリカの特徴は

日本のような国民保険制度はありません。公的医療制度が存在するものの、対象となるのは高齢者や低所得者だけになります。

国民全員が加入する国民皆保険制度がないということは民間の保険に加入する必要があるのですが、任意のため、医療保険に加入していない人もたくさんいます。

 

というのが日本とアメリカの医療保険制度についての違いです。

 

治療方法

では次に治療方法についての違いをお話しします。

 

日本は平等

日本は国民皆保険です。

保険制度が充実しているので、土地に関係なく、平等に同じ治療を受けることができます。

また、医療費も2-3割の負担で済むので治療が受けやすいです。

しかし、しっかりとしたガイドラインを作って、規格に則ったものでないと保険からお金が出ないので治療方法としては柔軟に対応ができません。

 

アメリカは柔軟

一方アメリカは国民皆保険ではありません。

医療保険への加入が任意なので、加入していない人は医療費の負担が大きくなります。

しかし、日本とは異なり規格に則っていない治療法に対しても柔軟な対応をしてくれます。

 

医療費の負担が少なくて平等に治療を受けれる日本。

医療費の負担は多いが柔軟な治療を行えるアメリカ。

 

と、このような違いがあります。

 

 がん治療におけるスタンスの違い

がん治療に関しては日本とアメリカでの違いはあるのでしょうか?

 

ひとつキノコを例に出します。

キノコから作られている薬があったことをご存じでしょうか?

日本では、消化器がんや肺がん、乳がんなどの治療を行うための薬として使われていましたが、今では製造もなくなり使われることがなくなってしまいました。

もしもがん治療に使用したいとなると保険診療では使用できません。

 

アメリカでは、2008年アメリカ臨床腫瘍学会の人が30人の乳がんの患者さんにマイタケを使用した、

という報告がされ、スローン・ケタリング記念がんセンターという世界に冠たるがんセンターで検証されました。

また、MDアンダーソンがんセンターでも、進行性のがんにマイタケを使用したという事例もあります。

 

では、日本のがんセンターではどうなのかというと、個人的に研究をしている人はいるかもしれませんが病院が代表して臨床研究をしたという報告は聞きません。

日本では体細胞突然変異説が主流

全米を代表する病院が臨床試験を行っているのに日本はなぜ臨床試験を行わないのでしょうか。

それは日本の保険医療機関の治療戦略の柱が体細胞突然変異説だからなのです。

体細胞当然変異説とは遺伝子のコピーミスが原因で後戻りができないという考え。

小さいがん細胞が見つかりました。

これは遺伝子が突然変異したのです。

傷がついて活性酸素が原因です。

また、ストレス、たばこ、お酒、炎症、食品、放射線の被曝、運動、紫外線などの生活習慣病。

だからがんにならないように気を付けてください。

がんになってしまったら細胞が不良品として固まってしまうと後戻りできません。

不良品とならないように、生体防衛機能があり抗酸化酵素がDNAを修復したり自爆機能があったり免疫細胞がチェックをしているという風に日本の先生方は考えています。

 

体細胞突然変異説がなくなる日も?

ところが日本の保険医療機関が戦略の柱としている体細胞突然変異説が正解ではなくなってきました。

遺伝子の異常は環境を変えれば元に戻るという話が上がってきたからなのです。

 

2019年にノーベル賞を受賞した人達は、遺伝子の遺伝異常だけではがん細胞は説明できない、ということを証明したのです。

こうなってくるとがんに対する考え方や治療方法を考え直さないといけなくなってくるのですが、アメリカはこのような考え方について柔軟な対応を行うことができます。

日本はなかなか柔軟な対応を行うことができません。

それは先ほども説明した保健医療制度があるからなのです。

平等に同じ治療を受けられる。という仕組みを作ったために規格に則った治療でないといけません。

 

一概にどちらの国の医療が良いのかと言うことはできませんが、日本には日本の良さがあり、アメリカにはアメリカの良さがあります。

また、今回はお話しできませんでしたが国によって様々な医療の違いがありますので興味がある方は調べてみるのも面白いかと思います。

 

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