低温やけど

2018.10.26

低温やけどとは何か?|意外と重篤化する低温やけどは未然に防げ!

火傷をしていることに気が付かない…

このように聞いた時、皆さんはどう思いますか?

おそらく、火傷しているのに気づかないなんて、あるわけないと思ってしまうでしょう。

しかし、実はあるんです。
しかもかなり身近に、その危険は溢れています。

その正体は「低温やけど」です。

みなさんも一度は耳にしたことがあると思いますが、認識を誤っている人がとても多いように感じます。
低温やけど=火傷ほど重症ではない。軽い火傷。”
このように考えてはいませんか?

低温やけどは、実は軽いどころか通常の火傷以上に危険なものです。

では低温やけどとは、一体何なのでしょうか?

本記事では、意外と知られていないけど、実は怖い「低温やけど」について、解説していきます。
主な要点は以下の項目です。

  • 低温やけどの症状
  • 低温やけどの重篤度
  • 低温やけどが起こる原因
  • 予防、対処、治療方法
  • 安心の温熱機器
  • 低温やけどの発症温度、時間
  • 要注意な人

低温やけどは、通常のやけどより深刻化しやすい特徴があります。

冒頭でも述べたように、火傷をしてることに本人が気がついていないこともあるため、未然に予防しておくことが必要です。
そのためには、身近に潜んだ危険グッズを把握し、気をつけて使うことが近道です。

1 低温やけどとは何か?

低温やけどとは、通常であれば火傷しないような、低温熱源の長時間の直接接触によって発生する熱傷のことを言います。

本章では、そんな低温やけどの症状や種類(重症度)についてお話します。

皮膚が受けたダメージの程度に応じて
Ⅰ〜Ⅲ度に分けられます。
皮膚のダメージは、熱源の温度・接触時間・火傷の部位によって変わります。
(身体の部位によって、皮膚の厚さ等が違うため。)

また各重症度の症状は、通常の火傷とほぼ同じです。

Ⅰ度

【Ⅰ度】は、ヒリヒリした痛みや、薄く赤みが出る程度です。

すぐに冷やすなど、処置も簡単にできます。

しかし、低温やけどに限っては、このレベルで済むことは少ないでしょう。
先程述べたように、低温であるがため、本人でも気づくことが出来ないという特徴があります。
大抵の場合、長時間熱源に接触しているので、気づいたときには【Ⅱ度以上】になっていることがとても多いです。

Ⅱ度

【Ⅱ度】は、強い痛み水ぶくれになります。

低温やけどのなかで、最も多くの負傷者が出ているのは、この【Ⅱ度】です。

Ⅱ度の火傷は、更に2の段階に分かれています。
比較的浅いものが「浅達性Ⅱ度熱傷」、深いものが「深達性Ⅱ度熱傷」です。

ダメージが、どの程度まで達しているのかによって、完治にかかる時間も変わります。

Ⅲ度

【Ⅲ度】になると、皮膚細胞の壊死が始まります。
完治にも時間がかかり、傷の後が残るリスクも高まります。

また、かなり重篤な場合は、外科的処置が必要になることもあります。

また壊死が始まってるため、痛みをほとんど感じません。
これが、低温やけどは危険と言われる理由です。

2 なぜ、低温やけどになる?

では一体、どのような状況によって低温やけどは起きてしまうのでしょうか?

低温やけどの原因となるものは、意外と身近に溢れています。

この後のお話に登場するような、温熱機器を良く使うという方は、扱い方には特に注意しておくことをおすすめします。

低温やけどの原因は?

低温やけどの直接的な原因となりやすいアイテムは、上記のようなものです。

湯たんぽ、電気カーペット、使い捨てカイロ、石油ストーブ、ヒーター、電気毛布などが特に多く、他にもコタツ、スマートフォンなども原因となります。
(被害件数は「湯たんぽ」が最も多発)

さらに、低温やけどを引き起こす条件としては、以下のとおりです。

  • 圧迫されている(熱がこもりやすいため)
  • 肌を直接温めている
  • 寝てしまう(泥酔している場合が特に多い)

コタツに入ったまま眠ってしまう、電気カーペットの上で寝てしまう、湯たんぽを直接足に当てていた、等が低温やけどが起こりやすい状況と言えます。

また、最近では「スマートフォン」でも、低温やけどを引き起こすケースが確認されています。
スマートフォンを操作しながら眠ってしまい、長時間肌に触れることとなって低温やけどになるケースです。

通常の火傷との違い

では、通常の高温によるやけどと、低温のやけどの違いとは何でしょう?

それは、原因となる熱源の温度の違いです。

通常のやけどであれば、あまりの高温に、誰しも反射的に手を離すなど出来ますが、低温やけどは低温故に、それが難しいです。

また、通常のやけどでは、皮膚の表面に熱源が触れてて、「表面から」やけどをしてしまいます。
しかし、低温やけどの場合は、「内側から」じわじわとやけどをしていくため、重篤化しやすいのです。

“ドライアイスで低温やけど?”

低温やけどの原因として、混合して挙げれられるものに「ドライアイス」があります。

しかし、ドライアイスによる「やけど」は低温やけどによる「やけど」とは大きく異なります。

しかし症状や痛みの刺激が、熱が原因であるものと似ているため、混合されてしまいます。

ドライアイスの「やけど」とは、正しくは、「凍傷」です。

ドライアイスの表面温度は「−78.5℃」です。
それを素手で持ってしまったばかりに、手は急激に冷却され、血行不良となります。

もし、ドライアイスで凍傷になった場合は、洗面器などにぬるま湯に、患部を付け、ゆっくりと改善していきます。

3 低温やけどを予防し、対処し、治療する!

ここからは、低温やけどを予防する方法から、応急処置の注意点、病院での治療について、お話します。

とはいっても、特別なことはありません。

使用の際の注意はよく読んで、守ることが低温やけどにおいて、最も確実な予防方法です。

ルールを守って予防する!

では具体的に、どのような温熱機器に、どのようなルールがあるのでしょうか?

一つずつ見ていきましょう。

湯たんぽ(電気あんか)

  • 肌に直接触れない
  • 同じ箇所に長時間当てない
  • 就寝時には取り出す

つまり、起きているときに使う場合は、必ずタオルなどに巻いて使用し、寝るときには取り出すようにしましょう。

電気毛布

就寝前にスイッチを入れ、就寝時には切るようにしましょう。

使い捨てカイロ

  • (貼るタイプは)必ず衣服の上に貼る
  • 同じ場所に長時間当てない(貼らない)
  • 当てている部分にサポーター等を付けない(圧迫しない)

電気カーペット

  • 上で寝ない
  • 適度に体勢を変える
  • 肌に直接当たらないようにする(毛布を1枚引くなど)

ストーブ・ヒーター

  • 十分に離れる
  • 電源を付けたまま寝ない(火災の予防にもなります)

こたつ

コタツの中で寝ないようにしましょう。

スマートフォン

就寝時には、少し離れたところへ置きましょう。
(寝ている間に、顔の下敷き等になるのを防ぐため)

“注意事項のまとめ”

ではここで、一旦温熱機器の使用に関する注意事項をまとめます。
どんな器具を使用する際も、最低限以下のことは守って使いましょう。

  • 同じ部位を温め続けない
  • 直接肌に当てない
  • 温熱機器の使用中に寝ない
  • その他、注意事項を守った使用をする

もし低温やけどになったら?

ではもし、うっかりしていて低温やけどになってしまった場合は、どうすれば良いのでしょう?

低温やけどは、重症度の判断が素人には難しく、勝手に処置をして悪化させてしまいがちです。

やけどの大きさ等にかかわらず、速やかに病院(皮膚科・成形外科)への受診をおすすめします。

やってはいけない応急処置

では逆に、以下のような処置は自己判断でやらないようにしましょう。

  • 患部を冷やす(より血行が悪くなる)
  • 消毒する(刺激が強すぎる場合がある)
  • アロエ、ミソを塗る民間療法(雑菌が入る可能性がある)
  • 水ぶくれを潰す(細菌が入るおそれがある)

低温やけどの治療方法

次に、病院ではどのような治療を行っているのでしょうか?

  • (Ⅲ度の場合は、)壊死した部分を取り除く
  • 細菌をなくすため抗生剤を1〜2日服用する
  • 湿潤療法によって、自然に肉芽増生・上皮化することを目指す

これらの工程を経た結果、1〜数カ月で完治します。

4 どのくらいで低温やけどになるの?

では実際、低温やけどとはどのくらいの温度で、発症するのでしょうか?
これは当人の皮膚の状態、知覚神経等にも関係しているので、個人差が出てしまい、断定することは難しいです。

また、温度だけでなく、時間も深く関わっているため、ここでは、あくまでも平均的な温度、時間を提示していきます。

発症の温度・時間

  • 44℃で3〜4時間
  • 46℃で30分〜1時間
  • 50℃で2〜3分

あくまでも目安ですが、おおよそこのくらいの時間、同じ箇所を温め続けていると、低温やけどになることが多いようです。

では、それぞれの温熱機器は何度くらいなのでしょう?
代表的な物の温度を挙げていきます。

  • 55〜70℃の湯を入れた湯たんぽの表面→45℃以上
  • 使い捨てカイロ→50〜60℃
  • ストーブの熱源から15㎝離れた場所→57℃
  • ストーブの熱源から20㎝離れた場所→45.5℃
  • こたつの熱源直下→61℃

いかがでしょう?

上記の時間と比較していくと、低温やけどというものが、特別な状況下によるものではないと分かるでしょう。

5 こんな人は要注意!

先程、温度や時間には個人差があると申しました。
では低温やけどになりやすい人とは、どんな人なのでしょうか?

以下の項目に当てはまる本人・その周囲の人は、温熱機器の利用には、特に注意が必要です。

  • 高齢者(皮膚は薄く、温度の感覚が鈍っている)
  • 乳児(自分で動けない、寝返りが打てない)
  • 知覚・運動機能が麻痺している人
  • 糖尿病の患者(手足の循環が悪い、末梢の神経が鈍っている)
  • 泥酔している人

6 安心して使える温熱機器は?

使用上の注意を守ることは、重要なことです。

しかし、「ぶっちゃけ、めんどくさい…」というのが本音ですよね。

何も気にせず使えるなら、それが一番良いですよね。

そこで、「遠赤王グッズ」の登場です。
これは熱ではなく、「遠赤外線」という光で身体を温めてくれるため、これまでに登場した温熱機器に比べて遥かに、低温やけどになりにくいです。

とは言っても、肌に直接つけることはおすすめできませんが、時間などを細かく気にしながらの使用は、避けられるでしょう。

詳しくはこちら↓をご覧ください。

https://danran-family.com/far-infrared-therapy-equipment-3420

7 最後に

以上、ここまで低温やけどについて、お話してきました。

これまでの内容をおさらいすると、以下のようになります。

  • 低温やけどは、低温でも長時間温め続けると発症するやけど
  • 重症度は3段階に分かれる
  • 原因は、温熱機器の使い方
  • 低温やけどになったら自己判断せずに、病院へ行くべき
  • 温度・時間の目安
  • 低温やけどになりやすい人の特徴
  • 比較的、低温やけどになりにくい温熱機器もある

低温やけどは、軽度のやけどなどではありません。
むしろ通常のやけど以上に、気をつけるべきものでしょう。

みなさんも、温熱機器を使用する際は、使い方に十分気をつけましょう。

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