突然ですが、自分の平熱はご存知ですか?36.5度以上の方はひとまず安心です。
ですが、それ以下の方・・・とりわけ36.0度以下の状態が続くようであれば「低体温」の状態かもしれません。
現在の日本人の平均体温は36.2度。これは60年前の統計と比べて一度近く下がっています。
それだけ現代は低体温の方が増えているということです。
一般的に体温が一度下がると免疫力は30%下がるといわれており、身体に様々な不調が出てきます。
この記事では低体温によって引き起こされる症状と低体温の改善方法をまとめました。
ぜひ日々の生活の参考になさってください。
目次
1 こんな症状ありませんか?低体温によって発生する症状
1-1 生理痛
ひどい生理痛に悩まされている女性は少なくありません。女性の身体の中でも子宮は特に冷えやすい部位なので、
低体温状態の方は子宮も慢性的に冷えているということです。
生理痛が酷いという自覚がある方、昔より生理痛が酷くなってきたというかたは冷えを疑ってみてください。
1-2 慢性的な疲労感
低体温の状態は代謝が上手く行なえていない状態です。
そのため、休んでも疲労感が常につきまとっていたり、疲れやすい身体になっています。
睡眠環境を改善したり、温めることで代謝アップにつとめましょう。
2 低体温はこんなに怖い!放っておくと起こり得る病気
2-1 婦人科系の疾患
「女性は下半身を冷やしてはいけない」とはよく言われることですが、
これは女性特有の病気の原因が冷えと直結するためです。
個人差もありますが、冷えている人は生理痛が重い傾向にあります。
また、生理はいらなくなった血液を体外に排出する身体の機能ですが、低体温になるとこの排出機能が衰えます。
そのためうまく排出できなかった血液が溜まり、子宮内膜症や子宮筋腫の原因となる場合があります。
2-2 高血圧・脳梗塞・心筋梗塞
低体温になると血液の流れも滞りがちになります。
流れが滞りがちになると血管の内側に汚れがたまりやすくなり、さらに血液の流れが悪くなるという
悪循環になります。そうすると、心臓は今までよりさらに力を入れて血液を押し出さなければいけなくなります。
これが「高血圧」です。この状態になると心臓に負担がかかるので心筋梗塞にもなりやすくなり、
血流が悪くなることで血栓もできやすくなります。この血栓が脳内でできると脳梗塞になります。
2-3 ガン
ガン細胞は細胞のミスコピーがおこった状態。この状態は体温が35度台のときが最も活発になります。
低体温状態はガン細胞が活発に働いているガンになりやすい状態と言えます。
3 低体温を撃退!日常で実践できること
3-1 食べものを工夫する
低体温を克服する上でもっとも大事なのが食生活です。
口から入ったものは体内で消化吸収され、熱エネルギーへと変換され体を温めてくれます。
3-1-1 消化のよいものをよく噛んで食べる
一口20回以上、できれば30回ほど噛むことを心がけましょう。
消化がよくなるだけではなく、よく噛んで食べるという行為そのものが熱を生産して、
食事をした後の代謝量が増えます。また、肉の脂身や加工食品など消化に悪いものを食べると
胃腸に負担がかかり、なかなか身体が温まりません。
3-1-2 調理法を工夫する
できるだけ加熱調理した料理を中心に食べましょう。
野菜は生よりも火を通すほうが身体を温めます。作り立てをあたたかいうちに食べるのが理想です。
油を使う場合は火にかけても180℃くらいまでは酸化しないココナッツオイルがお勧めです。
3-1-3 たんぱく質は肉よりも魚や豆で
身体を作る重要な栄養素であるたんぱく質は体内で代謝される際に
もっとも効率的にエネルギーを生産するので身体が温まりやすいという特徴があります。
たんぱく質が不足すると熱エネルギーの生産が小さくなる上に
筋肉や臓器、ホルモンや酵素などを作ることができなくなります。毎日しっかり摂りましょう。
たんぱく質には動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の2種類があり、
動物性たんぱく質は魚や卵、肉で、植物性たんぱく質は豆類、ナッツ類、小麦や米です。
ただし、牛や豚、鶏など食用の動物は平熱が38℃以上あり、
人間より平熱が高いので、それらの肉の脂肪分は人間の体内で溶けずに固まってしまい、
消化吸収に大きな負担となります。なるべく植物性たんぱく質を多めに摂るようにしましょう。
3-2 簡単な運動をする
人間の体温のうちおよそ4割は筋肉が生み出す熱によるものです。
生きていくうえで必用な基礎代謝の半分以上が筋肉で行なわれるので、
筋肉量が増えれば代謝も上がり、体内で熱が生み出されます。
3-2-1 まずは「立つ・歩く」からはじめる
運動をするというと何か特別なことを考えがちですが、
日常生活に以下の動作をプラスすることを意識してみてください。
・いつもより少しだけ大きく手を振って、速いスピードで歩いてみる。
・電車の中では座らず、なるべく立ってすごす。
・あえて坂道のあるルートを選んで歩いてみる。
・買い物に行くときは電車やバスを使わず徒歩で行く。
・拭き掃除や庭仕事など、家事を積極的に行なう。
日々の生活にこれらの行動を意識してプラスするだけでも立派な筋力アップになります。
3-2-2 呼吸エクササイズを行なう
息を吸うことには交感神経が、吐くことには副交感神経が作用しています。
普段は無意識にしている呼吸を深呼吸として意識的に繰り返すことで自律神経のバランスをとることができます。
そして、吐き出すほうに意識を向けることで副交感神経が優位になり、
リラックスすると同時に自然と身体が温まってきます。
3-2-3 背伸びエクササイズ
体内に新鮮な酸素をたっぷり取り込むと同時に太ももの筋肉や背筋を伸ばして
血流をよくして体温をアップさせます。(画像あり)
- 靴を脱いで、両足を肩幅に開き、足の先を少し外側に向けてまっすぐたつ。
- ゆっくりとつま先立ちをして太ももの筋肉を伸ばす
- そのままの状態で両手をゆっくり上げて限界までピンと伸ばす。
- 鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり息を吐く。
3-3 睡眠環境に気をつける
睡眠は眠っているときにのみ生成される成長ホルモンが分泌され、代謝をよくしたり、
体温の恒常性を保ったりと身体のメンテナンスを行なうための大切な時間でもあります。
できるだけ快適な環境で眠りにつくようにしましょう。
3-3-1 寝る直前の1時間はパソコンやスマホを見ない
寝る直前まで明るい照明をつけていたり、パソコンやスマホの画面を見ていると
目と脳が刺激されて寝つきの悪さの原因になります。
寝る直前は照明を落として眠る環境を整えましょう。
3-3-2 夕方以降はカフェインを摂らない
カフェインが入ったコーヒーや紅茶、緑茶などを摂取すると交換神経が優位になって興奮作用をおこし、
夜に眠れなくなるのでできるだけ夕方以降は摂取を控えましょう。
3-3-3 朝日をあびる
朝起きたら、カーテンをあけて太陽の光を浴びましょう。
朝日を浴びると、およそ14~15時間後に脳の松果体という部分でメラトニンというホルモンが分泌されます。
メラトニンは睡眠と覚醒のリズムを調整して自然な眠りをさそう作用があり、
生体リズムを形成するのに欠かせないホルモンです。遮光カーテンなどで朝日を遮っていませんか?
朝起きたらカーテンを全開にして朝日を部屋いっぱいに取り込み、空気を入れ替えてください。
そうすることで身体だけではなく、気持ちのリセットにも効果的です。
まとめ
いかがでしたか。日常生活でちょっと意識すればできることをまとめてみました。
「低体温状態」は東洋医学で言うところの「未病」の状態です。
今は大丈夫でも、あらゆる病気にや不調になりやすい状態になっているといえます。
ぜひ、「冷えとり」「温活」をして、平熱が36・5以上の健康な身体を目指しましょう!
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