~がん治療設計ノートから学ぶ~
がんを克服していくには、
・お医者さんの技術を利用する
・食事の選択
・治療法の選択
・お金の管理
等のことが必要となってきます。
「がん治療設計ノート」はそれらの情報をどの様に整理すればいいのかをまとめていくノートです。
※がん治療設計ノートをお持ちでない方も理解できる内容となっております。
例えば、あなたががんと診断された場合、
先生はがんという事をしっかり納得して頂くための説明をしてくださいますが
「がんと言われた」
という事で頭が真っ白になってしまい全く記憶に残らないまま
時間だけが過ぎてしまい、全く情報として持ち帰ることができません。
がんに対する情報が記憶に残っていませんので
ご家族やがんに詳しい方に相談しようとしても、質問に答えることができなくなってしまいます。
そこで、この「がん治療設計ノート」では
がんと診断された際に押さえておきたい情報を記入できるようになっています。
押さえておきたい情報は
- ・病名
- ・原発巣(部位)
- ・転移(部位)
- ・再発(部位)
- ・細胞診・生検
- ・病理検査
- ・ステージ
- ・悪性度
- ・異形度
- ・画像診断
- ・腫瘍マーカー値
となっていますので順に説明していきます。
- 病名
例えば、肺がんと言えば肺のことだとわかりますが、
肺の腺がんや扁平上皮癌など、先生がそこまで詳しく言ってくれるなら
それも記入しておきましょう。
記入しておくことで後の治療方法へのヒントにもなります。
- 原発巣(部位)
最初にがんが発生した病変部位のことです。
例えば、最初に胃がんができて、そのがん細胞が血液やリンパの流れに乗って「肺」に転移すると原発巣は胃がんです。
この場合、転移してきた部位にできたのは「肺がん」ではなく胃がんの細胞からできているため、胃がんの治療法を参考に治療します。
このように原発巣が何かを知ることは治療法を決める上で重要となります。
- 転移
がん細胞が最初に発生した場所(原発巣)から、血管やリンパ管に入り込み、
血液やリンパ液の流れに乗って別の器官に移動しそこで増えることを言います。
- 再発
初めてがんにかかったときは「初発」と言います。
治療がうまくいったように見えても、手術で取り切れていなかった目に見えない小さながん細胞が残っていて再び現れたり
薬物療法(抗がん剤治療)や放射線治療でいったん縮小したがんが再び大きくなったりすること。
別の場所で「転移」として見つかることも含みます。
- 細胞診・生検
顕微鏡で病変の細胞を詳しく調べる検査です。
がんであるかどうか、悪性度はどうかなど、病理医が詳しく調べ診断を行います。
診断の結果は高分化・中分化・低(未)分化という言葉を使います。
※分化:細胞分裂を繰り返すうちに様々な機能や形態を持つ細胞に変化すること。
分化の進み具合の低い(低分化・未分化)細胞は、活発に増殖する傾向があります。
文化の進み具合の高い(高分化)細胞は、徐々に増殖する傾向があるので戦略を考える時の参考になります。
- 病理検査
病変の一部(組織)を薄く切り出したり、体の一部分から採った細胞を顕微鏡で観察することにより
悪性腫瘍かどうか、異形度はどうかなど、組織や細胞の性質を詳しく調べる検査のことです。
分化度に合わせて特徴的なコメントがあれば記入しておくと良いでしょう。
- ステージ
病期分類ともいい、がんの大きさや他の臓器への広がり方でがんを分類し
がんの進行の程度を判定するための基準となります。
がんの治療法を選ぶために判定したり、5年生存率を算出するときの区分として用いたりします。
尚、ステージは0~4で分類され0や1は見つけたところにあるだけ。4だと他のところにも転移している状態となります。
治療法としては、ステージ0~3ぐらいまでは手術や放射線療法などが選択肢としてあるが
ステージ4になってくると、病巣のみを狙う治療法では対応できなくなってくるので
抗がん剤が最初に考える治療法となります。
- 悪性度
がんの増殖の速さのことを言います。
増殖が速いもの、すなわち進行が早いものほど悪性度が高いという評価となります。
- 異形度
細胞の形が正常な細胞とどのくらい異なっているかを示す度合いのこと。
正常であれば同じような形の細胞が整然と並んでいますが
がん細胞やその前の段階の細胞は形が歪んでいたり、細胞内の核が大きくなっていたりします。
異形度は1~5で分類されて、5に近付くにつれて正常な細胞と比べ形が異なっているという事です。
また、数字が小さければ時間的な余裕があるので手術の範囲などの治療方法について考えることができるという事です。
- 画像診断
画像診断を行う機械はレントゲン、CT、MRI、PET、超音波(エコー)と色々な機械が
あるので先生がどの機械を使ってここに病巣があると診断してくれたのかをチェックしておく。
何か足りなければその時に追加の検査を考え、
より精密な画像診断を撮っておきたいという事が出る場合もあります。
- 腫瘍マーカー値
がん(腫瘍)がつくり出す特殊な物質のうち、体液中(主に血液中)で測定できる。
がんだと疑われるときには必ず血液検査をして、がんだと疑われる臓器に特有の狙いを定めた検査をしてもらいましょう
先生によっては行っていないこともあるので、検査をおこなって頂くようお願いし、数値などの確認をする。
腫瘍マーカー値によってがん治療がうまくいっているのか、うまくいっていないのか。
がんが大きくなっているのか、いないのか。そのスピードはどうなのか。等を判断する一つの指標となります。
放射線治療や、手術を行うと画像診断上では追うことができなくなってしまいます。
しかし、腫瘍マーカー値で定期検査を行うことで数値が上がらなければ落ち着いているということがわかりますし
数値が徐々に上がればどこかにがんがあるのではないか、
というヒントになりますので、腫瘍マーカー値は聞き逃さないようにしてください。
先生からの説明で早口で聞き取れない、聞き慣れないカタカナやローマ字で何を言っているかわからない時も
耳に残った言葉をメモしておきましょう。
もしくは録音させてもらうのもおすすめです。
メモ、録音をしておくことで、その時は理解できなかった言葉が他の言葉と繋がり
想像することができるようになります。
それと先ほど説明した腫瘍マーカー値は検査日によって変化していくので、
その日の数値を縦の欄に記入しておきましょう。
ご自身のがんの治療がうまくいっているのか、
ちょっと注意しないといけないのか、という事がわかります。
がんと診断された時に以上のことを押さえておけば、がん治療について色々な戦略を考えたりすることができるようになりますので
しっかり記入し、頑張っていきましょう。
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