がん

2020.4.21

がんの局所療法【手術・放射線】の基礎知識

日本でがんと診断されたら、基本的には

 

・手術

・放射線

・抗がん剤

 

の3つのどれかで治療をしていくことになります。

この3つが保険の効く標準治療ですね。

 

この記事では手術と放射線についての基本的な知識をお伝えしたいと思います。

(抗がん剤については別記事で解説しています)

抗がん剤はがんを殺すのか? 抗がん剤4つの種類

 

 

まずは手術から見ていきましょう。

 

術式(手術)

 

まずは手術(術式)についてご紹介します。

初めに、「術式」と書きましたが、術式とは手術治療の方法と内容を示すものです。

術式の名前を聞けばどのような手術方法でどの部位の病変を切除するかなどが

概ねわかるようになっています。

 

 どこまで切るか、切らないのか

手術をするというと当然がんを取り除くわけですが、がんは画像診断上ここにある、

というのはわかりますが詳しい範囲は肉眼で見ないとわかりません。

そのがんをどこまで切り取るのか、際どいところがあった場合はどこまで切り取って良いのか、切り取れないのか、

という判断は外科の先生にとっては一番悩ましいところになります。

 

例えば、子宮がん・卵巣がんと診断された時に、

生殖活動は諦めて、できるだけ長く残りの人生を頑張ったほうが良いと判断し全部切り取る、という先生もいますし、

生殖活動ができるのであれば温存的に、手術も最小限にしたほうが良いという判断する先生もいます。

切り取る範囲に差が出れば当然術式としても差が出てきます。

 

このように、先生の方から色々なことを提案されるので、

どの様な手術を行うのか、手術の範囲はどうなのか、その後の機能の温存、無くなる機能はこれくらい

など聞いたことはメモか録音をしておきましょう。

 

わからない、納得いかないならセカンドオピニオンを

先生からの提案を受けて、理解し、納得の上で手術に臨めれば問題ありませんが

先生の提案の中で

 

・わからないことがある。

・そこまで切るの?

・リスクが高いと言われたが、他にリスクの低い治療法はないか

・無くなると言われた機能を残してくれるのではないか

 

など疑問に思った場合は、『セカンドオピニオン』を活用しましょう。

 

その時に、今の先生がこう提案してくれている、という情報があれば

セカンドオピニオンで相談した先生は比較しながら丁寧に説明してくれます。

 

しかし、手術をすると決めて入院してから、セカンドオピニオンを活用したいと思っても

先生との信用問題などもあるのでなかなか難しいです。

なので、まだ病院を選べる間に手術の内容を詳しく聞き、その情報をノートに書いておく事で

納得して治療を受けることができます。

 

 

もちろん手術が全てではない

がん治療とは組み合わせです。

最初にまず手術をしてがんを切り取った後、放射線や抗がん剤で残りを抑えていく戦略もあれば、

抗がん剤治療をしてがんの勢いを収めておき、

がんの病巣が小さくなってから手術を行うことで身体への負担を少なくする、

また放射線を最初にあてて全体の経過を診ながら必要であれば手術を行う、

など病院によってどのような順番で治療を行おうとしているのかは異なりますので

そう言った情報も事前に聞いておくといいでしょう。

 

リンパ節郭清(手術)

 

転移・再発を防ぐためのリンパ節郭清

続いてリンパ節郭清(かくせい)とは、手術の際にがんを取り除くだけでなく、

がんの周辺にあるリンパ節を切除することです。

がん細胞はリンパ節を通って全身に広がっていく性質(リンパ行性転移)があるため

がんが転移している可能性がある部分を取り除いて、再発を防ぐために行います。

但し、リンパ節を切除すると、体内をめぐるリンパの流れが滞ることにより、

手や腕、足などがむくむことがあります。(リンパ浮腫)

 

 

がんを画像診断や組織診断で確認すると、かたまりとしてまとまっているがんもあれば

いろんな所に散らばっているがんもあります。

散らばってしまったがんも含めて取りきるという事が外科手術的には安全で

その後の再発を防ぐことができますが、それでもさらに散らばっているかもしれません。

 

 

その時目印になるのが臓器に一番近いリンパ節です。

がんはリンパ節を通って全身に広がっていくので、

臓器に一番近いリンパ節にがんがいないことを確認できれば転移はしていません。

しかしそのリンパ節にがん細胞が診受けられた場合、そのリンパ節も取ります。

そのリンパ節にがん細胞があるということは、

次のリンパ節にもいるかもしれないので診受けられたら切り取っていきます。

切り取ったリンパ節は病理の先生が診断を行い

がんがいないことを確認できれば取り切れた、ということになります。

 

 

ですが、がんが広がりすぎて取り切れないこともあります。

そこで出てくるのが放射線治療や抗がん剤治療です。

これらの治療法は目に見えないがんも治療することができるので

手術と組み合わせて行われることもあります。

 

放射線

 

まず放射線治療とは、

病変(がん)に治療用の放射線を当てて、がん細胞を死滅させる治療です。

放射線は、がん細胞だけでなく正常細胞にも同様に作用しますが、

一般的に正常細胞のほうががん細胞よりも障害の程度が軽く

放射線照射前の状態に回復しやすいとされています。

 

短期的な副作用としては、全身倦怠感、食欲低下、嘔気、嘔吐、皮膚の変化等があげられます。

長期的には照射された臓器の機能低下等があげられます。

 

放射線治療ですが

 

・外部照射

・内部照射

・全身照射

 

と分かれていますのでそれぞれ説明していきます。

 

外部照射

最初に外部照射とは、身体の外側から放射線を発生する機械を使って、

ピンポイントでがん細胞に放射線をあてて、体内に活性酸素を出させます。

がん細胞にとって活性酸素は毒になるので、じわじわとがん細胞を無くしていきます。

 

内部照射

次に内部照射とは放射線を出す粒をカプセルの中に入れ、

そのカプセルを針でがん細胞の中に埋め込みます。

そこから放射線を出してがん細胞に浴びせてがん細胞を無くしていきます。

 

ただし、がん細胞が無くなった後も埋め込んだカプセルは身体の中に残ったままになります。

組織が崩れた時に一緒に排泄されて体内から出ていくこともありますが

一生体内に残っているということもあります。

しかし体内に残っているということでがんの増殖を抑えてくれるという利点もあります。

 

全身照射

最後に全身照射とは骨に転移したときに考えられる放射線治療です。

全身照射は治療目的で病巣に当てるという照射の方法とは違い

痛みの緩和や病巣の転移・増殖を抑えることが目的となります。

  

放射線治療は手術と違い臓器を切る取ることはないので

臓器の形を残したいという際に考えられる治療法となります。

肝臓のように一部を切り取っても大きくなってくれる組織なら別ですが

基本的には切ったら切りっぱなしになってしまうので

切らないで済むのなら放射線や内科の先生に治療法について詳しく聞いておくと良いでしょう。

 

 

放射線治療は数回に分けて行われます。

例えば、60グレイ(放射線が「もの」に当たった時に

どのくらいのエネルギーを与えたのかを表す単位)をがんにあてると決めたとき、

60グレイを15回に分けてあてるのか、20回に分けてあてるのか、5回に分けてあてるのか、

など部位や先生方の今までの経験で変わってくることありますので

放射線治療を行う際は先生の考える治療計画についても聞いておくとよいでしょう。

 

さいごに

手術・放射線ともにがん治療におけるメインの治療法です。

基本的に手術・放射線・化学療法(抗がん剤など)の組み合わせで治療が進んでいきます。

どんな治療を選択するにしろ、よく主治医やセカンドオピニオンから情報をもらい、納得した上で治療に臨みたいものです。

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