風邪の原因は、実はたった一つしかありません。
というと誰でも、「人によって、時によって、原因は異なるんじゃ、、?」と思うことでしょう。
しかし皆さんが思っている、「体を冷やした」「睡眠不足だった」「不規則な生活だった」などは、間接的な原因でしかありません。
空気中には、常に何かしらのウイルスが飛んでおり、ウイルスを一切体内に入れないということは不可能です。
風邪の本当の原因は、入ってしまったウイルスを撃退できないことにあります。
体内に侵入してきたウイルスを退治する機能、つまり「免疫力」が低下しているから風邪を引くのです。
本記事では、風邪の症状を引き起こすウイルスや、季節ごとの風邪についてなどをはじめ、全ての風邪に共通の原因である「免疫力の低下」についてお話ししていきます。
免疫力を、上げる習慣・下げる習慣や、食事の面から風邪に立ち向かう方法、薬についてなど風邪を引いてしまった人はもちろん、今現在は元気な人にも読んでもらいたい内容となっています。
目次
1 風邪の原因って何だろう?
早速、風邪とは何なのかという疑問を解決していきます。
皆さんは、普段から鼻水が出たり、くしゃみが出たりしたら、真っ先に「風邪」を疑うでしょう。しかし、その風邪について、どこまで詳しく知っていますか?
「風邪の正式な病名」を知っていますか?
「どんなウイルス」が風邪を引き起こすのか知っていますか?
まずはその辺りから、ご説明します。
風邪ってどんな病気?
風邪の正式名称は「かぜ症候群」です。
普通感冒、インフルエンザ感冒、咽頭炎、気管支炎など、主に上気道の急性炎症のことを総称して「かぜ」と呼んでいます。
放置していても、一週間ほどで治りますが、中には重篤化することもあります。
また上気道の症状も、日常生活を送る上では非常に厄介です。
比較的短期間で治るとは言ってもやはり、できる限りの予防はしておくべきでしょう。
風邪を運んでくるウイルス
では上記のような症状は、一体どんなウイルスが引き起こしているのでしょうか?
空気中には、季節ごとに様々なウイルスが蔓延しています。
以下の表は、その季節に多いウイルスや、症状の特徴などをわかりやすく、まとめたものです。
(※)けんしょうえん
季節によって流行する風邪ウイルスは、全く異なることがわかります。
個人差はありますが、春・秋には鼻風邪を中心とした風邪が流行し、夏の風邪は気管から胃腸など幅広く発症、冬の風邪は鼻や喉など気管が中心の症状となります。
また冬には、みなさんもよくご存知の「インフルエンザ」があります。
インフルエンザについて、詳しい内容は以下から読むことができます。
http://danran-family.com/six-differences-…fluenza-and-cold-4877
もちろん、上記のウイルスだけでなく、風邪の症状を引き起こすウイルスは200種類以上あると言われています。そのため、風邪を引いてしまってもウイルスを特定することは困難です。
夏風邪の原因も免疫にあった!
同じ風邪でも、「春(秋)風邪」や「冬風邪」とは言わないのに、夏だけは「夏風邪」と言います。
では、夏風邪は他の風邪と、どんな点が違うのでしょうか?
夏風邪の最も特徴的な点は、その「ウイルスの特性」にあります。
他の季節に蔓延するウイルスと違って、夏風邪のウイルスは「高温多湿」を好みます。
具体的には、湿度が50%以上になると活発化します。
また、夏は冷房によって、外と室内の気温差が激しく、自律神経が乱れやすくなります。
自律神経が乱れると免疫力も下がっていき、尚且つウイルスが活発になっているため、風邪を引きやすく、治りにくくなります。
全ての風邪は免疫力の低下から!
「200種類もウイルスがあるのに、どうやって予防すればいいの?」と思うでしょう。
既に述べたように、ウイルスを吸い込まないことは不可能です。
ですが吸い込んでしまっても退治さえすれば、症状が出ることはありません。
つまり、風邪を引く原因は「侵入してきたウイルスを退治できない事」にあるのです。
ウイルスを退治するには、免疫力がしっかりと活躍してくれることが何よりも重要です。
風邪を引いた時に「ゆっくり寝なさい」「休みなさい」と言われるのは、睡眠をとることで免疫力を高めるためです。
しっかり栄養をとることや、体を温めることも、免疫力のためです。
つまり、全ての風邪の予防・早期改善は「免疫力次第」ということです。
2 免疫力こそが最大の鍵!
では免疫力をあげるためには、何をすれば良いのでしょう?
そこで大切なことは、「特別なことをその日だけする」のではなく、「日常生活の一部」として対策をすることです。
普通のことを、普通に、しっかりすることが大切です。
免疫力をあげる4つの習慣
ではここから、実際にどんなことをすると、免疫力が上がるのかご説明します。
腸内環境を良好に
人の腸(大腸)には、100種類以上・約100兆個の腸内細菌が存在しています。
そして、体の免疫機能の約60%は腸にあります。
町内の最近のバランスが良いほど、免疫力は発達、向上します。
腸内環境を改善するには「食物繊維」を積極的に摂ることをオススメします。
水溶性食物繊維(こんにゃく、海藻等)・不溶性食物繊維(きのこ、ごぼう等)のどちらも摂取することが大切です。
食物繊維の他には「乳酸菌」も非常に有効です。
乳酸菌には、動物性乳酸菌(ヨーグルト、チーズ)と植物性乳酸菌(味噌、漬物、キムチ)とがありますが、どちらもバランスよく摂るようにしましょう。
筋肉量を上げる
筋肉量を上げると基礎代謝が上がり、同時に基礎体温も上がります。
人の体は体温が1℃上昇すると、免疫力は5〜6倍になります。
つまり、基礎体温を上げることは、免疫力を上げる近道となります。
オススメする筋肉量の増やし方は「有酸素運動」です。
具体的には、軽いランニング(またはジョギング)やスクワットです。
ここでのポイントは、以下の通りです。
- ゆっくりとしたペースで20分以上
- 会話ができる程度の余裕をもつ
ゆったりとした運動を心がけましょう。
体温を維持する
先ほど、体温が1℃上がると免疫力は5〜6倍になると述べましたが、逆に1℃下がると免疫力は全体の30%ほど低下します。
では、体温を下げないために何をしたら良いのでしょうか?
主なポイントは以下の通りです。
- 季節に関係なく入浴する
- 冷たい飲み物は避ける
- 室内は26〜28℃の適温に保つ
他にも、生姜・ねぎ・味噌など体を温める効果のある食品は積極的に取り入れていきましょう。
睡眠はしっかりとる
睡眠不足は自律神経を乱し、免疫力を低下させます。
また、より効率的に睡眠を摂ることも重要です。
寝入りの90分がゴールデンタイムと言われており、眠りの深さが重要となります。
では深い眠りとは、どうすることで得られるのでしょう。
まず、人の体は「深部体温」と「皮膚体温」の差が小さくなると、眠気が強まり、スムーズに入眠することができます。
そして、この仕組みを効果的に生かすためには、就寝90分前に入浴するのがベストです。
免疫力を下げるアレコレ
では、逆に免疫力を下げてしまう原因は何でしょうか?
年齢
免疫力が最も活発なのは20代です。
そしてそこから下降していきます。
40代になる頃には、20代の時の半分ほどになり、70代になると30%程度になってしまいます。
歳を重ねると、病気になりやすいのは、これが原因なんですね。
加齢とともに免疫力が下がっていく理由は2つあります。
- 免疫細胞を作るリンパ管が萎縮する
- 免疫細胞の働きそのものが衰える
そもそも作られなくなっていくことに加えて、せっかく作っても十分に働いてくれないというわけです。
なので、30代の若いうちから、免疫力を維持するために努力することは、風邪の予防以外にも非常に重要なことと言えます。
生活習慣の乱れ
次に、生活習慣の乱れも免疫細胞には大きく影響します。
- 睡眠不足
- 喫煙
- 栄養不足
- 激しい運動
- 生活時間帯の乱れ
睡眠不足は上記でも説明した通りです。
また喫煙に関しても、喫煙が体に有害であることは周知の事実なので省略します。
栄養不足は、特に「野菜」と「タンパク質」の不足が続いていると、免疫細胞を生成できなくなってしまいます。
激しい運動とは、主にマラソンなどのスポーツです。
生活時間帯は、例えば夜勤のある仕事など活動時間が不規則な場合、自律神経が乱れやすくなり、体内のホルモンバランスも崩れがちになります。
ストレスや疲れ
ストレスや疲労の蓄積も、自律神経を乱す原因となります。
とは言っても、ストレスを感じることがなく生活することは非常に難しいでしょう。
なので自分にあった、リフレッシュ方法を見つけるなどして、ストレスを感じても上手に発散し、蓄積しないようにしましょう。
3 食事から風邪を撃退
ここからは、風邪をはじめとしたあらゆる病気を予防する基本、体を作る基本である「食事」に関してご説明します。
予防のための食事
風邪・病気を予防する食事として最も重要なことは何でしょう?
どんな栄養を、どんな食品から摂取するべきなのでしょうか?
バランスが重要
何よりも大切なことは「バランス」です。
何かだけを摂取するのではなく、色々な栄養素を摂取した上で、特に必要な栄養素を積極的に摂ることが望ましいです。
では風邪予防のために特に必要な栄養素とは何でしょうか?
《タンパク質》
タンパク質は、体を作る上で欠かせません。
タンパク質を効率的に摂取できる食品は以下の通りです。
- 鶏肉(ささみ)
- 大豆(納豆)
- 油揚げ
- 緑茶
《ビタミン》
ビタミンの中でも「ビタミンA」「ビタミンC」「ビタミンE」は特に重要です。
それぞれを豊富に含んでいる食品は以下の通りです。
- ビタミンA…レバー・ニンジン・かぼちゃ
- ビタミンC…果物・緑黄色野菜
- ビタミンE…かぼちゃ・アーモンド・鮭
夏風邪予防
次に、夏風邪の予防に有効な食品をご紹介します。
《キムチ》
キムチは「発酵食品の王様」と呼ばれており、ヨーグルトの何十倍も「乳酸菌」を含んでいます。
《レバー(豚・鶏)》
レバーにはビタミンAが非常に豊富です。
また他にも、B群・タンパク質・ミネラルなど、体に必要な栄養素を多く含んでいます。
風邪の予防だけでなく、風邪を引いてしまった後にもオススメの食品です。
《生姜》
生姜には殺菌作用が多く、胃腸の働きを活発にします。
他にも、疲労回復効果も期待できるので、日常的に摂り入れるべきでしょう。
風邪を引いた時の食事
では、予防していても風邪を引いてしまった時、どのような食事がオススメなのでしょうか?
積極的に必要な栄養素と、風邪を引いた時には避けるべき食品についてご説明します。
積極的に摂るべき栄養素
風邪の引き始めにオススメな栄養素は「ビタミンA」「ビタミンC」「亜鉛」です。
ビタミンAは、粘膜を丈夫にする働きがあり、喉などの炎症にも効果的です。
ビタミンCは、白血球の働きをし、体内に侵入してきた病原菌を攻撃します。
そして亜鉛は、細胞分裂・新陳代謝にを促すために必要な栄養素です。
避けるべき食品
では逆に、風邪の時は避けるべき食事とは何でしょう。
気をつけるべき食材は大きく分けて3つあります。
- 香辛料…唐辛子、わさび、マスタード
- 味の濃いもの…塩分力が多いもの全般
- 酸味の強いもの…柑橘類、酢
それぞれ消化に悪い、刺激が強いなどの理由から、風邪を引いてしまった時は、避けるべきでしょう。
4 風邪薬について
風邪を引いた、もしくは風邪気味だ…そんな時に悩むのが「薬の問題」ですよね。
軽度な場合は特に、薬を飲むべきかどうか考えてしまいます。
薬を飲むにしても、最近よく耳にする「風邪薬(特に市販薬)は飲まない方が良い」という話も気になりますよね。
本章では、風邪薬は飲むべきかどうか、また市販薬と病院で処方された薬ではどう違うのかについてご説明します。
風邪薬で風邪は治せない!
そもそも、「風邪を治す」という目的のために、風邪薬を飲むことは正しいのでしょうか?
結論から言えば答えは「ノー」です。
風邪薬には、そもそも風邪を治す成分は入っていません。
では風邪薬とは、何のために飲むものなのでしょうか?
風邪薬は対症療法
簡単にいうと、風邪薬とは「対症療法」です。
つまり元となるウイルスを倒すことはできないが、症状を軽減することはできるというわけです。
なので症状が重く、生活に支障が出るという場合には、風邪を飲むことは間違いではありません。
しかし、それで風邪が治るわけではないという点は、覚えておきましょう。
市販薬の落とし穴
市販されている風邪薬には、一般的な風邪の症状を軽減する成分が一通り含まれています。
ではここで、ご自分が風邪を引いた時のことを思い出してください。全ての症状が現れていることの方が少なくありませんか?
「鼻水は出るけれど、くしゃみはない」「咳とくしゃみはあるけど、鼻水はない」などと言うことはありませんか?
しかし、あまり気にせずに、とりあえず自分の症状が含まれていれば良いと、不要な成分も入っている風邪薬を買ってしまっていませんか?
それは、成分の過剰摂取へと繋がります。
さらに気軽に買うことのできる「風邪薬」も「薬」であることに変わりありません。
つまり、副作用が出る可能性もあるのです。
そのことをよく考えた上で、風邪薬を服用しましょう。
病院の薬の方が良い
そこで安全なのはやはり、しっかりと医師による診察を受け、出してもらう「処方薬」です。
病院では、不必要な成分が入らないよう、その人の症状にあった薬が出ます。
病院へ行くと、ただの風邪で何種類も薬が出たりしますよね。
それは症状ごとに細かく薬が違うので、仕方のないことなのです。
とは言っても、市販薬も処方薬も、風邪のウイルスを退治するわけではないので、軽度の症状であれば、できるだけ、睡眠をとるなどの生活の中での回復を目指しましょう。
5 最後に
いかかでしょうか?
繰り返しになりますが、免疫力を上げることは健康に関する、全てに共通する予防方法です。
年齢、生活環境、季節に健康を邪魔されることがないよう、免疫力アップを目指しましょう。
本記事でご紹介した内容を、みなさんが実践し、健康でいられることを願っています。
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