アレルギー

2018.6.1

アレルギーとはどんな症状?重篤化させないための5つのポイント

 あなたはアレルギー体質ですか?もしくは何かのアレルギーを持っていますか?昔アレルギーを持っていたけど、今は治っている、逆に大人になってからアレルギー体質になってしまったという方もいらっしゃるかもしれません。

一口に「アレルギー」と言っても、「そばアレルギー」「小麦アレルギー」「大豆アレルギー」など特定の食物のアレルギーやハウスダストが原因のアレルギーなどその原因は多岐にわたります。春に悩まされる人も多い「花粉症」もアレルギーの一種です。

 アレルギーは現代病とも言われていて、現代に生きる私たちは何かしらのアレルギーを持っている人も多いのではないでしょうか。この記事ではアレルギーの中でも特に「食物アレルギー」についてお話します。自分がアレルギーなのではないかと思っている人、身近な人がアレルギーを持っている人、ぜひこの記事を読んで、アレルギーについて知って、アレルギーと上手くつきあっていってください。

1・アレルギーは身体の過剰防衛症状!?

1-1アレルギーのメカニズム

私たちの体には、ウイルスや細菌などの異物が入ってきたときに体内に「抗体」がつくられ、これらの外的をやっつけようとする「免疫」というしくみがそなわっています。この仕組みのおかげで私たちは風邪をひかないとか、一度かかった病気にかかりにくくなるという「いい面」があるのですが、アレルギーはこの「免疫」が過剰に反応してしまった場合におこります。

アレルギーの原因(アレルゲン)には様々な物質がなり得るのですが、一般的なアレルゲンとしては花粉、食物、ハウスダスト、ダニ、薬物などがあります。

これらのものは本来身体を害するものではないですが、さきほどの「免疫機能」が過剰に反応して

「身体に有害な物質だ!!」

と認識してしまい、結果として自分の身体を傷つけてしまうのがアレルギーの症状です。

アレルギー症状が出てしまった子供↓

1-2・アレルギーの症状

 アレルギー症状には様々なものがあります。花粉症やアトピー性皮膚炎などもアレルギーの一種ですが、これらのアレルギーは長く表に出ていることが多いので、自分も周りの人も自覚していることが多いです。アレルギーの症状はアレルゲンを取り入れてしまったときにすぐに出てくる(即時型)症状というものもあり、この即時型の症状はひどい場合だと命に関わってきます。

 この章ではアレルゲンを取り入れてしまったときにすぐにでてくる症状にはどんなものがあるかをご説明します。

・皮膚に出る症状

かゆみ

じんましん

むくみ

湿疹

赤み

・粘膜に出る症状

目に出てくる症状

充血

かゆみ

まぶたの腫れ

鼻に出てくる症状

くしゃみ

鼻水

鼻づまり

口周辺に出てくる症状

喉のイガイガ感

違和感

・呼吸器に出る症状

のどが締め付けられる感じ

のどがむくむ感じ

ぜんそく

息苦しさ

・消化器に出る症状

腹痛

吐き気

嘔吐

下痢

血便

・全身に出る症状

アナフィラキシーショック(複数の症状が重なり、ぐったりして意識が朦朧としてしまう。血圧の低下も伴うと命の危険も)

2・命の危険をともなう「アナフィラキシーショック」とは

前の章で「アナフィラキシーショック」について述べましたが、これはアレルギー体質の人にとってはもっとも避けなくてはいけない状態です。

2-1・アナフィラキシーショック状態とは

 この状態は原因(アレルゲン)となるものを食べたり、吸い込んだり、触ったり、虫刺されなどで体内に入れたりすると、突然短時間のうちに全身に反応がおよんでしまう「アレルギーの暴走状態」といえます。その中でも血圧が下がってしまい命の危険を伴う状態が「アナフィラキシーショック状態」です。

2-2・アナフィラキシーショックの具体的な症状

アナフィラキシーとは

全身の臓器が浮腫を起こし、機能失調になった状態

です。その症状はいくつかありますが、それぞれの症状全部が同時に、または次々と起こって進行していきます。

多くは以下の順番で症状が進行していきます。

じんましん、顔面蒼白、全身が赤くなる

     ↓

全身のむくみ

     ↓

吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、血便

     ↓

咳、喘息、咽頭のむくみ、呼吸困難

     ↓

胸の痛み、動悸、不整脈

     ↓

めまい、頭痛、血圧低下

     ↓

意識喪失、意識混濁、けいれん

     ↓

死亡

2-3・アレルゲンはどんなものがあるの?

食べたり、触れたり、吸引したりしてアレルギー反応を引き起こす抗原物質を「アレルゲン」と言います。

食べ物でおこるアナフィラキシーの場合、最初の一回を防ぐのは困難です。ですが、アレルゲンを知っていれば気を付けることができます。また、普段はそこまでアレルギー症状が重くない人も体調が良くない時にアレルゲンを取り入れて症状が出てしまった例もありますので、どんなアレルゲンがあるかを知っておくのは予防のために有効です。

ここに挙げたものはあくまで一例ですし、自分のアレルギーに当てはまらないものもあると思いますが、免疫機能が下がっている時などはなるべく摂りいれないようにしましょう。

含まれる化学物質  食品
ヒスタミン ホウレンソウ、ナス、トマト、エノキ、牛肉、鶏肉、発酵食品(チーズ、赤ワイン、みそ、しょうゆ)、鮮度の悪い青魚(サバ、カツオ、マグロ)
アセチルコリン タケノコ、トマト、ナス、ピーナッツ、ソバ、ヤマイモ、サトイモ、マツタケ、クワイなど
セロトニン トマト、バナナ、キウイ、パイナップル、メロン、アボガド、プラム
チラミン チーズ、ワイン、チョコレート、アボガド、プラム、バナナ、ナス、トマト、鶏レバー、ニシン酢漬けなど
フェニルチラミン チーズ、赤ワイン、チョコレートなど
イノリン サンマ、タラ、サケ
トリメチールアミンオキサイド エビ、カニ、イカ、タコ、アサリ、ハマグリ、カレイ、タラ、スズキ

3・アレルギー症状が重篤になる5つの状況

アレルギーを完治させることはなかなか難しいですが、アレルギー症状が強く出てしまう状況というものがあります。どんな状況の時に強く出るのかを知っておけば予防ができるのでアレルギー症状が重篤になるのを防ぐことができます。

3-1・強いアレルギーをもたらす条件

 アレルゲンを体内に摂りいれてしまったときは強いアレルギー反応がでます。また、ダニや花粉の時期はさらに注意が必要です。

  • アレルギーの原因となるものを食べてしまったあと
  • 何種類かの食物アレルギーが重なってしまったとき
  • ダニアレルギーの季節(5~7月と9~11月)
  • 花粉アレルギーの季節(スギ2~4月、イネ科植物5~7月、9~10月、ヨモギ、ブタクサなど8月~11月)
  • ペットなどアレルギーのあるものと濃厚に接触してしまったあと

3-2・激しい運動・過労・寝不足・精神不安定・生活の乱れ

 特に学生時代の中学・高校の入学時、新社会人になって生活に大きな変化があった時などは注意が必要です。自分で生活のペースがつかめないうちに疲労が蓄積され重篤な症状が出てしまう場合があります。また、環境が大きく変わると気付かないうちに精神が疲れていたり、生活が乱れがちになったりしてアレルギー症状が強く出てしまう原因になります。

3-3・感染症に罹っているとき

溶連菌やカンジタなどのカビの感染、インフルエンザや百日咳、気管支炎肺炎などの感染症はアレルギーの発病を加速させます。粘膜が荒れ、アレルギーの原因物質を吸収しやすくさせます。さらに解熱鎮痛剤を使用するとそれに拍車がかかります。吐き気などで食物を食べることができていない時は特に注意しましょう。

3-4・空気や水、土、食べ物などの環境汚染があるとき

様々な化学物質による環境汚染もアレルギーの発病と深くかかわっています。

3-5・判断力の低下

様々な悪条件が重なった時、特にアレルギーの状態が悪いときは今まで気を付けていたアレルギーのある食べ物をなぜか食べたくなります。アレルギーの状態になった時は判断力や自制心が低下しているため抑えきれずに食べてしまう場合があります。具合が悪いときは自分がアレルギーを起こしている食べ物を食べたくなってしまうことがあることを覚えておきましょう。

まとめ

 私たちの生活様式は欧米化、近代化の中で急激に変わっています。かつては無かった症状や病気が見受けられるようになり、現代の生活に私たちの身体が適応できていないのです。

 アレルギーをお持ちのお子様がいらっしゃる方や、自分がアレルギー持ちになってしまった方はそれで悲観するのではなく、今の自分の生活を見直すチャンスと思ってみてください。現代を生きる私たちは昔の日本人の生活や食べ方の知恵を知りません。全部を変えることは難しいですが、取り入れられるところは取り入れてアレルギーとうまく付き合っていきましょう。

 

 

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