アレルギー

2018.6.30

アレルギーは遺伝が原因?発生のメカニズム

 自分の子供にアレルギーがあるだろうか?

 もしくはすでに何かのアレルギーを抱えているお子様をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

 今日本人の三分の一は何らかのアレルギーを持っているといわれています。

・アレルギーは遺伝するのか?

・アレルギーは治るのか?

という疑問を持っている方、アレルギーは遺伝する場合もあります。そして、アレルギーの種類によっては大人になるにつれて症状が良くなっていく方もいます。食物アレルギーやアトピー性皮膚炎は大人になるにつれて多くの方が改善されているようです。

でも、油断は禁物です。ひどいアレルギーは命にかかわることもありますのでアレルギーとどう付き合っていったらよいのかをこの記事でご説明します。

1 アレルギー症状は自己免疫の過剰反応

 私たちの体には、ウイルスや細菌などの異物が入ってきたときに体内に「抗体」がつくられ、これらの外的をやっつけようとする「免疫」というしくみがそなわっています。この仕組みのおかげで私たちは風邪をひかないとか、一度かかった病気にかかりにくくなるという「いい面」があるのですが、アレルギーはこの「免疫」が過剰に反応してしまった場合におこります。

1-1 アレルギー発生のメカニズム

アレルギーの原因(アレルゲン)には様々な物質があります。

花粉、金属、昆虫、ダニ、薬剤、カビ、食物・・・

これらのものは本来身体を害するものではないですが、これらの物質が体内に入ったときに身体の「免疫機能」が過剰に反応して

「身体に有害な物質だ!!」

と認識してしまい、結果として自分の身体を傷つけてしまうのがアレルギーの症状です。

言葉だけではわかりにくいと思うので、アレルギーが起きるメカニズムの絵を描いてみました。

 

  

①アレルゲンが体内に入る

②アレルギーを引き起こすIgE抗体が作られる

③マスト細胞の表面にアンテナのようにはりめぐらされアレルギー体質になる

④またアレルゲンが体内に入る

⑤アレルゲンがIgE抗体のアンテナにひっかかり結合

⑥アレルギー症状を引き起こす物質(ヒスタミンなど)を過剰に放出

これがアレルギーのメカニズムです。 

コラム:食物アレルギーはたんぱく質アレルギー

アレルゲンにはダニや花粉、ホコリ、動物の毛など様々なものがあります。そして、食物アレルギーの場合、アレルゲンになりやすい食品としては、卵、乳製品、小麦、甲殻類、果物類などが代表的なものです。

食物アレルギーの原因はアレルゲンのたんぱく質の構造です。卵アレルギーの人なら卵のたんぱく質に、乳製品アレルギーなら乳製品のたんぱく質にIgE抗体が反応してアレルギー反応が出てしまいます。キウイフルーツはたんぱく質の含有量が少ないのにアレルゲンになりやすいのはキウイフルーツのたんぱく質の構造がアレルギーを引き起こしやすいからだと考えられています。

 また、たんぱく質が多く含まれる代表的な食物としては肉類ですが、肉類のアレルギーの人が少ないのはたんぱく質の構造が人間の筋肉のたんぱく質の構造と似ているため免疫学的に異物として認識される可能性が低いのではないかと考えられています。

2 アレルギーと遺伝の関係

2-1 アレルギーは遺伝する?

アレルギー発生の仕組みは上でも書きましたが、アレルギー症状は免疫の誤作動が原因で発生します。

親子で容姿が似ているように体質も親子では似ることが多いので、「アレルギーは遺伝するか否か」という場合、「アレルギーは遺伝します」

という結論になります

親がアレルギーの場合の子供のアレルギーの発生確率
子供がなんらかのアレルギーを発症する確率は・・・・
両親ともにアレルギーがある場合が60%
片親にアレルギーがある場合は40%
どちらもアレルギーがない両親から生まれた場合20%
という調査結果もあります。
                           実践!こどものアレルギー対策研究室より

2-2 アレルギーは治る?

自分の子供のアレルギーは治るのかどうか?アレルギーのお子様を持つ親御さんなら誰しも考えることではないかと思います。

子供のころになった牛乳や卵などのアレルギーは大人になるにつれて多くは治っていきます。

 その理由は食べ物を消化する力が強くなることや、身体が食べ物を受け入れるように免疫力が発達するからです。それぞれの人が治る可能性やタイミングは原因となるアレルギーやその症状の重さによっても違うので、病院できちんと検査を受けて見通しをもらうことが大切です。

 ですが、食物アレルギーが無くなってもアレルギー体質がなくなるわけではありません。

 アレルギーの症状や発生原因は年齢、生活環境によっても変わります。

以下の表は年齢とともに変わっていくアレルギーの原因と症状の一例をまとめたものです。

年齢 症状 原因
乳児 湿疹・アトピー・吐きやすい・夜鳴き・咳・ゼーゼー・鼻づまり・便秘下痢・アナフィラキシー 食物
幼児 風邪をひきやすい・気管支喘息・扁桃腺肥大・扁桃腺炎を繰り返す・関節痛・自家中毒とよく言われる ダニ・動物の毛やフケ
小中学生・高校生

アレルギー性鼻炎・腹痛・下痢・吐き気・頭痛・嘔吐・腰痛・運動性誘発アナフィラキシー

カビ、花粉、そばがら、嗜好品
大人 薬物アレルギー、精神不安定、疲れやすい、怒りっぽい、イライラする、朝起きられない 薬品・金属・食品添加物・石油化学製品

 アレルギー体質なのは変わりませんが、食べ方や暮らしの仕方でアレルギー症状をずいぶん抑えることができます。大切なのは

アレルギーを起こしにくい生活の方法を実施し、病気をしないで暮らせるように食べ方と暮らし方をみにつけること

です。

3 アナフィラキシーショック

アレルギーを持つ人にとって一番避けなくてはいけないのはアナフィラキシーショック状態です。これはアレルギーの症状が重ねて起こる、アレルギーの暴走状態と言ってもよいでしょう。対処の一番の方法はアナフィラキシーの発病を予防することです。そして、もしアナフィラキシーが起きてしまったときは病院に搬入し、治療する時間を作るために症状の進行を遅らせることが大事です。

3-1アナフィラキシーとは

免疫機能が過剰に機能し、様々なアレルギー症状が起こった状態です。全身の臓器がむくみを起こして機能失調になってしまい、最悪の場合死に至ります。アナフィラキシーには

・アレルゲンを取り入れて30分から2時間ほどで始まり数時間で終息する即時型

・5~6時間以上経てから始まり数日続く遅延型

があります。重症な場合は即時型が短時間に急激に起こり病院到着の前に危機的状況になってしまうことがあります。

3-2 アナフィラキシーの前兆現象

じんましんはアナフィラキシーの始まりのことがあり、注意が必要です。以下のような場合はじんましんからアナフィラキシーに発展していくことがあり、早急に病院を受診する必要があります。

①息苦しく、呼吸困難が始まったとき(気管支喘息発作の合併)

②意識がだんだん遠くなっていき、気を失ってしまったとき

③血圧が下がり、脈をふれにくくなったとき、または脈が乱れてきたとき

④全身がむくみ、全身に赤みが出てきたとき

⑤吐き気や下痢がひどいとき

3-3 アナフィラキシーを起こしたときは

原因を取り除く

アナフィラキシーになったときはまず原因となるものを取り除くことが大切です。食べたものが原因と考えられる場合は食べたものを吐き出す、または吐き出させる。接触したもので起こったことが考えられる場合はその物質を即座にふき取るか洗い流さなければいけません。

人を呼び集める

何がおこるかわからないので周囲にいる人をできるだけ多く呼び集めます

寝かせて安静にさせる

原因を取り除いたら服をゆるめ仰向け、または横向きにして寝かせます

薬をのむ

薬が飲める状態なら本人が持っている準備している薬を飲ませましょう

病院への搬送

それでも症状が進行する場合は即病院に向かいます。急を要する場合は救急車を利用してください。自分たちで病院に向かう場合は二人以上同乗して、一人は運転、一人は介護を担当してください。運ぶ病院は救急病院へ運んでください。救急救命のための設備が整った病院できちんと対応することがアナフィラキシーの最良の治療になります。

4 アレルギーとの向き合い方

アレルギー治療の基本は生活環境中の原因と誘因を取り除くことです。そして、場合によっては適切に投薬することも必要です。

3-1 食事で気をつけること

・よく噛むこと、よく煮込むこと

・甘いものに注意して腸の状態を常に良い状態に保つこと

・パン食ではなく、米食を意識する

3-2 日常生活で気をつけること

・ほこりはアレルギーを誘発する可能性があるため、家の掃除、特に寝具には掃除機をしっかりかける

・人の身体から落ちたフケや皮膚のカスはカビの温床となるためしっかり掃除をする

・1週間に3回以上寝具に掃除機をかけるのが理想

・加湿器、除湿機を適切に利用する。室内の湿度は50%程度を保つのが快適とされている

3-3 薬と上手くつきあう

・自分のアレルゲンのことを知って適切に処方された薬を用いる

・花粉症などの季節ごとのアレルギーは症状が現れ始める前に病院に行って適切に薬を処方してもらう

まとめ

現在は昔よりアレルギーへの理解が進んできて「食べられないものがあるのは好き嫌いのせいだ」「食べていればアレルギーは治る」と言う人は少なくなってきました。それだけアレルギーに対する理解が浸透してきたということなのでしょう。食品のアレルゲン表示の意味やアナフィラキシーショックという単語も耳にすることが多くなってきました。アレルギーを持っているということをハンディキャップに感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、アレルギーを持っている方は言い換えれば「身体に悪いものに敏感な方」ということです。

 アレルギーを起こさないような環境づくりはアレルギーを持っている人にとっても、持っていない人にとってもいい環境です。家族にアレルギーの方が一人いたらその方にとっていい環境は家族全員にとっていい環境ということなので、家族全員がより健康になれるチャンスということです。アレルギーをハンデに思うのではなくそれをきっかけにより健康的な生活にシフトできたら素敵ですね。

 

 

 

 

 

 

 

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