「ミネラルファンデーション、ミネラル麦茶、ミネラルウォーターって、何にでもミネラルってついているけど、このミネラルって何だろ?」
そんな友人の一言から、私の「ミネラルを理解するための旅」は始まりました。
確かに近年、よく耳にする「ミネラル〇〇」ですが、皆さんは「ミネラル」って何のことなのか知っていますか?
その謎を解くべく、私はミネラルって何なのか、調べてみることにしました。
本記事は、その結果を皆さんにも分かりやすくお伝えするためにあります。
まずミネラルに関する基本的な事柄として、以下のものをご説明します。
- ミネラル不足による健康被害
- 女性にミネラルが大切な理由
- ミネラルが不足しがちな理由
- どんな栄養素が大切なのか
- それは何から補うべきか
他にも、飲み物からもミネラルを摂取する方法や効率的な摂取方法など、盛り沢山な内容です。
特に、最も意識して補ってほしいミネラルについては一つずつ個別にご紹介します。
皆さんがミネラルの重要性を認識し、効率的に摂取するためのお手伝いができればと思います。
そしてその結果、ミネラル不足から起こるであろう健康被害を事前に予防しましょう。
目次
1 ミネラルとは何だろう?
では早速、「ミネラルとは一体何だろう?」という疑問に答えていきます。
ここでは、ミネラルがどんな栄養素であるか、どんな役割をしているのか、不足してしまうとどのような悪影響が出るのか、女性はどうしてミネラルが必要なのかというお話をしていきます。
人体の構成は、酸素・炭素・水素・窒素から成っています。
それらが全体に95%で、5%がミネラル(無機質とも言われています)というわけです。
5%というと小さく感じられるかもしれませんが、この少量のミネラルが、人体の生命維持に重要な、なくてはならない役割を担っています。
ミネラルってどんな栄養素?
ではまず、ミネラルとはどんな栄養素なのかお紹介します。
五大栄養素の一つ
皆さんは「五大栄養素」というものをご存知ですか?
炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、それから「ミネラル」です。
これら、人の体に不可欠な栄養素5つのうちの1つが「ミネラル」というわけです。
(最近ではこの5つに「食物繊維」を加えて六大栄養素とも呼ばれています。)
重要な栄養素ではありますが、体内では合成されず、食品から取り込むことしかできません。
ミネラルの役割
ミネラルには「身体の臓器や組織を円滑にする」という大きな役割があります。
他にも、以下のような働きがあります。
- 骨や歯を形成
- 神経の伝達
- 「酵素」の働きをサポート
- 美容的効果
「酵素」は、代謝に関わる基本物質です。
そのサポート(「補酵素」と言います)をしているということは、体内循環の面でもミネラルは欠かせない栄養素と言えます。
ミネラルが不足すると?
ではこのミネラルが不足してしまうと、どんな障害が考えられるのでしょう。
また、女性は特にミネラルを多く摂取する必要があります。
その理由についてもこちらでご説明します。
様々な健康被害
ミネラルが不足すると起こる健康障害の範囲は、多岐に渡っています。
・骨粗鬆症のリスク
ミネラルは、骨や歯を形成する栄養素であるため、不足すれば当然骨は脆くなります。
骨が弱まった結果、骨粗鬆症になるリスクも上がります。
・精神状態への悪影響
ミネラルは、心理状態を左右する「セロトニン」や「ノルアドレナリン」などの、神経伝達物質の生成に関与しています。
そのため不足すると、情緒不安定となったり、些細なことでイライラしたり、ストレスが溜まりやすくなったりと、あらゆることに影響を来たします。
他にも、ミネラルが不足すると免疫力の低下、貧血やめまい、疲労が溜まりやすくなるなどの可能性もあります。
ミネラルは特に女性に必要
次に女性が、ミネラルを多く摂らなければいけない理由についてご説明します。
ミネラルの中の「亜鉛」「セレン」「銅」は、女性の生殖生理作用において重要な役割を担っています。
そのため、不足するとホルモンのバランスが乱れ、生理痛や生理不順へ繋がります。
他にも、以下のような症状を引き起こします。
- カリウムの不足→むくみ
- 鉄分不足→慢性疲労
- マグネシウム→便秘
その他、美容に関連するものとしては、肌のハリ・弾力の低下、紫外線によるダメージ、髪・爪の質の低下などが起こります。
しかし、ミネラルには不足以外にも注意すべきことがあります。
それは「摂りすぎること」です。
ミネラルの中には、過剰に摂取することで「過剰症」を引き起こすものもあります。
2 ミネラルは摂取しにくい
ミネラルが私たちの体に重要であることは、お分りいただけたでしょう。
しかしミネラルとは、とても不足しやすい栄養素なのです。
ではなぜ、ミネラルはすぐに不足してしまうのでしょう。
ミネラルが摂れない理由
ミネラルが不足しやすい理由として、最も大きな点は、体内で合成できない栄養素だということです。
つまり私たちの体は、体内でミネラルを作ることはできないのです。
なので、外から(食事など)摂取するしか方法がないのです。
「ならば、食事で摂れば良い。他の栄養素とあまり変わらないのでは?」と思われるかもしれません。
しかしここから説明する3つの理由から、食事での十分な摂取が困難になっています。
1つ目 食生活の変化
近年、外国の食文化が非常に身近になっています。
街を歩いていても、日本食の店よりも明らかに、洋食店の方が数多く軒を連ねています。
加えて、コンビニなどもいたる所にあり、お弁当など、栄養価は低いが安価で気軽に買うことができるため、栄養の偏った食生活を送っている人が多くいます。
日本は魚を食べる文化でしたが、今では肉の消費量が魚を上回っています。
魚をはじめとする魚介類には、ミネラルが豊富に含まれていますが、あまり食べられなくなっています。
また野菜にもミネラルが含まれていますが、魚と同様に、消費量は減少の一途を辿っています。
2つ目 種類が多い
またミネラルには種類が多く、全てをバランスよく摂取するのは非常に困難です。
全部で40種類ほどあるとされており、特に必要なミネラル(「必須ミネラル」という)だけでも、16種類に及びます。
少量ずつで良いとはいえ、それらを毎日摂取するのは、なかなか骨の折れることでしょう。
こういった点でも、バランスよくミネラルを摂取することが難しいといえます。
3つ目 野菜のミネラル含有量が低下
そして最後に、「そもそも食材のミネラルが減っている」という理由があります。
ここ数十年ほどで野菜の、ミネラルをはじめとする栄養価は半分以下にまで減少しました。
例えば、ミネラルが豊富と言われていた「ほうれん草」ですが、1950年には100gあたり13.0mgありましたが、2010年にはわずか2.0mgほどになっています。
考えられる原因は3つあります。
- 野菜が育つ土壌そのものが痩せた
- 何度も品質改良を重ねた
- 化学肥料
これらのことから、昔以上の量の野菜を食べる必要があります。
しかしながら、昔よりも野菜を食べなくなっているので、現代人がミネラル不足になるのは必然です。
3 重要なミネラル
「じゃあミネラル不足は、もうどうにもならないか」というと、そんなことはありません。
洋食が多かったり、16種類を毎日摂れなかったり、野菜のミネラルが減っていても、まだ方法はあります。
それは、特に重要なミネラルに絞って、それを最も多く含んだ食品を、積極的に食べるというやり方です。
なのでここでは16種類の中から、欠乏症が他と同じなもの(または無いもの)を除いた7つに絞って、ご紹介します。
最も必要な7つのミネラル
ではここから、種類ごとに以下の点をご説明していきます。
- 成分の機能(効果)
- 100gあたり最も多く含む食品
- 1回の食事での平均摂取量/1日の目標量
- 欠乏症/過剰症
カリウム(K)
カリウムはあらゆる細胞の活動をサポートし、ナトリウム(主に食塩に含まれる)と作用し、浸透圧を調節する。
また必要な水分を保持したり、血圧を下げたりする役割も担っています。
「刻み昆布」に最も多く、8200mg含まれています。
1回の食事では410mg(刻み昆布5g程度)ほど摂取します。
1日の目標量は、女性が「2100mg」、男性が「2800mg」です。
欠乏症としては「脱力感」や「食欲不振」などが考えられ、過剰症の心配はありません。
カルシウム(Ca)
カルシウムは体内に最も多くあるミネラルです。吸収されたカルシウムの殆どが、骨や歯になります。
他にも、血液凝固や筋肉の収縮、神経の興奮状態の抑制などの効果があります。
「干しエビ」に7100mgと最も多く含まれており、1回の食事で(10g程度)710mg摂取することができます。
1日の目標量は、女性が「650mg」、男性が「800mg」です。
欠乏症としては「骨量の減少」が考えられ、骨折や骨粗鬆症のリスクを高めます。
過剰症としては「泌尿器系結石」が挙げられ、他のミネラルの吸収を妨げる可能性があります。
リン(P)
リンはカルシウムとともに、骨や歯を形成します。エネルギーを蓄えることにも関与しているため、細胞の生命活動には欠かせません。
「桜エビ」に1200mgと最も多く含まれており、1回の食事で(10g程度)120mg摂取することができます。
1日の目標量は、女性が「900mg」、男性が「1200mg」です。
欠乏症としては「骨や歯が弱まる」ことが考えられます。
過剰症としては「カルシウムの吸収を妨げ」、「肝機能を低下」させます。
マグネシウム(Mg)
マグネシウムは体内の骨の約6〜7割に含まれています。
また300種類以上の酵素の働きをサポートしています。
「乾燥わかめ」に1100mgと最も多く含まれており、1回の食事で(3g程度)33mg摂取することができます。
1日の目標量は、女性が「310mg」、男性が「360mg」です。
欠乏症としては「動悸・不整脈・神経過敏・抑うつ症」など、多くの健康被害が考えられます。
過剰症の心配はありません。
鉄(Fe)
鉄は、酸素を全身に供給し、貧血を予防します。
体内にあるうちの、70%は赤血球のヘモグロビン、残りは筋肉や肝臓、骨髄などに貯蔵されます。
「干しひじき」に55.0mgと最も多く含まれており、1回の食事で(15g程度)8.3mg摂取することができます。
1日の目標量は、女性が「10.5mg」、男性が「9.5mg」です。
欠乏症としては「鉄欠乏性貧血」が考えられ、過剰症としては「鉄沈着症」が挙げられます。
亜鉛(Zn)
亜鉛は、多くの酵素の構成成分として重要です。
また、味を感じるための「味蕾(みらい)の形成」にも役立っています。
骨から皮膚まで、全ての細胞内に存在し、DNAやタンパク質の合成もしています。
「生かき」に13.2mgと最も多く含まれており、1回の食事で(20g程度)2.6mg摂取することができます。
1日の目標量は、女性が「8mg」、男性が「10mg」です。
欠乏症としては「貧血・味覚異常」が考えられ、過剰症の心配はありません。
モリブデン(Mo)
モリブデンは体内において、尿酸という老廃物の最終形態を作り出すため、必要な酵素の働きを助けます。
「糸引き納豆」に290mgと最も多く含まれており、1回の食事で(50g程度)145mg摂取することができます。
1日の目標量は、女性が「20mg」、男性が「25mg」です。
欠乏症としては「発がんのリスクを高めること」が考えられ、
過剰症としては「尿に銅の排泄量が増える」可能性があります。
クロム(Cr)
クロムは、炭水化物や脂質の代謝を助ける働きがあります。
また、血糖値を正常に保つ役割もあります。
「青のり」に41mgと最も多く含まれており、1回の食事で(2g程度)1mg摂取することができます。
1日の目標量は、男女ともに「10mg」です。
欠乏症としては「高血糖・動脈硬化」が考えられ、過剰症としては「呼吸器障害」が心配されます。
4 ミネラル豊富な飲み物
ここまで、食べ物を中心にご紹介しました。
しかし、実は飲み物からもミネラルを補給することができます。
飲み物からもミネラルは摂取できる!
では一体、何を飲んだらミネラルを補給することができるのでしょうか?
今回は、特にオススメなものを2つご紹介します。
ミネラルウォーター
ミネラルウォーターの中でも、「硬水」にはより多くのミネラルが含まれています。
特に、「カルシウム」と「マグネシウム」が豊富です。
日本の水は、軟水のものが多いことが残念な点ですが、市販のミネラルウォーターの中には硬水のものもあります。
ボトルの「硬度」に表記されているので、そこで確認できます。
ルイボスティー
最近、美容の面で何かと注目されている「ルイボスティー」ですが、その理由は「ミネラル」が豊富だからという点にあります。
含有量が豊富というだけでなく、種類も豊富であるため、非常にオススメです。
主に、カリウム・マグネシウム・カルシウム・鉄・亜鉛などが含まれています。
特に「亜鉛」は、ミネラルの中でも不足しがちな栄養素なため、飲むだけで手軽に摂取できるという点は非常に魅力的です。
さらに女性にとって、むくみ解消・イライラ解消・貧血予防などの効果はありがたいですね。
5 有害ミネラルって何?
実は、ミネラルの中には体にとって悪影響を及ぼす「有害ミネラル」があります。
有害ミネラルは、蓄積されることで健康被害へと繋がります。
さらに、有害ミネラルは食品以外からも多く発生しているため、回避は困難です。
いくつかご紹介します。
- 蛍光灯の光
- 排気ガス
- タバコ
- ヘアカラー剤
- 殺虫剤
- アルミホイル
などがあります。
これら全てを避けることは、不可能でしょう。
ここで大切なことは、ミネラルを「補給」と「排出」のどちらも行うことです。
必要なミネラルだけを補給し、不要な有害ミネラルは「排出」するということです。
排出するポイントは「腸」
では、有害ミネラルはどのようにして排出すれば良いのでしょうか?
そのポイントは「腸内環境を整えること」にあります。
良いミネラルを多く取り込むことで、腸内環境を整え、有害ミネラルを追い出しましょう。
腸内環境を整える、詳しい方法については下記のページ(2章「免疫力こそ最大の鍵!」)に載っています。
http://danran-family.com/the-cause-of-the…ecrease-immunity-4928
6 サプリメントで簡単に摂取する!
では摂取が難しく、種類も多い「ミネラル」ですが、こういった栄養素を効率的に摂るためにぴったりな方法があります。
それが「サプリメント」です。
サプリメントには、食事とは違った側面から、実に多くのメリットを期待できます。ではどんなメリットがあるのでしょう?
・低カロリー
食事で色々な栄養分を摂ろうとすると、どうしても余分なエネルギーを摂取してしまいがちです。
ですが、サプリメントは必要な栄養素だけを狙って、取り込むことができるため、低カロリーで済みます。
・低コスト
また、必要なミネラルを全て食事から補おうと考えると、材料費だけでかなりのコストがかかります。
しかし、サプリメントであればそのコストを抑えることができるというわけです。
・効率的
成分が凝縮されたサプリメントは、同じ栄養素でも、食事より多く取り込むことできるのです。
・利便性
手軽に短時間で栄養補給ができ、持ち運びもできるため、外出時も摂取できます。
・タイミング
効果的なタイミングを狙ったり、自分のとって続けやすいタイミングで飲むことができます。
(サプリを飲むのに効果的なタイミングとは、食後30分以内を目安に飲むと良い)
7 最後に
いかがでしょうか?
体にとってなくてはならない「ミネラル」ですが、食事から十分な量を確保することは難しいのが現実です。
なので、サプリメントなどを上手に使って取りきれない分の栄養素は、しっかりと補うようにしましょう。
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