- 10代がピークである…
皆さんは、これが何のことかお分かりですか?
実はこれ、「代謝の働き」のことなのです。
しかも男性の場合は18歳頃ですが、女性は15歳ほどで、ピークを迎えます。
「代謝は加齢とともに落ちていく」と知っている人は、多いでしょう。
しかし「20代頃は、まだ全然大丈夫。30代くらいから落ち始めるだろう」なんて考えてはいませんか?
ではなぜ代謝はこんなにも早く、活動が衰えてしまうのでしょうか?
本記事は、「代謝とは何か」と言う根本的な疑問から始め、以下の点から、代謝の謎に迫っていきます。
- 代謝による作用
- 三大栄養素との関係
- 代謝を下げてしまう原因
- 代謝を上げるメリットと方法
- お勧めの運動方法
などなど、改善に役立つ情報を多数、ご提供します。
また、様々な代謝アップの方法を調べた結果、私自身が「特に有効」だと感じた「筋肉量を上げる」ことについては、より詳しく、具体的にやるべきことをご紹介します。
本記事を読む皆さんは、代謝についての知識をもち、尚且つ実践することで、「年齢に負けない健康的で美しい体」を手にしましょう。
目次
1 代謝って何だろう?
では早速、最も根本的な疑問である「代謝とは何か」と言う点について、ご説明します。
本章では、それぞれ役割の違う「3つの代謝について」と、代謝の「2つの作用について」に着目していきます。
3つの代謝について
まずは、「3つの代謝」についてご説明します。
一言で「代謝」と言っても、代謝には3種類があります。
種類によって、消費の方法や消費される量も違います。
では、それぞれは全体の中でどのくらいの割合なのでしょうか?
円グラフにすると、このようになります。
代謝には「基礎代謝」「生活活動代謝」「DIT」の、3種類があることがわかります。
では以下から、個別にご説明します。
基礎代謝
全体の名で、最も多くの割合を占めているのが「基礎代謝」です。
これは全体の60〜70%ほどになります。
基礎代謝は、特に何もしなくても「自然に」消費されるカロリーのことです。
これは、寝ている時でも絶えず消費されて続けています。
よく耳にする「“代謝”を上げると、痩せやすくなる」と言う時の“代謝”はこの「基礎代謝」です。
生活活動代謝
全体の中で、次に多い割合の代謝が「生活活動代謝」です。約20〜30%ほどを占めています。
生活活動代謝はその名の通り、普段の生活の中や運動によって消費されるカロリーです。
スポーツでなくても、歩いたり立ったりと言った日常的な動作でも消費されています。
DIT(食事誘発性熱産生)
全体の中で、最も少ないのが「DIT(食事誘発性熱産生)」であり、約10%程しかありません。
これは食事をすることによって、消費されるエネルギーです。
なぜ食事によって、エネルギーを摂取しているのに、消費するのでしょうか。
それは様々な内臓が、食べ物を体内に取り込むために活動しているからです。
主に朝食によって消費されます。
“ 肝臓と代謝 〜なぜ肝臓は最もエネルギーを消費するの?〜 ”
肝臓には大きく分けて、3つの役割があります。
- 代謝
- 胆汁の生成・分泌
- 解毒作用
肝臓のなかで行われている「代謝」とは、胃や腸で分解・吸収された栄養素を利用しやすい物質に変えることを言います。
さらに、必要に応じてそれらを分解し、エネルギーを作り出す機能もあります。
三大栄養素を始めとした、殆どの栄養素の代謝を行っています。
代謝全体で6〜7割をも占める「基礎代謝」のなかでも、1/3(約27%)を担っているのが「肝臓」です。
肝機能をあげることは、代謝をあげることに直結しているというわけです。
代謝の2つの作用
代謝と呼ばれる化学反応には、大きく分けて2つの作用があります。
それは「同化作用」と「異化作用」です。
ここでは、これら2つについてご説明します。
同化作用
「同化作用」とは栄養を摂取し、呼吸や消化によって脂質やタンパク質など、体が必要とする物質を作る。
異化作用で作った「エネルギー(ATP)」を作って行う。
異化作用
外界から取り込んだ物質(食べ物)を分解し、より簡単な物質を、呼吸などによって酸素(O2)や二酸化炭素(CO2)を作りエネルギー(ATP)を産生します。
*
「同化作用」と「異化作用」の関係を、簡単にまとめたものが、以下の表です。
2 三大栄養素と代謝
代謝のエネルギー源となる栄養素は、主に「三大栄養素」です。
3つは、それぞれ別の物質へと変換され、我々の生命活動を支えています。
三大栄養素は、以下の物質に変わります。
- 炭水化物→ブドウ糖
- 脂質→グリセリン、脂肪酸
- タンパク質→アミノ酸
ではこれらの代謝は、どのようにして変化していくのでしょうか?
それぞれ順にご説明します。
炭水化物と代謝

炭水化物は、消化により「ブドウ糖」となって、小腸粘膜から吸収されます。
その後は、肝臓へ送られるもの、血中を流れ全身へ届くもの、中性脂肪となるものに分かれ、肝臓や筋肉では、「グリコーゲン」として貯蓄されます。
貯蔵するのは、必要に応じてエネルギーへと変換するためです。
しかし、このグリコーゲンの貯蔵には、限界があるため、炭水化物を余分に取りすぎてしまうと、中性脂肪となってしまい、肥満へとつながります。
脂質と代謝
食べ物からとった「脂質」は、膵液の消化酵素によって「リン脂肪・コレステロール・中性脂肪」の3つに分解されます。
さらに「中性脂肪」は「グリセリン」と「脂肪酸」に分解された後に小腸で吸収され、再び中性脂肪となります。
3つの物質は全て「カイロミクロン」となってリンパ管に入り、最終的には「肝臓」にたどり着きます。
以下はカイロミクロンの、簡単な図です。
タンパク質と代謝
この図は、タンパク質の代謝を、簡単に表したものです。
初めにタンパク質は、アミノ酸となって小腸から吸収され、その後、一部はタンパク質と再合成し、その他のアミノ酸は血液に乗って、体の各組織へ運ばれます。
再合成したタンパク質は、一定の割合で再度アミノ酸に分解され、絶えず新しいタンパク質へと入れ替わります。
不要になったアミノ酸からは、有毒なアンモニアが発生します。
これらは無毒な尿素へと変換され、尿として排出されます。
タンパク質の代謝は全て、肝臓内で行われ、有害な物質を無害化する働きは、「肝臓の解毒作用」によるものです。
3 代謝が下がるのは何故か?
エネルギーの変換など、人間の生命活動に欠かせない代謝ですが、これは様々な原因から落ちやすいという特徴があります。
代謝が落ちると、私達の体は多くの悪影響を受け、大きく分けると以下の2つの面への被害が考えられます。
- 免疫力の低下(健康面)
- 太りやすく、痩せにくくなる(美容面)
特に「免疫力の低下」は、様々な疾患へと繋がるため注意が必要です。
では、具体的にどのようなことが原因で、代謝は下がってしまうのでしょう。
加齢
代謝が下がる理由として、初めに挙げられるのが「加齢」です。
分かりやすくグラフに表すと、以下のようになります。
これは、厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準」を、参考にしたものです。
この表からも、かなり早い年齢からすでに下降が始まり、10代でピークを迎え、それ以降は急激に下がっていることがわかります。
代謝が下がると、同じ運動量や、同じ様な食事をしていても太りやすくなってしまいます。
一般的には、20代から30代になると平均体重は、男性が+5㎏、女性が+3㎏増えると言われています。
つまり、若い頃以上に生活習慣に気をつけることが必要です。
筋肉量の低下
エネルギーが最も消費される部位は「筋肉」です。
代謝全体の2割ほどを占めます。
筋肉の次に、肝臓などを始めとする内臓が続きます。
そのため筋肉量の低下は、代謝の上がり下がりに対し、絶大な影響力を持っています。
後ほど、筋肉量を効率的に上げる、トレーニング方法をご紹介します。
不規則な食生活
バランスの崩れた食生活は、代謝の低下の他にも、あらゆる健康被害に繋がります。
脂質の摂りすぎなどは、ここまでに何度か登場した「肥満」の原因にもなります。
しかし、ダイエットと称して、食事の量を極端に減らしたり、回数を減らしたりすることも、十分に健康被害の原因となります。
代謝活動の面から見ても、DITが機能せず、体温が低下するため代謝は低下します。
ストレスや疲れ
ストレスがかかると「コルチゾール」が分泌されます。
コルチゾールはストレスに対処するため、エネルギーを燃焼します。
ここまで聞いて、「エネルギーが燃焼されるなら良いのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか?
しかし、さらにストレスがかかり続けると、今度は筋肉までも分解して、ストレスに対処しようとします。
結果として筋肉量が下がり、代謝も下がります。
水分不足
体中の老廃物を回収しているのは、血液やリンパ管です。
そして、それらの大部分は水分でできています。
つまり水分が不足すると、血液やリンパ液の濃度が高くなります。
そして、ドロドロになり、流れが悪くなり、結果的に代謝が低下します。
4 代謝を上げて健康美を目指す!
どんなことが代謝を下げる原因となるのかは、前章でお分かりいただけたかと思います。
では逆に、代謝をあげることによって、どのようなメリットが期待できるのでしょうか?
代謝をあげる3つのメリット
本記事では、代謝が上がることによるメリットを、「健康維持・体型維持・美容的効果」の3つの点に分けていきます。
さらに、なぜそのような効果が期待できるのかなども、合わせてご説明します。
1つめ、多くの「健康被害を改善」する
代謝を高めることによって、改善が期待できる症状には、以下のようなものが考えられます。
- 冷え性
- むくみ
- 肩こり、腰痛
- 自律神経の乱れ
- 虚弱体質(風邪を引きやすい等)
これらの症状は、代謝が活発になり、血液の巡りが良くなることで、改善が期待できるとされています。
特に肩こりや腰痛は、血流が良くなると、筋肉が柔らかくなるので効果的です。
2つめ、「痩せやすい体質」になる
代謝(特に基礎代謝)を上げると、エネルギーの消費量が増えます。
基礎代謝が上がると、何もしていなくても自然とエネルギーが消費されます。
さらに、同じ量のエネルギーを摂取していても、生命活動に使用(消費)される量は、代謝によって変わります。
これが、太りやすい人と痩せやすい人の違いです。
3つめ、「美容効果」が期待できる
代謝が上がることで、細胞の新陳代謝も良くなります。
それによって肌や、髪が健康的な美しさを保つことができます。
代謝が活発になると、体内に入ってきたエネルギーを残さず使い切ることができるため、古い細胞はしっかりと排出されます。
つまり、老廃物を溜め込まないでいられるというわけです。
また、内臓機能も活性化されるため、便秘の改善にも役立ちます。
生活から代謝をあげる
ではいよいよ、代謝をあげる方法についてご説明します。
ここでは、できるだけ日常の些細なことに注目し、自然と代謝が上がっていく生活を目指した、見直した方法をご紹介します。
私が提案する、具体的な方法は以下のとおりです。
- 一年通して入浴する
- できるだけ階段を使う
- 電車では立っておく
- TVを見ているときは姿勢に気をつける
- 1日3食をしっかり食べる
入浴は代謝の向上以外にも、免疫力を上げることにも効果的なので、特におすすめです。
「夏は熱くて、全身浴はちょっと…」という方は、20分程の半身浴でも、十分に効果が期待できます。
入浴は基礎体温を上げることにおいて、即効性があります。
代謝や免疫において、理想の基礎体温は36.5℃です。
食生活の改善
次に食生活から、代謝の向上を目指していきます。
ここでは、大きく分けて3つのポイントがあります。それらを順にご紹介します。
《朝食はしっかり食べる》
代謝の中のDITは、朝に最も活発になります。
なので、その時間にしっかり食事をしておくことが重要です。
また、朝食を食べない人は、食べる人より「4.5倍」肥満になりやすいと言われています。
《食べ合わせに気をつける》
食べ物は、それぞれの栄養素の相性によっては、同時に食べると効果的なものが多々あります。
ここでは、「脂質の食べ合わせ」についてご紹介します。
揚げ物など脂質の多いものを、食べ過ぎてしまった後におすすめなのが「カルシウム」です。
カルシウムは脂質の代謝を助けるため、すぐにエネルギーに変換することができ、体内に溜まるのを防ぐことができます。
《酵素を摂る》
酵素を積極的に摂ることもおすすめです。
酵素は脂質の代謝を始めとした、様々な代謝を助けています。
しかし酵素は、熱に弱いため、効果的に摂取する方法が少ないという問題を抱えています。
48℃以上で、働きが止まってしまうため、火を使った調理はできません。
そこで最も効果的なのが「生野菜、果物」を生で摂取することです。
なので生野菜のサラダなどは、積極的に摂取すると良いでしょう。
5 オススメの運動法
次は、冒頭でもお話した、私が特に効果的だと感じ、オススメする「筋力量を上げる」ことについてです。
代謝を下げる原因のひとつでもある「筋肉量の低下」を改善し、効率的に代謝向上を目指しましょう。
では早速、おすすめする運動方法をご紹介します。
有酸素運動
筋力をあげつつ、代謝を上げるには「有酸素運動」がうってつけです。
しかし、有酸素運動といっても色々ありますよね。
具体的にどんなものが「有酸素運動」に含まれるのでしょうか?
代表的なものをご紹介します。
代表的な方法
有酸素運動の代表と言えるものは、以下のものです。
(自宅でできるもの)
- ウォーキング
- 筋肉トレーニング
(ジムなどへ行く場合)
- エアロバイク
- 水泳
以上の4つが、有効な有酸素運動です。
実践するポイント
有酸素運動全てに共通したポイントとしては、以下の3点です。
- 毎日継続してやる
- 1度に20分は続ける
- 「弱い力をじっくりかける」ことを意識する
ではここから、上記で挙げた具体的な運動法を実践する場合は、どんな点に注意するべきか、運動内容ごとにご説明します。
ポイントを抑えて、効率的に効果を得ましょう。
《ウォーキング》
ウォーキングをする際は、1歩を大股で、正しい姿勢で歩きましょう。
このとき、できる限り膝を曲げないで歩くことを意識すると、なお良いです。
こまめに水分補給をしつつ、歩くペースは、誰かと会話ができる程度の余裕をもたせることが大切です。
《水泳》
水泳は、非常に消費カロリーの多いスポーツとして有名です。
最も消費カロリーの多い泳ぎ方は「バタフライ」で、「約580〜1200kcal/時間」です。
次に「平泳ぎ」で「約430〜870kcal/時間」、次いで「クロール」が「約420〜840kcal/時間」となります。
ちなみに、水中ウォーキングも約290〜570kcal/時間ほど消費します。
《エアロバイク》
エアロバイクをする際は「心拍数」を意識することをおすすめします。
心拍数は年齢によっても異なるので、以下の表にまとめました。
年代 | 心拍数(回) |
10代 | 113〜133 |
20代 | 110〜130 |
30代 | 105〜124 |
40代 | 99〜117 |
50代 | 94〜111 |
60代 | 88〜104 |
自分の年代にあった、心拍数を常にキープすることが大切です。
筋肉トレーニングに関しては、次章で詳しくご説明します。
筋肉トレーニング
代謝にダイレクトに効果的な有酸素運動が、筋肉トレーニングです。
ここで言う筋肉トレーニングとは、厳しく特別な方法のトレーニングではありません。
定番のものを呼吸を意識して行うことで、有効的な有酸素運動としての効果を期待することです。
今回は、「腹筋」と「大腿筋」の2箇所を鍛える有効なやり方をご説明します。
腹筋を鍛える
ここでは定番の「腹筋」の効率的なやり方をご紹介します。
- 仰向けで、手は胸の前で交差
- 膝は軽く曲げる
- 息を吐きながら、5秒ほどかけ、ヘソが見えるまで上体を起こす
- ③の状態で3秒停止
- また5秒かけて、息を吸いながらもとに戻る
毎日1〜5の手順で「1セット10回×3セット」をやりましょう。
大腿筋を鍛える
こちらも定番の「スクワット」をご説明します。
- 足を肩幅に開く
- 手を頭の後ろに添え、まっすぐ立つ
- つま先より膝が出ないように、腰を下ろす
- 曲げる→伸ばすを繰り返す(息は吸う→吐く)
スクワットをやるときは、常に姿勢を意識しましょう。
また、太ももが床と平行になるくらいまで、腰を落とすことも大切です。
6 最後に
いかがでしたでしょうか?
今回は、「代謝とは何か?」に始まり、3つの代謝についての基本情報や、同化・異化作用、代謝を下げてしまう原因や、上げるメリット・方法、お勧めの有酸素運動、筋力を効率的に上げる筋トレについてお話ししました。
いきなり全てに挑戦しても、3日坊主になる可能性が高いでしょう。
なので少しずつ実践していき、日常のなかに溶け込ませていくことをお勧めします。
SNSで最新情報をチェック