血流

2020.5.12

健康は血管から!血管、血液の基礎知識と老化対策

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか。

新型コロナウイルスの影響で健康を害してしまった方、経済的に困窮している方、ストレスを感じている方など様々だと思います。

厳しい状況ですが、なんとか乗り切っていきたいですね。

さて、、

あなたはどこか調子の悪いところはありますか?

「絶好調で、どこも悪いところはない!」という方は少ないと思います。

心理的、身体的にどこか不調の箇所があったりするものです。

その不調のほぼ全てに関わりがあるのが「血」です。

全身を流れている血液です。

健康に気分良く生活をする上で、血液の状態を良くしていくことは欠かせません。

 

この記事では、普段あまり意識することがないであろう血管と血液のことについてお伝えします。

血管と血液の基礎知識

 血管が原因の死因はとても多い

現在日本人の死因の1位は悪性新生物(がん)27.4%、2位心疾患15.3%、3位老衰8.0%、4位脳血管疾患7.9%、5位肺炎6.9%(2018年の統計)となっています。

3位から5位は僅差であり、年によって入れ替わったりもしますが、2位の心疾患、4位の脳血管疾患という血管の疾患による死亡数は、合わせるとがん死亡者数に迫ります。

また、実はがんや肺炎も血流と関わりがあります。

血流の状態が良ければ免疫力も正常に働きやすくなりますので、がんや肺炎のリスクも軽減できます。

血管や血液を健康にしておくことは様々な不調、病気にかかる可能性を低くする、ということなのです。

人ひとりの血管の長さは地球2周半

私たちの全身に張り巡らされている血管の長さはなんと約10km

これは地球2周半の長さになります。

これだけの長さのものがキレイか汚いかで、当然体の調子も変わってきます。

ホースと水のような関係

血管と血液の関係はホースと水をイメージするとわかりやすいです。

ホース=血管、水=血液です。

新しくキレイなホースであれば弾力性があり、水もスムーズに流れやすいですが、古くメンテナンスされていないホースだと弾力がなくなりひび割れをしたり水アカが溜まったりします。

中を流れる水もキレイなものか、不純物が混じっている汚れた水かで流れは変わってきます。

血液の5つの役割

全身の血管を流れる血液には、主に次のような5つの役割があります。

  • 酸素や二酸化炭素を運搬 (全身に酸素を届け二酸化炭素を回収する)

赤血球のヘモグロビンが酸や二酸化炭素のガス交換をしています。

毛細血管が硬くなってくると組織へ酸素も届けられないし二酸化炭素も受け取れず、毛細血管が機能しなくなってしまった組織は酸欠状態になってしまいます。

結果として老化が進んだり、がん化したりという温床になっていくのです。

  • 栄養素の運搬(糖や脂質、アミノ酸などを運搬する)

血糖値が高くなると糖尿病だといわれます。

お医者さんに行くと膵臓のインスリンが十分に出ていないとか機能していないとか、糖分の摂りすぎだとか言われます。

しかし、その前に、血管から各細胞に糖を届けようとして運んでいるのに、肝心の血管の壁が硬くなってしまって、細胞に届けられない、届かないという事態も考えられませんか?

血管を柔らかく、各細胞との交流がスムーズにできる状態にしておけば、糖も細胞で利用しなくなるのです。

  • 体温調整(血液の流れる量を調整して、体温を一定に保つ)

血液は各臓器を流れるときに、作られた熱を吸収し、皮膚を流れるときに熱を放出することで体温を一定に保ってくれています。

冬には皮膚の血管が細くなり、毛穴を閉じることでなるべく体温が身体から逃げないようにします。

逆に夏は血管を太くして毛穴を開き、体温が外に出やすいように調節しています。

気温差が数十度あってもほぼ平熱が変わらないのは、このような機能が備わっているからです。

逆にウイルスや細菌が侵入したときは熱を上げ、免疫力を強化して抵抗力を増やします。

  • 老廃物の排出(体内でつくられた老廃物を、腎臓まで運び、排出させる)

血液は酸素や栄養素を運ぶだけでなく、老廃物を回収してくれる役割もあります。

回収された老廃物は腎臓に送られ、尿として排出されます。

町をきれいに保つためには清掃車が通る回数を増やすことが必要ですよね。

それと同じように老廃物を含んだ血液が何回も腎臓を回っているのです。

老廃物がきちんと回収されないと、皮膚などに溜まってしまい、むくみの原因になってしまいます。

  • 防御(細菌などの病原体を体から除去する、止血する)

血管は細菌などを攻撃する免疫細胞の通り道です。

免疫細胞は、じっとしているのではなく常にカラダ中をパトロールしています。

血液中に30分いたら、つぎは血管の壁をすり抜けて、細胞の合間を潜り抜けながらがん細胞や細菌が潜んでいないか、いればすぐさま処理しています。

臓器での探索が終わるとリンパ液に乗ってリンパ節で一息つきながら、また静脈にはいり心臓に戻って全身を駆け巡るわけです。

したがって、この流れが渋滞していたり、途中で道路工事のように中断していたりすると、免疫細胞が機能しなくなってしまうのです。

その結果は、感染症になりやすくなったりがんになったり、さまざまな生活習慣病につながっていくことになります。

 

これらの重要な役割があるので、スムーズに流れるように血管と血液を良い状態に保っておくことが大切です。

血管病を引き起こす動脈硬化

加齢や生活習慣の悪化により、血管の柔軟性がなくなり硬くなっている症状を「動脈硬化」といいます。

古くなったホースのようなものです。

一般的な動脈硬化は、血管の内側である血管壁の中に悪玉コレステロールが入り込みます。

それが血管の膜の中で酸化してお粥状の脂となってたまり、血管にコブを作ります。

このコブはプラークと呼ばれます。このプラークによって血管の壁が厚く硬くなり、血液の通り道を狭めます。

もろくなった血管は何かの拍子に切れたり裂けたりします。

また、狭くなった血液の通り道にプラークの表面が剥がれ落ちることなどでできる「血栓」という浮遊物が詰まることもあります。

古くなったホースに、泥や石の混じった水が流れて、流れが悪くなってしまったような状態です。

動脈硬化は血管の老化現象なので誰にでも起こることです。

しかし生活習慣に気をつけることで予防することができます。

突然死をまねく怖い血管病

血管が切れたり、裂けたり、詰まったりすると大変危険な血管病を引き起こし、最悪の場合はそのまま突然死、運よく助かっても重い後遺症が残る可能性が高くなります。

「切れる」パターンは例えば大動脈瘤破裂があります。俳優の阿藤快さん、かつては藤田まことさん、司馬遼太郎さんなどが亡くなっています。

脳出血の一種でもある、くも膜下出血によってプロ野球コーチの木村拓也さんが30代という若さで命を落としました。

「詰まる」パターンでは心筋梗塞や脳梗塞などがあり、サッカー選手の松田直樹さんが30代で亡くなりました。

エコノミークラス症候群と言われる急性肺血栓塞栓症も、血管が詰まることで発症します。 

血管の老化対策

普段の生活習慣を気を付けることで血管老化を遅らせることができます。

減塩とカロリーカットを

食事面でできる対策は減塩とカロリーカットです。

高血圧を招く塩分の摂り過ぎ、動脈硬化を促進させる糖分や脂質の摂り過ぎは血管を老化させる要因となります。

有酸素運動は血管を活発にする

現代人は運動不足になりがちです。

適度な有産を運動はカロリー消費だけでなく、血管の内皮細胞を活発化させます。

ストレスは血管の敵

過度なストレスは血管に負担をかけるきっかけとなります。

高齢者は加齢により動脈硬化が進んでいる人が多いので、ストレスがかかると血圧が上昇してコブを壊してしまいます。

東日本大震災後は血管病による突然死が増加したというデータもあります。

喫煙は百害あって一利なし

たばこに含まれるニコチンは血管を収縮させて血圧を上昇させます。

すると体は大きなストレスを受けて血管は狭まり高血圧になる可能性が高まります。

また、喫煙は喫煙者本人だけでなく周囲の人にも煙の影響を与えるのでおすすめできません。

 

 

50歳を過ぎたら特に血管に注意しましょう

50歳を過ぎると心筋梗塞などの心臓病と脳卒中などの脳血管疾患が急増します。

また、血管に直接関係のある病気でなくても加齢とともに不調のリスクは高まりますので「自分だけは大丈夫」と思わず気をつけることが大切です。

血管の老化は他の臓器や組織に比べると遅めですが、老化を自覚してくるのは5055歳くらいだと言われています。

以前は高齢者中心だった心筋梗塞や脳卒中が、40-50代にも多くなってきました。

世の中が便利になればなるほど人間の労力は減り、歩く時間などの運動する時間は短くなります。

そして食事の栄養価は上がり、高カロリーになっています。

運動量が減って摂取カロリーが増えるので、特に注意して生活しなければ血管の老化スピードは速まるばかりです。

 

しかし血管、血液は1日、2日で改善するものではありません。

年齢を重ねてからだけ気を付ければいいのかというとそうではなく、若いうちから意識していきたいものです。

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