血流

2018.8.10

認知症とは誰でもなるの?発症リスクと発症しないための4つの予防法

「元気に長生きしたい」

「ボケて身内にお世話になるのは嫌だ」

ある程度の年齢になるとそう考える方は多いと思います。

2016年の国民生活基礎調査によると日本の認知症患者数は予備軍の方を含めると約1000万人。この数字は65歳以上の3.5人に一人は認知症になりうるということです。

周りでも認知症になってしまった人が居たり、久々に会った人が認知症の前段階の軽度認知障害になっていたという人はいらっしゃるのではないでしょうか。

認知症はひとごとではありません。そして歳をとったからといって必ず認知症になるわけでもありません。

軽度認知障害の段階で適切に対処すれば悪化を防げますし、生活習慣を気を付ければ認知症も予防が可能です。

必要なのは「認知症に対する知識」です。

この記事を読んで、快適で心配のない『第二の人生』を送りましょう!

1 認知症とはどんな状態?

認知症というとそれ自体が病気の名前と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は認知症は病名ではありません。

「認知症」とは何らかの原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったために日常生活に支障がでている状態のことです。医学的にはまだ診断が決まっていない状態が認知症の状態です。

1-1 認知症ともの忘れはどう違う?

「もの忘れ」には「加齢による物忘れ」と「認知症による物忘れ」があります。

加齢によるもの忘れは脳の生理的な老化が原因で起こります。

ヒントがあれば思い出すことができ、本人にも忘れている自覚があり、日常生活に支障はきたしません。

認知症によるもの忘れは病気により脳細胞が破壊されることによって起こります。

本人にも忘れている自覚がなく、進行性で症状は酷くなっていき、日常生活に支障をきたすようになります。

1-2 認知症の代表症例3つ

・アルツハイマー型認知症

認知症の実に6割以上を占めるのがこの「アルツハイマー型認知症」です。そのため、アルツハイマー=認知症と思っていらっしゃる方もいるかもしれません。

アルツハイマー病は脳の萎縮が特徴です。その過程でごみのような物質が脳内に溜まり、脳神経細胞が障害、壊死をきたすのです。その物質は「アミロイドβ」と呼ばれます。これはたんぱく質の一種で、脳に「老人班」という特徴的な症状をもたらします。

しかし、近年、アルツハイマー病の症状はアミロイドβだけでは説明できないということになり、今注目されているのは「タウタンパク質」です。タウタンパク質が何らかの原因で「リン酸化」という状態になってしまうと、脳の情報伝達が上手くいかなくなり、脳の萎縮に繋がるのではないかといわれています。

このタウタンパク質のリン酸化を防ぐ薬がアルツハイマー病の治療薬になるのではないかと研究されています。

・血管性認知症

脳梗塞や脳出血など脳の血管障害によっておこる認知症です。

以前に脳血管疾患にかかっていたり、糖尿病、高血圧、心疾患などの危険因子を持っているひとは特にリスクが高いと言われています。根本的な改善方法はありませんが、脳への血流をよくするといいと言われています。

・レビー小体型認知症

脳の大脳皮質や脳幹に「レビー小体」という特殊なたんぱく質が集まることで神経細胞が壊れ、認知症の症状が現れます。

初期の段階ではもの忘れよりも、実際には無いものが見える「幻視」や現実の状態を正確に把握できない状態になったり、パーキンソン症状が現れることもあります。

コラム

昔「痴呆症」今「認知症」

認知症と痴呆症の違いはなんだろう?と思ったことはありませんか?

実は両者の間に特に違いはありません。

認知症は昔は「痴呆症」と呼ばれていました。しかし、「痴呆」という言葉の持つマイナスイメージから自分が変だな?と感じても言い出せない人が多く、症状が進行してから病院に行く。というように早期発見を妨げている要因になっているのではないかということで、厚生労働省は2004年に「痴呆症」を「認知症」と呼称変更しました。

昔は「痴呆症」と呼ばれていた症状が今は「認知症」と呼ばれるようになっているのです。言葉だけでも受ける印象がだいぶ違いますね。

 

2 アルツハイマー型認知症

認知症になる人の6割以上が「アルツハイマー型認知症」です。この認知症はどういう症状が出るのかをご説明します。

2-1 アルツハイマー型認知症の症状

アルツハイマー型認知症の症状は「中核症状」と「周辺症状」に分けられます

中核症状

記憶障害 判断力低下 時間や場所がわからない 話している言葉が理解できない

中核症状は脳の知的機能が落ちることそのものです

周辺症状

一人で歩き回る 怒りっぽくなる 疑り深くなる 意欲がなくなる イライラ・不安が出てくる

周辺症状はその人の人格や性質によって現れ方や出てくる症状が違います

2-2 アルツハイマー病の症状の進行

アルツハイマー病は最初は症状が軽度でも徐々に進行していきます

初期または前期 もの忘れ 総合的な判断が下せない ミスが目立つ 計画を立てられない
中期 服が着られない 失禁が多くなる 道に迷って帰れなくなる
末期または後期

体の動きや歩行状態が悪くなる 座ったり横になる時間が増える

寝たきりになって物が飲み込めなくなりやせていく

3 認知症の予防法

認知症にかかる人は現在増え続けています。この最大の原因は高齢者が増えたことです。

そして、近年の研究でアルツハイマー型認知症と血管性認知症の発症には生活習病が関わりがあることがわかってきました。

3-1 生活習慣病と認知症のリスク

認知症には前段階の軽度認知障害(MCI)と呼ばれる段階があります。

この軽度認知障害の症状が見られた837人を経過観察するという研究で、観察の結果一年間に7.1%の人が軽度認知障害からアルツハイマー型認知症に移行しました。とくに、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を発症していると移行のリスクが高いという結果が出ています。(「今日からできる認知症予防の食事と生活ー家庭栄養研究所編ー」より)

認知症の中で2番目に多い血管性認知症が生活習慣病などからくる動脈硬化が原因の疾患なことを考えると認知症は生活習慣病のひとつと言えるかもしれません。

また、タバコを吸う人は吸わない人に比べて1.5倍認知症の発症率が高いという調査結果もあります。喫煙がガンの危険因子であることは広く知られていますが、認知症の危険因子でもありますのでタバコを吸う人はそのリスクを考慮するべきでしょう。

3-2 軽度認知障害の段階で進行をストップ!

日本には認知機能が低下し始めた軽度認知障害の人が現在450万人いるといわれています。現在、この軽度認知障害の段階で適切な対処をすれば半数の人が認知症の進行を抑えられ、そのうちの20%の人は正常に戻るといわれています。

しかし、そのまま放置しておくと認知機能の低下が進み、4年後には認知症を発症してしまう人が50%に程度になってしまいます。軽度の段階で進行をストップさせることが大事です。

3-3 進行をストップさせる4つの対策

・生活習慣病の予防・治療

生活習慣病を抱えていると認知症進行のリスクが大幅に高くなります。

脳への血流量を増やす

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は脳の血流を良くします。温めることも全身の血流を増やすことになりるのでオススメです。

・脳トレで認知機能アップ

脳を活性化させるトレーニングも有効です。二つか三つのことを同時におこないます。

たとえば「歩きながら会話をする、計算する」「掃除をしながらラジオを聴く」など。これによって脳の情報処理能力や目的遂行能力の低下を防ぎます。

・認知症予防食に変更する

バランスの良い食事を基本に野菜や魚介を多く摂る食事が認知症にも良いことが証明されています。

 

認知症の進行を予防する生活=生活習慣病を予防する生活

です。人と話しながら毎日30分歩くなど適度な運動をして血流を良くするように努めましょう。軽度認知症障害の段階で食い止めることができれば、そこから認知がもとの状態に近いところまで改善したという例もあります。

さいごに

認知症でもっとも多いアルツハイマー病は、それを引き起こすといわれている老廃物の蓄積が発症の約25年前から始まっているといわれています。これからの超高齢化社会、アルツハイマー病の人はますます増えることが予測され65歳以上の5人に1人は認知症という時代になります。

今まだ40代、50代の人も前述のとおり、脳に老廃物はすでに蓄積されていっている可能性がありますので、日ごろの生活習慣を意識して改めることはとても大切です。

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