夜中ぐっすり寝たいのにトイレに何度も起きてしまう・・・。起きた後はなかなか寝付けず、やっと眠れたと思ったら朝になってしまって十分に寝た気がしない…。その結果日中眠くなってしまって仕事のパフォーマンスが落ちてしまう・・・。
そんな悪循環に陥っていませんか?実は
全国で800万人以上、40歳以上の男女の約8人に1人が何らかの尿トラブルを抱えている
日東書院『女性の尿もれ男性の頻尿をぐんぐんと解消する!最新治療と予防法』奥井識仁監修より
と言われています。悩みが悩みだけに人にも言いづらく一人で悩んでいらっしゃる方も少なくありません。夜間頻尿の問題な点は「夜中に起きることによって目が覚めてしまいそのあと寝られなくなってしまう」というところです。慢性的な睡眠不足の状態になると日常生活に支障が出てしまい問題ですよね。
今回の記事はなぜ夜間頻尿になるのか、対策はどうすればいいのかということをお伝えします。ぜひご自身の快眠ライフにお役立てください。
目次
1.夜間頻尿とは
自分が夜間頻尿かも??と思っていても実際にどのくらいトイレに行ったら夜間頻尿と言えるのでしょうか。この章では夜間頻尿の定義をお伝えします。
1-1夜間頻尿の定義
・夜中に一回以上トイレに行く
が夜間頻尿の定義です。
ただ、夜中に1回はトイレに起きるという人でも排尿後にすぐに眠れる人は問題ありません。問題なのはトイレに行くことですっかり目が覚めてしまい、なかなか眠りにつくことができず睡眠不足に陥ってしまう人です。
夜間頻尿に悩まされている方は昼間も頻尿になっていることが多いので「頻尿」を改善することで夜間頻尿も治っていきます。
1-2夜間頻尿で困ること
夜間頻尿で問題になることの一つが「睡眠の質が低下する」ことです。
ペンシルベニア大学の研究結果によると、一日の睡眠時間が6時間以下の状態を二週間続けると、二週間後には2日間徹夜した状態と同じ作業効率まで落ちてしまうそうです。
『ELITE DAILY』より
慢性的な睡眠不足の人はそれだけパフォーマンス面で損をしているということです。
また、夜間頻尿は危険と隣り合わせでもあります。夜中にトイレで目が覚めたとき頭がボーっとして何かに躓いて転んでしまうことがあります。
2.夜間頻尿の主な原因
そもそも夜間頻尿は何が原因で起こるのでしょうか。この章では夜間頻尿の原因をお伝えします。
2-1身体の冷え
身体が冷えると血行が悪くなるため筋肉が硬くなります。とくに下半身が冷えると膀胱の筋肉の弾力が低下します。弾力がなくなると膀胱は縮むので、尿をため込む量が少なくなります。ため込む量が少ないとすぐに膀胱がいっぱいになるので尿意を感じやすくなります。また、冷えていると汗をかかなくなるので、汗として排出されている水分も尿から排出されるようになるためトイレが近くなります。
2-2加齢
頻尿の中でも「夜間頻尿」は加齢による原因が多いといわれています。人間の身体は昼に尿を沢山つくり夜は尿を作る量が減るようになっています。
尿は腎臓で作られますが、高齢になって血流が悪くなると昼間は筋肉の活動などに血液が優先的に供給され、腎臓が後回しになります。そのため昼間に作られるはずの尿が夜間に作られることになり、夜間の尿量が多くなります。また、抗利尿ホルモンの分泌も加齢とともに少なくなってきます。
2-3自律神経の乱れ
膀胱に尿がたまると交感神経が優位になり、脳から膀胱をゆるめる指令が送られます。それによって膀胱が広がるのでさらに尿がたまります。たまった尿が一定量を超えると副交感神経から膀胱に尿がたまった感覚が伝えられます。すると脳は尿意を感じ排泄を促す指令を出します。
このように尿をためる畜尿と尿を出す排尿は自律神経に支配されています。 自律神経が乱れると、突然猛烈な尿意がやってくるという過活動膀胱の原因になります。
3.どうしたらいいの?夜間頻尿を治す対策
ここまで夜間頻尿の定義や原因、疑われる病気などをお伝えしてきましたがここからは実際にどんな対策をしたらいいのか、治し方などをお伝えします。
この記事の最初にもお伝えしておりますが、夜間頻尿で困るのは「ぐっすり眠れないこと」です。ぜひ夜間頻尿を治して快適な睡眠ライフを取り戻してください!
3-1足のむくみをとる
足がむくんでいる人が寝るために横になると足から心臓へ戻る血液の流れが一気によくなります。そのため、足にたまっていた水分が一気にめぐり、その水分が尿に変わってしまい夜間頻尿の原因となります。足のむくみをとって全身に正常に血液と水分がまわるようにしましょう。
3-1-1寝る前にふくらはぎをもむ
ふくらはぎは心臓に血液をもどすポンプの役割をしています。ここをもんでやわらかくすると血流が促されむくみが軽減されます。就寝前にふくらはぎをほぐし、先に尿として出してしまうことで夜間頻尿を防ぐことができます。
3-1-2 寝る2~3時間前の入浴
入浴は血流がよくなるので夜間頻尿対策や足のむくみ対策には有効ですが、就寝直前に入浴してしまうと入眠に必用な自律神経の副交感神経の働きを妨げます。
夜間頻尿の対策としては寝る2~3時間前までに入浴を済ますとよいでしょう。
足のむくみをとる対策については『むくみに効くツボ15選』も参考になさってみてください。
3-2仙骨にカイロをはる
仙骨は骨盤の真ん中にある重要な骨です。特に女性にとっては重要な骨で、仙骨から膀胱や子宮、卵巣などにつながる神経が出ています。仙骨を温めるとこの神経の働きがよくなります。
また、おなかが温まり骨盤内の血流が改善するので冷えが解消し自律神経のうちの副交感神経が優位になって心身がリラックスします。これが排尿に良い影響を与えます。
仙骨カイロの貼り方↓
3-3 骨盤タオル体操
タオルの棒を作ります。フェイスタオルを四つ折りにしてくるくると巻いて棒状にします。棒の直径が4~5センチ、長さが20センチ程度になるように作ります。
- タオル棒を椅子の中心に縦に置きます。会陰部の真ん中で座るイメージでおしりを前後左右に揺らし、交差点の真ん中になるようタオルの位置を調節します。
- タオル棒を意識しながらゆっくりと鼻から息を吸い、お腹がふくらむのを確認します。ゆっくりと息を吐きながらお腹がへこんでいくことを確認します。息を吐きながらティッシュを引き上げるようなイメージで肛門と膣を締めます。
※おなかに手を当てながら行うと上手くできます。
※4~5回行いましょう
肛門や膀胱周りの筋肉を鍛えることで尿漏れの予防になります。
4.頻尿で疑われる病気
頻尿は思わぬ病気が裏に潜んでいることがあります。頻尿の時に疑われる病気をいくつかご紹介します。気になった方は泌尿器科や婦人科を受診しましょう。
・過活動膀胱
何らかの原因で膀胱が過敏になり、膀胱が過剰に活動して収縮してしまうため尿漏れや頻尿がおこります。代表的な症状としては「強い尿意が不意に訪れる」「トイレまで我慢できずに漏らしてしまう」「トイレが近くなる」が挙げられます。
40歳以上の男女の8人に1人が過活動膀胱の症状があるとの調査結果もあります。
・前立腺肥大症
60代以上の男性によく見られ、多くの尿トラブルの原因となる病気です。トイレが近くなる「頻尿」、夜に何度もトイレに起きる「夜間頻尿」、尿がすぐ出ないので時間がかかる「排尿遅延」、排尿を終えてもまだ残っている感じがする「残尿感」、尿に勢いが無くちょろちょろとしか出ない「尿勢低下」などの症状が現れます。
・骨盤臓器脱
女性に多い病気で、妊娠、出産、加齢、閉経、肥満、便秘などが原因で骨盤底筋(骨盤の底にある筋肉)が切れたりゆるんだりすることで支えを失った骨盤内の臓器が膣から出てしまい排尿に支障が出る病気です。
自分で気づく症状としては「午後になると尿漏れや頻尿が酷くなる」、「股間の違和感や不快感」、「膣からピンポン玉のようなものが出る」などがあります。
【コラム】
骨盤臓器脱までいかなくても、骨盤底筋のゆるみで頻尿になる方も多いようです。この筋肉は骨盤内の臓器を支えるだけでなく、尿道や膣、肛門をしめる役割をはたします。ですが、妊娠、出産、加齢、肥満、便秘、運動不足によってこの筋肉がゆるんでしまい、尿道をしめる筋肉もゆるんでしまいます。その結果、おなかに力がかかると尿もれする「腹圧性尿失禁」の症状が現れます。
内部の筋肉のゆるみなのでなかなか実感しにくいかもしれませんが、「お尻が横に広くなって下半身が太ってきた」「おへその下のおなかが出ている」「お尻がたれてきた」など身体の変化があり、尿もれも併発している方は骨盤底筋がゆるんでしまっているかもしれません。
いかがでしたか?夜間頻尿は辛いですが何より辛いのは眠れなくなってしまうことですよね。夜間頻尿を克服して快適な睡眠ライフ、そしてはりのある生活を取り戻しましょう!
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