不眠症

2018.11.9

睡眠覚醒とは何か?|5つの工夫でぐっすり眠ってすっきり起きよう!

日本人の4人に1人が悩んでいる。
あなたの家族の中にも悩みを抱えている人が1人はいるかもしれません。
もしくは、あなた自身の悩みかもしれませんね。

ではこの悩みが何だか分かりますか?
実はこれ「睡眠」に関する悩みなんです。

皆さんは「睡眠覚醒」という言葉を聞いたことがありますか?

毎日の睡眠において「覚醒状態」とは良くも悪くも、様々な影響を与えています。

睡眠とは寝ている状態のことを言いますが、覚醒とは起きている状態のことを指します。

起きている状態が存在しなければ、寝ている状態も存在しない様に、「睡眠」と「覚醒」は2つで1つ生命活動です。

睡眠については、以前の記事でご紹介しました。
なので、今回はこの「覚醒」についてのお話をしたいと思います。

具体的には、以下の項目に沿って進めていきます。

  • 睡眠覚醒時の脳内
  • 自律神経との関係
  • 睡眠覚醒のメカニズム
  • 覚醒の役割
  • 過覚醒状態について
  • 睡眠時随伴症について

さらに、“ぐっすり眠って、すっきり起きるための5箇条”なども加え、みなさんの睡眠に関する悩みの軽減をお手伝いしていきたいと思います。

活動エネルギーの源であり、私たちを支えている、睡眠を整えることで、日中のパフォーマンス向上を目指していきましょう。

※睡眠について、興味のある方は以下のページをご覧ください。↓

http://danran-family.com/what-is-sleep-5-…ake-sleep-better-5137

1 睡眠覚醒とは何か?

睡眠覚醒とは一体何なのでしょう。

ここでは覚醒についてや、自律神経との関係をご説明をした上で、睡眠覚醒のメカニズムのお話をします。

また前提として、睡眠覚醒は「睡眠障害の一種」ということを先に明記しておきます。

覚醒中の脳内

では「覚醒中(起きている状態)」に私たちの脳内は、どのようになっているのでしょう。

睡眠と覚醒の切り替えは、脳の視床下部で行っています。

視床下部では様々な働きを担っていますが、その中心となる働きが「睡眠覚醒制御」です。

オレキシン」という脳内タンパク質の生成を行っており、直接的には、この物質が「睡眠」と「覚醒」を切り替えています。

オレキシンの働き

オレキシンは分泌されるの量によって、「睡眠」と「覚醒」を切り替えています。

オレキシンが多く分泌されると「覚醒状態」となり、少ないと「睡眠」となります。
なぜこのように切り替えることが出来るのでしょうか?
それはオレキシンが「アドレナリン」や「ドーパミン」を促すことが理由となります。

しかし、このオレキシンが様々な要因「オレキシン」の分泌をコントロールができなくなり、「睡眠障害」へと繋がります。

つまり、睡眠覚醒とは以下のような状態を指します。

  • 本人が眠りたくても、脳内で「オレキシン」が分泌されてしまい、眠ることが出来ない状態
  • 眠っていても、脳内の「オレキシン」の分泌により、目が覚めてしまう状態

自律神経のハナシ

オレキシンの働きの1つでもある、自律神経の交代に関しても、睡眠においては無視できません。

特に、しっかりとした睡眠をとるために必要なのは「副交感神経」です。
副交感神経休息の神経とも言われており、脳をリラックスさせる神経です。

また、自律神経は片方が優位になると、もう片方は抑制されます。

副交感神経と交感神経の交代を、しっかり出来るかどうかが、睡眠を取るためには重要となります。

快適な睡眠を取るためにおすすめされる行動は、この2つの神経を自然と交代させる事を目的としています。

睡眠覚醒のメカニズム

睡眠覚醒をコントロールしているのは「体内時計」です。
これは、人の身体に自然と備わっているシステムのことです。

しかし、この体内時計の周期は、24時間より少し長くなっています。
これを24時間に合わせるため、ズレを調整するのが「太陽の光」です。

太陽に光によって、体内時計がリセットされます。

また、太陽の光は自律神経にも働きかけ、「副交感神経」から「交感神経」へと交代させたり、オレキシンの増減や、体温の上下にも関係しています。

2 「覚醒」の役割

では覚醒自体には、どのような役割があるのでしょうか?

覚醒には、脳を活性化させ、活動的な状態へ導く働きがあります。

以下のようなことは、覚醒時にしかできません。

  • 意志を持った行動
  • 外界の刺激を知覚
  • 学習

また覚醒は少なくても、多くても、正常な活動の妨げとなります。

では覚醒が少ない場合と多い場合、それぞれ見ていきましょう。

覚醒が少ないと?

覚醒が少ないということは、つまり脳がはっきり目覚めている時間が少ないということです。

これでは、日中に絶えず眠気と戦わなければいけません。

ナルコレプシー

覚醒が少ないことで起こる弊害の代表的なものが「ナルコレプシー」です。
これは、日中耐え難い眠気に襲われる疾患です。

主な症状は以下の4つです。

  1. 睡眠発作・・・突然眠り込んでしまう。
  2. 情動脱力発作・・・突然全身の力が抜けてしまう。カタプレキシーとも言う。
  3. 入眠時幻覚・・・入眠時に幻覚が現れる。
  4. 睡眠麻痺・・・突然身体が硬直する。金縛り。

現在は、主に薬物療法によって改善が見込めます。

覚醒しすぎると?

逆に、覚醒しすぎてしまうことを「過覚醒」といいます。

本来休むべきときも、脳が活発になってしまうため、入眠困難になります。
これは、覚醒物質を分泌する働きが平常時より高いため、大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)から「覚醒」の指令が出され続けてしまいます。

中途覚醒

眠りが浅く、夜中に2回以上目が覚めてしまう症状を「中途覚醒」といいます。

再入眠ができない(もしくは時間がかかる)場合が多く、加齢とともに強まる傾向にあります。

早期覚醒

早期覚醒」とは、自分自身が起きようと思っていた時間よりも、2時間以上早く目が覚めてしまう症状のことをいいます。
その後、再入眠も難しい傾向にあります。

中途覚醒と同様に、加齢にともなって強まると言われています。

大切なのはバランスである!

皆さんにも、ここまでからお分かりなように、覚醒は「バランス」が大切です。

そしてこのバランスを保つためには、夜間の過ごし方はもちろんのこと、昼間の行動も重要となります。
つまり昼間にしっかり活動し、日光をたくさん浴びることです。

体内時計をリセットさせ、交感神経を働かせ、「覚醒」しておくことです。

そうすることで自然と夜には、睡眠のための体勢が整っていくというわけです。

“ストレスと覚醒の関係”

ストレスによって、眠れなくなってしまう症状を「ストレス性睡眠障害」といいます。

人はストレスを受けると、心拍数や呼吸が速くなったり、血圧が上がったりという心身への大きな負担がかかります。

脳が興奮して、身体がどんなに疲れていても、覚醒状態に陥ってしまいます。

これはストレスによって自律神経が「交感神経優勢」となってしまうためです。

3 ぐっすり眠り、すっきり起きる5箇条

ではここから、本記事のメインでもある「ぐっすり眠り、すっきり起きる5箇条」をご紹介していきます。

睡眠と覚醒のバランスが取れることで、夜にしっかり眠れるだけでなく、朝には前日の疲れもとれて、すっきりした気持ちで新しい1日を迎えることが出来ます。

其の一、サインを習慣化

皆さんは、意識的につくっている毎朝・毎晩の習慣はありますか?

習慣とは便利なもので、その行動をするだけで脳を切り替えることが出来ます。

ではどんなことを習慣化させると良いでしょうか?

ここで、おすすめなものをいくつかご紹介します。

朝におすすめな習慣

朝の習慣にお勧めな習慣は以下のとおりです。

  • 耳を引っ張る
  • 起床直後にカーテンを全開にする
  • 熱いシャワーを浴びる

これらをオススメするのには理由があります。

耳には100ヶ所以上のツボがあり、中には目を覚ますために有効なツボもあります。

起床後にカーテンを全開にするのは、言うまでもなく太陽の光を全身で浴びるためです。

熱いシャワーを浴びる事は、寝汗などを流せるだけでなく、気持ちもすっきりします。

夜におすすめな習慣

次に夜にお勧めな習慣を、ご紹介します。

  • 決まった音楽を聴く
  • 寝室は決まった香りにしておく
  • 決まった飲み物を飲む

夜に必要なことは、とにかく心身ともにリラックスすることです。
なので音楽や香り、飲み物は、自分自身がゆったりとくつろげるものを選びましょう。

其の二、明るさを適切に保つ

明るさは、自律神経を意識的に交代させるために有効です。

朝には、太陽の光(しつこいようですが、それだけお勧めなのです。)。

夜には最低限の光に留めることが重要です。
寝室の照明を、間接照明にすることもおすすめです。

其の三、ブルーライトについて

ブルーライトの付き合い方については、注意が必要です。

朝はスマートフォンなどを見ても良いですが、夜にはできるだけ控えましょう。
それはブルーライトの光は、脳への刺激が強いため、目を覚ましてしまうからです。

また、ブルーライトは太陽の光と似ているため、脳が昼間であると勘違いしてしまうこともあります。

其の四、室温を適切に保つ

布団の暖かさには注意するけれど、室温にはあまり注意していないという人が意外と多いように感じます。

実は寝具と同じくらい、室温も睡眠には重要な要素です。

夏場などに、クーラーで冷えすぎないようにと、室温が高すぎることも逆効果です。
室温が高すぎると、必要以上に汗をかいてしまいます。
しかし入眠後は自動的に体温は下がるものです。
そこに、汗による過剰な「熱放散」が起こり、二重に体温が下がってしまいます。

逆に、冬場など室温が低すぎることも好ましくはありません。
血行が悪くなり「熱放散」が起こらなくなってしまいます。

其の五、寝具を調節

寝具を調節する上で、重要なポイントは以下の4つです。

  1. マットレスの硬さ
  2. シーツや布団カバーの素材
  3. 枕の高さ
  4. 清潔さ

マットレスは硬すぎず、柔らかすぎない程度が良いです。
素材に関しては、自然の素材(吸湿性、保温性、肌触りがよい)がおすすめです。
ハウスダストには十分に気を使い、ベッド周辺もこまめに掃除をするようにしましょう。

また、できればベッドのサイズはゆとりがあると良いです。
必要なサイズより、1つ大きいものがおすすめです。

4 睡眠時随伴症って何?

睡眠時随伴症」という疾患をご存知ですか?

実はこの疾患は「覚醒」と密接に関係しています。

では、どう繋がりがあるのでしょうか?

発症のメカニズム

睡眠時随伴症とは、パラソムニアとも呼ばれており、主な症状は睡眠中に異常行動を引き起こすことです。

原因は脳の「部分覚醒」にあります。
部分覚醒とは、ノンレム睡眠中に、脳の機能の一部が覚醒してしまうことです。

ですが、意識や意志を司る「前頭前野」という部分は、眠っているため本人に意識はありません。

夢中遊歩症(夢遊病)という、眠っている間に歩き回ってしまう疾患もメカニズムは、睡眠時随伴症と同じです。

どんな症状?

「無意識に異常行動を引き起こす」と聞くと、何かとんでもない病気の様に感じますが、症状を見ていくと、意外にも身近な疾患であることがわかります。

具体的な症状は以下のとおりです。

  • 寝言
  • 歯ぎしり
  • ものを噛む
  • 夜驚症(やきょうしょう)

などがあります。

夜驚症とは、入眠2〜3時間後に突然大声を出したり、起き上がって泣きわめくといった行動が見られます。

無意識下での行動なため、本人が自分で気がつくことは難しいでしょう。
周囲の人が気づいてあげることが必要です。

5 最後に

いかがでしたか?

ここまでの内容をざっとまとめると、以下のようになります。

  • オレキシンが睡眠と覚醒を切り替える
  • オレキシンが多いと「覚醒状態」となる
  • 睡眠時は副交感神経でなければならない
  • 太陽の光が体内時計をリセットする
  • 覚醒は多すぎても少なすぎてもいけない
  • ぐっすり眠って、すっきり起きる工夫は5つある
  • 睡眠時随伴症は脳の部分覚醒が原因

睡眠に関するあらゆる障害には、実に多くに人が頭を抱えています。

最後まで読んでくださった皆さんは、こんな悩みとは無縁な生活になることを願っています。

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