「腰が痛いんだけど、この痛みをとるには温めるのがいいのか、それとも冷やすのがいいのか、どっちなんだろう?」
と悩まれる方は多いと思います。
病院に行けば湿布をくれるけど、「お風呂にはしっかり入ってください」と温めるようなことも言われる。確かに冷やすのも温めるのも効果がありそうです。
では、どうすればいいのか?答えは簡単です。
温めるか冷やすかは自分の体に聞くことが大切です。
本コンテンツでは、
・状況別!その腰痛は温める?冷やす?
・冷やす方法と最適な時間
・温める方法と最適な時間
・腰痛が発生しない対策
をご紹介しています。
目次
1 腰を温めるか冷やすかは患部の炎症次第
「温めるか冷やすかは自分の体に聞きましょう」とお伝えさせていただきました。
では、何を聞けばいいかというと、腰の痛い部分の状況を触ってみてください。
- 熱を持っている
- 腫れている
- 赤くなっている
上記の3つのいずれかに当てはまる場合は、痛い部分が炎症を起こしている可能性があります。
もし、炎症を起こしている場合は「冷やして」ください。
いずれにも当てはまらない場合は、炎症は起きていません。痛い部分を「温めて」ください。
2 痛い部分に炎症があれば冷やす
痛い部分に炎症があれば、血流を低下させ、炎症部分の細胞を一時的に不活化することで、腰痛が早く引きます。
2-1 最適な冷やし方は「氷嚢」
痛い部分を冷やす際、最適な冷やし方は「氷嚢(ひょうのう)」を使った冷やし方です。
↑おすすめの氷嚢。安価でどの患部にも当てやすいようにっています。
【氷嚢での冷やし方】
氷嚢の中に氷と水を入れて、痛い部分に当てます。
たったこれだけでOKです。
2-2 冷やす時間は「感覚がマヒする程度」
冷やす時間はお医者さんや各種サイトによりまちまちですが、一番多いのは「20分程度」です。
しかし、根本的に行き着く先はどのお医者さんも「炎症部分の感覚をマヒさせること」です。
そのため、きっちり何分というよりは、冷たくなってきて「感覚がなくなってきたなぁ」と感じたら冷やすのをやめましょう。時間がたつと痛みが出てくるので、また冷やしましょう。
なお、30分以上連続で行うと、凍傷などの恐れがあります。マヒする感覚にならなくても30分以上は冷やさないようにしましょう。
2-3 冷やすべき時に温めると内出血やあざになります
腰痛など体に炎症が発生している時、その部分の細胞や細胞につながる毛細血管などは壊れていたり、切れている状態です。壊れてしまった細胞や切れてしまった毛細血管を修復するために炎症が起きているのです。
では、切れた毛細血管がある個所を温めるとどうなるでしょうか?
(1)血流量が増え、内出血が増える
当然、温めると血流量が増えます。損傷している毛細血管に必要以上に血液が流れると、損傷個所から血液が漏れてしまいます。これが一般的な「内出血」の原因です。血液が体内で漏れているので、あざのように見えたりします。なお、あざのようにはっきりと見えない内出血もありますので、ご注意ください。
(2)内出血が増えると、元気な細胞にも影響が
内出血が増えると、周辺の細胞や毛細血管を圧迫します。そうするとその細胞たちに必要な酸素や栄養素が行き届かなくなり、元気がなくなってしまいます。これを「二次的低酸素障害」と言います。
2-4 炎症部分を冷やすのは細胞を省エネモードにするため
炎症部分を冷やすと、細胞が一時的に不活化します。そうすると細胞の代謝が低下します。
代謝が低下すると細胞が必要とする酸素や栄養素の必要量が減り、細胞が必要とする血液が減ることで、内出血などを防いでいます。
3 痛い部分に炎症がなければ温める
もう炎症がなくなっていれば、原因は細胞の修復以外の原因です。しっかり温めてあげることで血流アップや腰周辺の筋肉のコリをほぐしましょう。
3-1 手軽にホッカイロで温める
現代ではいつでもネットショッピングでカイロが手に入ります。安価でさらに、家でも外出先でも使用できるのでお勧めです。
カイロで温める箇所は痛いところでOK!ただし、肌に直接貼ったり、就寝時に貼りっぱなしだと、低温やけどになる可能性があるので、そのようなことはやめましょう。
3-2 遠赤外線でしっかりと温める
遠赤外線は体を温めるのに最適で、低温やけどにもなりません。さらに、遠赤外線は皮膚表面より0.2mmのところで熱エネルギーに変換されるので、カイロなどよりも早く効率的に温めることができます。
(1)遠赤外線腰巻ベルト
バッテリーで駆動して、遠赤外線をふく射する腰巻ベルトです。遠赤外線サポーターなどと異なり、ベルト自身から遠赤外線がふく射されるので、温まるのがとても早く、さらに持続するので外での利用に最適です。
さらに、肩にまけば肩こりなどを温めることもできます。
(2)遠赤外線ドーム「遠赤王 日だまり」
自宅にいながらどんな体制でも遠赤外線を腰に当てることができる製品です。出力も強く、腰巻ベルトより量が多く遠赤外線がふく射されます。寝っ転がりながら腰を温めたり、座りながら腰を温めたりすることができます。
3-3 痛い部分を温める理由はこの2つ
【理由1】細胞の代謝を高める
痛い部分を温めると、その部分の細胞の代謝が良くなります。代謝が良くなると、傷ついた細胞の回復が早くなります。代謝が良くなることで多くの酸素や栄養素が必要となり、それを届けるために血流をよくする必要があるのです。
【理由2】温めて痛みが発生している周辺の筋肉のコリをとる
血流が良くなると、痛い部分にある筋肉のコリをほぐすことができます。筋肉が凝っていたことで痛みが発生している場合は、神経を圧迫して痛みが発生しています。温めて筋肉のコリをとると痛みが消えていくでしょう。
【コラム】湿布は使い時を気を付けよう!
湿布には冷感湿布や温感湿布がありますが、これは冷やすや温めるといったためにあるものではありません。
湿布を貼ったときに皮膚が「冷たく感じるのか」「温かく感じるのか」の違いだけです。湿布の薬用成分が異なるものではありません。
冷感湿布も温感湿布もは基本的に消炎鎮痛剤です。痛い部分に貼ると、皮膚から消炎鎮痛剤が吸収され、痛みを抑えます。しかし、この消炎鎮痛剤を吸収すると交感神経の作用により吸収された部分の血管が収縮し、血流が悪くなります。
冷やすべき時に湿布を使って、消炎や血流悪化は問題ありません。しかし、温めるべき時に湿布を貼ってしまうと、逆効果となってしまい、痛みが長引いてしまうかもしれません。
4 1日3秒!腰痛対策”これだけ”体操
【参考記事】http://www.nhk.or.jp/kenko/nspyotsu/a02.html
腰痛の痛みから解放されるには、最低でも1日3秒間の”これだけ”体操を実施してください。
腰痛の痛みを訴えていた方の70%程度の方が、この”これだけ”体操により腰痛が改善しています。
【これだけ体操のやり方】
1.足を肩幅より、やや広めに開く
2.おしりに両手をあてる
3.息を吐きながら、ゆっくり上体を反らす
(「いた気持ちいい」と感じるくらいがベストです)
4.上体を反らしたまま、その姿勢を3秒ほど保つ
※骨盤を前に押し込むイメージです
【注意】腰からヒザにかけて、しびれが出る場合は中止してください
※引用元:番組で紹介した対策を行う | NHKスペシャル腰痛・治療革命 ~見えてきた痛みのメカニズム~ | NHKオンライン
なお、1日1回以上であれば、何回やっていただいても問題ありません。1日の回数より、毎日継続してやることが大切です。
また、腰痛が発生して炎症を起こしているときはやらないようにしてください。
まとめ
腰痛が発生したときは、まずは自分の体に聞いてみてください。
痛い部分に炎症(熱・腫れ・発赤)があれば、冷やす。
痛い部分に炎症がなければ、温める。
また、湿布は使用してもかまいませんが、炎症がない場合には使用しないようにしましょう。
腰痛を改善したい方は、1日3秒でできる”これだけ”体操を毎日やりましょう!
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